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誰かとかかわること。

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軋轢もあれば葛藤もある。 そんなときは、書いてみる。
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#言葉

ふくらまぬ声。

ふくらまぬ声。

私の声はあまり通らないな、と思うことがある。

どこにも、声の大きな人というのはいて。
皆の話をひとところに制するエネルギーを持っている。
かと思えば、声はささやかなのに、すっと透る声でその場の空気をさらっていってしまう人もいる。
同じ内容を話していたとしても、そんな人たちは人より幾ばくか多くのプラス要素を受け取る才があるのではないか。
妬み僻みなんてものを超えて、これはもう生まれ持ったなにがしか

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omonpakaru

omonpakaru

考え過ぎだと指摘されることがある。
投げかけられた言葉を頭で追い、ひとつひとつ答えていると、相手は呆れるか、どうかすると苛立ちすら抱えていたりすることすらある。
多くの人はそれほど考えないのだろうか。
「人間は考える葦」と言った人もいるくらいだから、考えることは人として大いに活用すればいいと思う。
お金もかからないし、場所も取らない。

逆に、考えのない言葉を浴びせられることもままある。
その突き

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謝り誤らず。

謝り誤らず。

ここ数年、謝罪の言葉を使うことが増えた。
それは不特定多数とのコミュニケーションが増えたことに起因するのだけれど。
時に、相手の怒りにワンクッション置くためのものだったり、誰かにお願いするときの潤滑油だったり。
とはいえ漫然と謝り続けていると、ただただ嫌気ばかりがさしてくる。

謝罪の言葉に埋もれ、疲弊していたあるとき、大切なのは謝ることの意図なのだと気づく。
謝るイコール自分が悪いということでは

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張り子の中身

張り子の中身

学生時代、友人に、「みんながお前みたいに言いたいことを言えるわけじゃない」と言われたことがある。
その時は、ふうん、まぁでも言いたいことが言えるのはいいことじゃないか、くらいにしか思っていなかった。
それでもなにか引っかかるものがあって、ふとしたときに思い出して、その言葉の真意を考えることがある。

最近は言いたいことを言える世になってきたのだと思っていた。
けれど蓋を開けてみると、そんな世界もま

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言の葉から

言の葉から

他国の言葉を知ることは面白い。
言葉を知りたいと思う理由はさまざまだけれど、それはとても得るものの大きい欲求な気がしていて。

近々その国に赴く予定がなくても、もしかしたらこの先も訪れることがなかったとしても、無駄とは言い切れないほどの刺激を与えてくれるから。
言葉を知ることで見えてくるその国の片鱗は、これまで自分の世界になかったものを教えてくれる。
歴史や文化、音、色、ものの見方。

若い頃は、

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消えない言葉。

消えない言葉。

学生の頃によく使った赤や緑の透明なシート。
参考書なんかに開いて乗せると、答えが消えるプラスチックのペラペラとした。
じつにシンプルな原理だけれど、よく考えたものだと思う。

同じ色を通して見れば、その先にあるものはまるで何もないかのように見える。
たとえどんなに嫌な言葉が書かれていたとしても、同じ色が重なれば、見えなくなる。
きっと、誰かが言ったことをその通りだということにしておけば、自分も書き

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