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映画感想

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#映画レビュー

全く共感できないからこそ、興味が湧くサイコパス。『永遠に僕のもの』

全く共感できないからこそ、興味が湧くサイコパス。『永遠に僕のもの』

はじめに、『サイコパス』と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?

“凶悪な連続殺人事件に加担する人“

そんなイメージではないでしょうか?
わたしはそうでした。これはきっと、ドラマや映画などの影響で。

でも実際は、サイコパス気質を持って生まれてきた人で、こういった殺人などの犯罪に加担することは稀だとか。

まず、人口の1%ほどいると言われているサイコパスは、非サイコパスの人と脳の作り、機能が異

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理解することはできないけど、想像してみることは出来るかも。『空白』

理解することはできないけど、想像してみることは出来るかも。『空白』

わかる!この言葉を乱用していた過去。
本当にわかることにしか、この言葉を使わなくなった現在。

日常会話で、相手の言葉の意味を深く考えながら会話をすることはしないけど(考え出すと時間がかかって会話にならない)、映画や読書をする中で、普段の何気ない言葉や行動について深く考えてみることがある。

『わたしは、沖縄が好きなんだよね』

例えば、友だちのこの言葉に対して、わたしも同じ気持ちだと伝えたとする

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12歳で両親を告訴する世界線。『存在のない子供たち』

12歳で両親を告訴する世界線。『存在のない子供たち』

中東貧困を描いた物語で、とても重い映画。
こころのコンディションが良いときに観ることをおすすめしたい!

両親が出生届を出さなかったことで、誕生日や年齢が不明、自分が何者かわからない状態で生きている、主人公のゼイン。
しっかりと存在しているのに、もしいなくなったったとしても、だれも気にしなければ気づかない。

でも、ゼインは大人以上に必死に生きていて、社会的過ちを犯し、最終的に両親を告訴。

『僕

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話してもきっとわからない。それでも向き合って話そう。『カモンカモン』

話してもきっとわからない。それでも向き合って話そう。『カモンカモン』

白黒映画をみたのはたぶんはじめてだったけど、大好きな映画のひとつになった。
というかわたしの中では、今年イチかもしれない。

NYでラジオジャーナリストをやっているジョニーと、9歳の甥っ子ジェシー。
この二人の突然はじまった共同生活を描いた物語。

特別何かが起こるわけでもなく、日々の何気ない場面がほとんどなんだけど、観終わったあとにほわほわと考えを巡らせてしまうような。
この映画に出てくる言葉の

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“事実“と“真実“は似ているようで全くの別物『流浪の月』

“事実“と“真実“は似ているようで全くの別物『流浪の月』

なんと言うか・・・・150分の映画を観終わったあと、パッと感想が出てこなかった。

「わたしは何を感じたんだっけ?」「何に共感したっけ?」
このことについて、ゆっくりと、じっくりと、頭の中で思考を凝らしてから何かを言いたいような。

登場人物に対して、「なんでこんな酷いことするんだろう」「どうしてそんなふうに考えるのだろう」とか、反発感情が生まれて、「悪者だ!」と言いたくなるシーンがあったし、実際

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80%理解しているだろうの実際はその半分説『彼女が好きなものは』

80%理解しているだろうの実際はその半分説『彼女が好きなものは』

親しい人ががいる。

もう長いし、その人がどんな性格で、どんなものが好きで、嫌いか、周りにどんな人がいるかとか、大体のことはわかっていると思ってたの。

っていうか、たぶんその辺は把握している。
それを「理解度80%」だと思ってた。

でもね、全然!!!!!だった。

お酒の力を借りて本音で話してみたら、全然!
実際は、その半分、下手したらそれ以下だったのかもしれない。

その日話したことによって

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敵を許す力、愛の力は偉大『レ・ミゼラブル』

敵を許す力、愛の力は偉大『レ・ミゼラブル』

「長所や短所、善悪の定義はそもそも存在しない。それは、それを見る人や状況によって変化する。」
「不正のために生きる人もいれば、正義のために死ぬ人もいる。」

というようなコトバを本で読んだコトがあるけど、そのコトバが、何となくイメージとして繋がってきた映画だった。

あと、敵を許す力。
これ、もしかしたら責めるコトよりも、何倍もパワーがあるコトかもしれない。経験外だけど。

日常には、何か嫌なコト

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