そして結婚? 揺らぎの中で。
「結婚するつもりあんの?」
そっぽ向いた愛猫の背中をさすっている最中に母はそう言った。文脈もなければ、これまで結婚に関することは愚か、恋人がいるいないの話もしたことがない。そんな中での発言だった。
思い返せば、先月年齢が一つレベルアップした。それもあっての何気ない一言だったのかもしれない。
母よ。結婚どころか、恋人もいないのよ。なんなら結婚しないで生きる方法を考え出しているのよ。休みの日には買い物以外で外に出る用事はなくて家に引きこもっている。ご時世の影響もあって友達とも疎遠となった。誰かを好きになる感覚も5年以上ない。とにかく今の私には結婚は夢のまた夢なのよ。
母にとってみれば私は社会が決めたレールを順調に歩んでいるように見えるだろう。大学に進学して就職して、そして次は結婚だ。という発想になるのもわからなくもない。親元を離れた私に恋人がいるのか、いないのか生活から察することができなくなったから不安になったのだろうか。
母よ。今の生活に不満はないのよ。なんなら今の生活が続くことはこれ以上ない幸せとすら思っているのよ。唯一の不満があるとしたらこうやって周りから「結婚まだ」「恋人いるの」と聞かれることくらいなんだよ。
人間関係不得意な私にとっては、周りからの結婚圧力よりも誰かと関係を築くほうがストレスフルなのよ。
結婚しないとは言わない。するかしないか、いや、できるのかできないのかという揺らぎの中で私も考えている。どうか、どうかお願いだからただただ見守っていてほしい。
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