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20代独身。恋人なし。結婚予定なし。生きづらさとか結婚とかその日感じたこととか。

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小説を読み続ける理由

 いつから眠っているかもわからない冷凍のホットケーキを引っ張り出して口に放り込む。食べることと眠ること以外に身体が動こうとしない。いつもより時間が長く感じた。YouTubeを開いて再生速度を0.75倍にして動画の時間を無理にでも長くする。動画の時間は長くなっても現実の時間が進むスピードは変わらない。それがかえって時間の長さを強調してしまう。  何もしなかった日曜日。そんな事実を塗りつぶすようにデスクに座って本を開く。主人公は水道の蛇口から落ちる水滴を数え、最後に洗ったのがい

    • 退屈な時間からは逃れられない

       いつもと変わらない日曜日なはずなのに、そこに大晦日というイベントのせいで寂しさが増す。何か特別なことをしなければという強迫観念と別にただの一年の区切りだしという斜に構えた自分が交錯する。  恋人と呼べる存在もいない。欲しいかと言われると欲しい。じゃあ、そのために何か行動を起こす気になるかというとそうでもない。友達と呼べる存在はかろうじているのだけど、わざわざ寒空の下に出て行ってまで会いたいとも思わない。  やりたくないことだけがはっきりする。でもやりたいことは何かわから

      • 明日、休むってよ。 結果編

          一番のりで入店した前から行きたかったお蕎麦屋さん。例のKが流行してから一人で外食することはめっきり減った。おおよそ3年ぶりでの一人外食になった。  噂通り、優しい出汁とコシのある麺が美味しかった。お昼前だというのにどんどんお客さんが入ってきて、私が食べ終わる頃には席はほとんど埋まっていた。  食事を済ませて映画まで2時間。移動の時間を合わせても1時間以上余裕がある。こんな時に時間潰しにあそこ行こう。という場所が思いつかない。ひとまずどうにかなるだろうと映画館に向かう。

        • 明日、休むってよ。

           季節の変わり目だろうか。身につけるものが多くなって体への負担が増えたからだろうか。心と体が鉛のように重く、明日の仕事は休もう。そう決めた。  何かを決めることすら苦しいのに、仕事を休むことだけはなんの抵抗もなく決められた。きっと、今は離れる時間が必要なのかもしれない。  そして今日。仕事は休んだ。昨日は残業までして今日に備えた。  朝、起きる。何をしようか考える。でも特にやりたいことはない。今までの経験から何もせずに過ごす休みの日ほど心に悪いものはない。結局、仕事のこ

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          終わらせたい恋。

           もうこの恋は終わりにしよう。そう誓ってから2ヶ月が経った。  目線に入れないように。会話をしないように。とにかく接触をしないように。私の頭の中からあの人の存在はない。そう思い込ませるために。  でも気づいたらあの人のことを目で追いかけていた。無意識に目線で追いかけるのと意識的にそれを避けようとする相反する動きで心が疲れていく。  失恋をしたわけではない、完全に終わりの恋ではないから、たった1%にも満たない小さな希望が邪魔をする。いっそのこと振られたい。思いを伝える前に

          終わらせたい恋。

          ズレが生む考え

           誰もいない職場のフロアの電気を最後に消すのが当たり前になってから3ヶ月。少しずつ異常な生活にも慣れてきた。帰ったら何しようか考える余裕もなく帰路につく。  作り置きしている冷凍のおかずを解凍することすら面倒になってコンビニで弁当を買う。10%割引になっている弁当やおにぎりが会社で独り残業している自分に重なって目の前がぼやける。  家に着くとコンビニの弁当を電子レンジで温めながら、どうせ温めるのなら作り置きしたものを食べればよかったと後悔する。10分後の未来にも頭が追いつ

          ズレが生む考え

          この現象に名前はあるのでしょうか。

           気になる人がいる。でも恋人関係になりたいかと言われると素直に頷けない。それなのに気になる人が自分以外の人と仲良くしているのを見ると嫉妬のような気持ちに苛まれる。  これは仲がいい友達が他の人と仲良くなって、自分を差し置いて遊びに行った時の気持ちとも似ている気がする。だけど友人関係としてみているわけではなく、どちらかというと恋愛関係に近い。  相手からすればかなり迷惑だと思う。友人関係とは違う、恋愛関係を意識した接し方をしているのに、いざ恋愛関係になろうとすると「それは違

          この現象に名前はあるのでしょうか。

          起きてほしいことは起こらない。

           好きな人も参加した飲み会。隣に座れたらいいなと願っていた。でも遅れてやって来たあの子は斜め向かいの一番遠い席に座ってしまった。  いつもは話題が出る前に逃げる二次会にも参加した。一次会よりも人数は減って、あの子と会話をする確率が上がる。会場に着いて、あの子は私の隣に座った。あれ、おかしいな。起きてほしいことは起こらないのではないのか。  安心して欲しい。飲み物を注文したタイミングであの子は席を外した。すると遅れてやってきたあの子じゃない子が私の隣に座った。ほらね。起きて

