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集中しているときほど動きがダイナミック_小説家の「片づけ帖」#19

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この半日ほど、部屋が散らかっていました。

まるで盗賊団ごっこにあけくれる小学2~3年生の集団が、ゲラゲラ笑いながら荒らしていった直後のようです。そして、誰かが連れてきた末っ子(幼稚園生)が最後につまづいて派手に転んだかのように、ボトルが倒れたり遠くに転がっていたりしている始末。

というのも、9月に大掃除を済ませたクローゼットの最上段の、天井と壁の間にスキマを発見。微妙ではあれど、パテで埋めるために収納していたモノを全て出したのです。乾くまで念のため1晩このままにしていました。

■カプースチン『ニアリー・ワルツOp.98』で焦燥感をワクワクに変える

部屋が散らかっていると、常に誰かに急かされているような気分。
私の場合は、「見えなければOK」というものでもない気がします。目に入る場所は整頓されていても、背後にたくさんのモノが不揃いに置かれていると、まるでガヤガヤした場所にいるみたい。

そして、効率的な導線が確保できていないだけで、こんなにもわずらわしいものかと、モノを避けながら痛感しました。
私は集中しているときほど動きがダイナミックだし、元来は不器用なタイプ。何か行動を起こすときは目的しか目に入らない、シンプルな状態が楽なのです。

できるだけ常に、目の前の1つだけに意識を集めて、一気呵成いっきかせいあるいは淡々と片づけていたい。

とはいえ、焦燥感に体力・精神力を割くのはもったいないので、この機会にアップテンポな曲を聴いて状況を楽しんでいます。

ジャズとクラシックを融合した独特の作風をもつ、カプースチン作曲の『ニアリー・ワルツOp.98』という曲をリピート再生。
チェリスト・宮田大さんの「ラフマニノフ 『チェロ・ソナタ』」というアルバムに、ジュリアン・ジェルネさんというピアニストとの共演で収められています。

チェロがスウィングするところは爽快で、曲の盛り上がりとともにワクワクする。音がスウィングするように、部屋もスイッと一掃したいものです。

■冷却ジェル枕は2個要る!

せっかくなので、このタイミングで不要なものは手放そうと総点検。

「定期的に整理しているし、捨てるものなんてないでしょう」。と高をくくっていたのですが、ショッパーといわれる紙の手提げ袋と、当分行く予定のないIKEAの大きな買い物袋、プチプチ(梱包材)などが目につく。
IKEAの袋は手放して、それ以外は1/3に減らしました。

ゆっくりと長期的に消費していくストック類や販促物は、愛用品のみ揃っているので、これはこのまま。

そして、滅多に登場しない冷却ジェル枕も2つストックしています。
というのも、冷却ジェル枕は使ったら再び使うには6~8時間冷凍庫で冷やす必要があるものがほとんど。
発熱時はずっと冷やし続けていたいし、熱帯夜は翌日の昼間もたいてい暑い。入れ代わり立ち代わり使うためには2つ必要だと思いました。家族で分けて使うこともできますし。

冷却ジェルシートや水で濡らして繰り返し使う冷却タオルは、肌にアレルギー湿疹が出やすい私には、ちょっと、合わなかったので使いません。

■ショートヘアには、ヘアケア試供品は多すぎるかも


ただ、試供品でもらったロクシタンのシャンプー&トリートメントと、通販時に送料を無料にするため、金額調整で買ったスリッパのストックはすぐ使うことにしました。

ヘアケア製品は、「ヨガの後、スタジオでシャワーを浴びるときに使おう。それか出張の時」と思って残していたのですが、私はショートカットなので、良心的な試供品であればあるほど2~3回に分けないと使いきれないのです。自宅では泡になって出てくる敏感肌用の製品を使っているので、別に変える必要もありません。

そこで、夕方から会う予定だったロングヘアの友達に連絡。「使う」とのことだったので、彼女に引き取ってもらうことにしました。

あとはパズルゲームのように、コツコツ収納。
「全体的にスカスカする」ことをモットーに、使用頻度の高いものや細々したものは、取り出しやすいように手前に置く。奥に何が置いてあるか、パッと見わたせるようにする。といった感じで配置していきました。

整ったクローゼットを見渡して悦に入っていると、しみじみチカラが湧いてくる気がします。

■新刊『ニ分間の絶景・本郷』の告知に向けて

お陰様で、新刊がリリースに向けて進んでいます。

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