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留学記

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留学記⑤ 寮長日記

留学記⑤ 寮長日記

やっと大学二年生になり、一年生寮の上級生リーダー的ななにかをやっている。

アメリカ大学ことばで、RA(Residential Advisor)とかCA(Community Advisor)とかという。寮の管理人というよりは、一年生のメンターとしてそこにいる意味合いが強そう。一年生と一緒に彼らの寮に住んで、大学のアドミン(おとな、学生自治の天敵)との橋渡し役を務めたり、大学生活に適応するための手伝

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留学記④ 期限付きの生活

留学記④ 期限付きの生活

締め切りに追われて締め切りのある人生を生きてきた。

物心ついたころ、つまり小学校に上がった直後から、人生にタイムリミットはつきものだった。あと2年でアメリカ。あと4年で日本。あと1年半で休学してそのあと1年半で復学。この大学には半期だけいるからね。

この生活は、自分にはとうてい抱えきれない恩恵をくれた。日本と海外の教育システムを渡り歩いてきたことが、私の武器である。

期限付きの生活を送ってき

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留学記③ 麻薬と大学

留学記③ 麻薬と大学

アメリカの田舎の大学に正規入学して、もうすぐ9カ月。一年生が数週間で終わろうとしている。この一年弱、想像を絶するほどの数のカルチャーショックを受けた。世界が広がるとは、多様性に触れるとは、こういうことなんだろうと、ぼんやり考えながら生きている。

念のため言っておくと、私は昔アメリカに住んでいたことがある。8歳から12歳までの間、4年間だ。今では忘却の彼方にあるが、きっとそのときも色々なカルチャー

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留学記② 東京が情報過多な件について

留学記② 東京が情報過多な件について

昔の海外の友達と若干疎遠になってしまったのを後悔した半面、SNSを高校時代に真面目にやっていなくて割と良かったと思っている。昔の友達とは、SNSに再浮上して連絡すれば一瞬でヨリを戻せた。楽なもんだった。

ひょんな思いつきで、アメリカに来てしばらく、試しに日本とのSNSを可能な限り遮断している。友達のインスタのストーリーは可能な限り見ない。LINEは本当に本当に申し訳ないと思いながら仕事の連絡以外

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留学記① 海外に行くということ

留学記① 海外に行くということ

日本の冬は気温以上に寒い。そういえば、高校3年間あまりそう思ったことはなかった。

大事なものを得た気がした直後って、なんだかそれが永遠に自分のもとにあるような気になるものだと思う。モノやヒトのような有形物から、キモチやキヅキのような無形物まであてはまる。それを得るために努力をしたと自分で思っていればいるだけ、自分から離れることもないと思ってしまう。英語で、well-deservedってやつなのか

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