          起きてほしいことは起こらない。

          恋人なんていないのに

           「恋人いるんでしょ」  「いない」と答えても信じてもらえない。  そんなやりとりを何度も繰り返す。あまりにも会社の中で「私に恋人いる説」が流れ過ぎているもんだから、家に帰って探してみても、LINEのトーク履歴を眺めてもそれらしき人は見つからない。  なんでこんな面倒くさいことになったのか。思い返すと過去にこんなことを書いていた。  どうやらそれは自分が撒いた種だった。確かにこのミッションを始めてから髪型も身につけている服も、何より体重も変わっている。なのに恋人がいない

          恋人なんていないのに

          今日も。明日も。

           暇な時間を埋めるように参考書に向かう。そんな生活を1年以上続けている。  こんなに勉強して何になるのかもわからない。ただただ、暇な時間が怖い。  ネットフリックスで観たい映画を探す。どれもパッとせず、気がつくとドラマを一話観終わるくらいの時間を過ごしている。旅行に行くときは準備している時間が最高潮なんて言われる。映画だって同じはずだ。どんな映画を見ようか探している時間はそれなりに楽しい時間なはずなのに。  これは私の側に問題がある。お腹いっぱいのときに有名シェフが作った

          今日も。明日も。

          晴れ空と雨音

           冬には似合わないほどの快晴なのに室内では雨音のBGMが流れている。外からの光とスマホから流れる音が調和しない。カーテンを閉めて晴れている現実から目を背ける。  ワールドカップが残した睡眠不足という後遺症を残したまま年末に突入した。特に予定もない。忘年会とやらは既に私の辞書では死語となったし、稼働しないLINEのトーク画面は公式からの通知が連なって未読のまま残されている。寝不足を回復するには充分すぎるほどの時間を持て余す。  とりあえず映画を見てみようと半年前に解約したネ

          晴れ空と雨音

           そして結婚? 揺らぎの中で。

           「結婚するつもりあんの?」  そっぽ向いた愛猫の背中をさすっている最中に母はそう言った。文脈もなければ、これまで結婚に関することは愚か、恋人がいるいないの話もしたことがない。そんな中での発言だった。  思い返せば、先月年齢が一つレベルアップした。それもあっての何気ない一言だったのかもしれない。  母よ。結婚どころか、恋人もいないのよ。なんなら結婚しないで生きる方法を考え出しているのよ。休みの日には買い物以外で外に出る用事はなくて家に引きこもっている。ご時世の影響もあっ

           そして結婚? 揺らぎの中で。

           結局、人は自分が主人公の物語からは抜け出せない。

           あなたのせいで私はこんなにも傷ついた。  その一言で私は加害者となった。だけど私なりの事情や考えがそこにはある。結果としてあなたを傷つけることになったことは申し訳なく思う。だけど一方的に被害者面するのは卑怯だとも思う。  私は弁明したい気持ちを抑えてただただ加害者になることを受け入れた。何を言って、何を言わないか。思えば、私の人生は何を言わないかばかりを気にしてきた。  どんなに私の立場が不利になろうとも、どんなに悪者にされても、ただただ黙っていた。もしかすると私の弁

           結局、人は自分が主人公の物語からは抜け出せない。

          傲慢な過去の恋愛

           過去の私に問いただしたい。お前は傲慢になっていないか。  当時付き合っていた恋人との関係を周りの友人は老夫婦みたいと表現した。確かに喧嘩もしないし、干渉もしない。感情をぶつけ合うこともなく、平和な関係だった。  アルバイト終わりの深夜に車の中で言葉を交わす。買い物に行く訳でもなく、祭りに出かける訳でもなく、旅行に行く訳でもない。ただ会話をできることで満足していた。だけど次第に長年付き添ったような関係が退屈になってきた。  そんな時期にアルバイト先の同僚が私に好意を持っ

          傲慢な過去の恋愛

          手に入れたそのさきは。

           「今月お誕生日のあなたに特別ご優待」  誕生日が近いことをいつ買ったかわからない通販サイトからのメールで気づく。歳を重ねれば自由が増える。そう思って学生時代は踏ん張った。そして歳が増えたことで自由にできることも多くなった。  だけど今度は自由すぎることに苦しめられている。  日常的な自由。今日の夜ご飯に何を食べるのか。終盤に差し掛かった本を読みながら次はどんな本を読もうか考える。  生き方の自由。今の仕事をこれから何十年も続けていくのか。結婚をするのかしないのか。家

          手に入れたそのさきは。

          好きな人に嫌われる

           職場に気になっているAがいる。どうやら私はAに嫌われているらしい。  私は新しく異動してきたAの教育係に任命された。初めの頃は好意すら抱くことはなかった。だけどAは○○さん(私)がいないと死んじゃいます。と私を頼りにしてくれる発言も増えて錆びついた私の心の扉は徐々に開きつつあった。  そんな中たまたま私が参加できなかった飲み会の話が風の噂で流れてきた。  Aは私を細かすぎてめんどくさいと思っていること。  Aは私をとりあえず誉めとけば嬉しそうにするから思ってもないこと

          好きな人に嫌われる