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図鑑とボク、どっちが好き? -IN 高尾山-

───『高尾山
東京都八王子市。標高599メートル。
大阪の箕面山、京都の貴船山と並び、
日本三大昆虫生息地の一つとして数えられる名山である。

7月23日。私は電車に揺られていた。

「つぎは高尾山口~。つぎは高尾山口~。」

---これまでのあらすじ---
片田舎で生活をする昼杉は出張で1か月ほど東京へ出ることになった。休日を利用して高尾山へ行くことを決意していた昼杉は、虫撮り機材をスーツケースに詰め込んだものの、容量の半分ほどを撮影機材が占めてしまい着替えが入りきらず絶望していたが・・・!?

高尾山といえばここ!ケーブルカー乗り場

高尾山口に着くとそこは東京とは思えぬ緑が広がる大自然。
ぎらつく太陽に、改札の外で散らばる観光客らが目を細める。
デートの男女。風に髪を揺らす少女。ハイキングに心を燃やす男性。
そんななか、独りガチカメラを首から下げる美女がいた。
そう、P氏である。

---登場人物紹介---
P氏:写真ガチ勢。神絵師。3DCGの人。
ぼく:早口なうえによく噛む天然パーマ。

撮影をするP氏


世間様では世界一登山客が多い山とかー、
都心から近い週末山とかなんとか言われてるようですけど、
高尾山といえば虫の山って古来から決まってるんですよ。

手をつなぎながらケーブルカーに乗って
山頂でヤッホー!なんて反吐へどが出るっつー話ですよ。

ふもとの博物館に行けば展示されているのは虫の標本。
山中の休憩所に行っても虫の標本。遊歩道を歩けば襲い来る虫・虫・虫。
「高尾山 虫」でネットを叩けば虫の出没情報に溺れるのが高尾山ですよ。

以下は歴史に埋もれた百人一首、伝説の101首目の歌です。

『夏夜の高尾の 虫オタク 手に持つライトは 星より出でし』

・解説
夏の晩、虫の本格シーズンに入ると、
ライト片手に地面を這っている無数の虫オタクどもが、
高尾山にうごめいている。
その数があまりにも多く、
手に持つライトはさながら、夜空の星々のようだ。

夏の夜に高尾山に行ったらマジで虫好きがたくさんいるらしい。
コロナが落ち着いたらみんなでふもとのホテルとってどんちゃん騒ぎしようや。

それはそうと、一緒に高尾山へ行ってくれることになったP氏がね、前日にこう言ったんだ。

「虫の綺麗な撮り方の講座よろしくお願いします」

いやー、気分いいね!
虫の山で撮影観光。「講座」だって。たまらんね。
虫オタの腕が鳴るぜ!!

そんでね、当日。駅で挨拶を済ませて、いざ入山。

開始5分くらいかな。

P氏(カメラガチ勢,アウトドア趣味の女性)が
俺(159.8cm)にこう言ったんだ。

「荷物持とうか?」

あ、お願いします。

で、P氏、普通に持っちゃったもん。
冗談やんwwちょっと疲れた顔しただけやんwwww

道中の小川

「この虫なに?」 < カメムシのなかま。

「なんかいた」 < あー、カミキリムシっぽいね。

「クモいたよ!」 < ほんとだ。クモ、だね。

そのあとのP氏の言葉。
この言葉を、俺は寝る前にいつも思い出す。

「うーん、今度は図鑑を持ってきたほうがいいかもね」

ホソヘリカメムシ
ラミーカミキリ
くも

ぼくよりもP氏のほうが
圧倒的に虫さんたちを発見する恐ろしい事態が起きました。
ぼくといえば、P氏が見つけてくれた虫を逃がしてしまったり
写真映えするヤマトタマムシが上空を飛んでいるのを眺めてたら見失ったり
ハプニングの数々。
撮り方講座とかいって浮かれている場合じゃない。

意気揚々と進み続けるP氏「そろそろ休憩する?大丈夫?」

P氏はアウトドアの神なので
高尾山は目をつぶっても歩けるほどの超ベテラン。
綿密な案内のお陰で、なんとか山頂に辿り着きましたよ。

山頂といえば~!?
景色?高尾山の頂上からは富士山も見えるらしいです。ノンノン…
虫撮り?ナミアゲハやツマグロヒョウモンが舞っていました。違う違う……

やっぱり飯でしょ!!!!!!

スイカかき氷!!!

突き刺す日差し!押し寄せる熱気!!
山登りした身体に染み渡るぜェ~!!!

かき氷が冗談みたいな量だったので
とろろ温そば と おでんを頂きました。
めちゃうま!!!!

そばだんごも香ばしくてモチモチで最高です。

山頂からの景色はマジで撮り忘れました。


『高尾山 虫撮り大会編』 完


ホソヘリカメムシ
セマダラコガネ
ハサミツノカメムシ
ザトウムシのなかま
ハエのなかま
ホソヘリカメムシ
アミメアリ
本日の目玉のオオゴキブリ。P氏が見つけた。朽木で育つ綺麗なゴキブリ。
動きが"のそのそ"してて可愛かった。マジありがとぉ!!


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