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“事実“と“真実“は似ているようで全くの別物『流浪の月』

なんと言うか・・・・150分の映画を観終わったあと、パッと感想が出てこなかった。

「わたしは何を感じたんだっけ?」「何に共感したっけ?」
このことについて、ゆっくりと、じっくりと、頭の中で思考を凝らしてから何かを言いたいような。

解説
2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうのベストセラー小説を、「怒り」の李相日監督が広瀬すずと松坂桃李の主演で映画化。ある日の夕方、雨の公園でびしょ濡れになっていた10歳の少女・家内更紗に、19歳の大学生・佐伯文が傘をさしかける。伯母に引き取られて暮らす更紗は家に帰りたがらず、文は彼女を自宅に連れて帰る。更紗はそのまま2カ月を文の部屋で過ごし、やがて文は更紗を誘拐した罪で逮捕される。“被害女児”とその“加害者”という烙印を背負って生きることとなった更紗と文は、事件から15年後に再会するが……。更紗の現在の恋人・中瀬亮を横浜流星、心の傷を抱える文に寄り添う看護師・谷あゆみを多部未華子が演じる。「パラサイト 半地下の家族」のホン・ギョンピョが撮影監督を担当。

2022年製作/150分/G/日本
配給:ギャガ

オフィシャルサイト
映画.com

登場人物に対して、「なんでこんな酷いことするんだろう」「どうしてそんなふうに考えるのだろう」とか、反発感情が生まれて、「悪者だ!」と言いたくなるシーンがあったし、実際そうなのかもしれないけど、“悪者“とは・・・

だれもが自分が生きてきた世界で“価値観“や“正義“を構築していて、意志の強い人であればそれを基準にモノゴトの良し悪しを判断して生きている。それは、みんなちょっとずつ違うし、大きく違う場合だってある。

自分には「悪い!」と感じることは、その人にとっては“普通‘’だったりする。
そもそも、みんなが自分の“立場“や“職業“のにおける守備や任務を、それぞれの“価値観“や“正義“に沿って行なっているだけ、かも。

って考えると、根本的に“悪者“な人はいないんじゃないかなあ。

社会では“結果“が判断基準だけど、人間は“結果“よりも“過程“の方が大切で、そこに真実や重要なことが隠れているかも。

誰かに拒否されたとしても、その“結果“イコール嫌いだとは限らないし、拒否と言う行為が表面だとしたら、裏面がある。両面の間がとても厚いかもしれない。

それに裏面には、表面にみえるものの真逆の感情があることが多いと思う。

「けっきょく人は、みたいようにしかみないのかも。」
更紗のこのセリフが印象深かった。


誰かにとっての思いやり、親切が、誰かにとっては暴力だと感じる場合もある。
でもそれを知るには、関わるしか手段がないんじゃないかなぁ。

オンラインでなんでも出来ちゃう今の世の中で、会話、というか"対話"が求められているような気がする。

この映画の中で、共感できる“出来事“は少ないけど、共感できる“感情“は意外と少なくないかも。大きさで区切らなければ。多くの人が。

多角的な視点を養うことが、自分を守ることにもつながって、他人と関わる上で役立つ。そんな気づきを得た映画。

最後に。広瀬すずさんをはじめとするキャスト陣の演技は圧巻でした・・・!スタンディングオベーションです!



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