<創作大賞>夢幻想のふたり~剣姫あるいはIT女子~【5】
【5】エディス
日が沈み、月が夜を連れてきた。
雲の無い空には、星が瞬いている。いつもならば夜空を飾る星の光は人々の目を引き付けるが、今日ばかりは地上の光のほうが勝っていた。
城下町中が、篝火の光で明るく照らされ、昼間のようだ。アストリアム王国の警備兵が、町の通りという通りを埋め尽くすように、篝火を配置していた。暗闇をこの世から追い払おうとするかのようだ。突然の警備兵の行動に、町人達は恐怖を感じ、家に引きこもった。町中から人の姿が消え、静寂につつまれた。しかし、異様な