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生きづらさとか。

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#生きづらさ

「明けましておめでとう」が詰まる

「明けましておめでとう」が詰まる

 「明けましておめでとうございます」

 年が明けると否が応でも聞こえてくる挨拶。私はその一言を自然に発せられない。それだけじゃない。仕事納めのときもそうだった。「良いお年を」が言いだしにくくて同僚がみんな帰るまで残業をした。

 思い返すと「誕生日おめでとう」の一言もそうだった。頭の中では浮かんでいる「ありがとう」「ごめんなさい」だって簡単には言えなかった。

 冒頭の一言に戻ると、年が明けるこ

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HSPを自覚する一番古い記憶

HSPを自覚する一番古い記憶

パトカーのサイレンを聞くたびに思い出すことがある。

 あれは確か保育園生くらいだったと思う。祖母の家で親戚と食事をしていた。遠くから聞こえてくるサイレンの音。次第に音は近づいてきた。

 親戚の1人がこういった。「◯◯(わたし)を捕まえにきたよ」と。当時のわたしはパニックになった。幼いながらの必死の抵抗でテーブルの下に身を隠す。呼吸でバレてしまわないようにと息も潜める。ピーポーパーポー。サイレ

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真面目だねって言わないで

真面目だねって言わないで

 小学校の頃から周りの友達からお前は真面目だな。そんなことを言われてきた。でも真面目に、いや真面目なフリをしているのには理由がある。

 昔から人から怒られるのがしんどかった。自分が怒られているわけでもないのに、誰かが怒られているのを見ると心臓のドキドキが止まらなかった。普通の人と比べて怒られることへの耐性が低いみたい。

 だからできるだけ怒られないように、先生や周りの大人から目をつけられないよ

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些細な隠し事が生きづらくしている。

些細な隠し事が生きづらくしている。

 たった一つの隠し事があるためにコミュニケーションがうまくいかない。その秘密は誰かにとっては些細なことなのかもしれない。自意識過剰だと言われるかもしれない。私だってその秘密を打ち明けたところで何かが変わるわけではないのも知っている。

 些細な隠し事。それを守るために自分が主語になることを極端に恐れている。私が話題の中心になるといつか秘密に辿り着かれそうな気がする。だから私が会話するときはいつも相

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 やっぱり私は生きづらい、に抗う。

 やっぱり私は生きづらい、に抗う。

ビッグニュース。職場がザワザワする。どうやら有名人が結婚して職場が盛り上がっていたようだった。

 同僚が「いや〜びっくりしたね〜」なんて話しかけてきたけど、「う、うん。そうだね」とコミュ障のお手本のような回答しかできなかった。周りでは「まだ〇〇が残っているから大丈夫」「しばらくロス休暇取ります」と、どこかで聞いたことのあるやりとりを続けていた。

 私に向けられる結婚を驚く話題と周りの会話がな

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