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気になるスタートアップ5選 vol.13 :: #後払い決済 #サプライチェーン管理 #エレベータ広告 #マルチQRコード決済 #宇宙用作業代替ロボット


✔︎ 後払い決済「Klarna」
✔︎ サプライチェーン管理「Zenport」
✔︎ エレベータ広告「Xinchao Media」
✔︎ マルチQRコード決済「QFPay」
✔︎ 宇宙用作業代替ロボット「GITAI」

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#ペイメント #後払い #FinTech

オンライン・ショッピングにおける支払いは、現在でもクレジットカード払いが圧倒的なシェアを誇っています。ですがクレジットカードでの分割払いを選択する場合、そこには利息という大きな障壁があります。

ですがKlarnaのビジネスモデルはtoBで、マーチャントから導入料金が支払われる形になるため、Klarnaの後払いを利用するユーザーに対して利息または利用手数料を要求することがありません。
’Pay in 4’(4回分割払い)を選択したあるマーチャントの報告では、注文される商品の平均価格が68%増加し、カードが21%だったのに対し、コンバージョンは44%増加し、購入頻度は21%増加したといいます。

Klarnaはこれまで6000万人のユーザーの支払いをサポートし、13万件のマーチャントに対してサービスを提供してきました。デイリーで100万回のトランザクションが捌かれており、その収益は10億ドルに及ぶとされています。

分割手数料を顧客が負担することが「当たり前」の業界常識を否定し、それを企業に負担させる。またそれだけではなく、企業が負担するメリットを数値的根拠として提示する。それによってまさに「三方よし」のビジネスモデルができている。

小さなイノベーションでありながら、大きな顧客体験を提供できている。インターネットによって経済格差による機会の差を縮める、本当の意味でのFinTech的な素晴らしいサービス。

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#サプライチェーン #貿易 #物流 #国際物流

当初は貿易や国際物流業務のための管理ツールだった Zenport はサプライチェーン全体を管理できるツールへと進化した。国をまたいで、あるいは、会社をまたいでのやりとりだけなら物流管理で済むかもしれない。しかし、例えば、輸入商社の中では、社内の異なる部署間で、物流にとどまらず商品に関わるさまざまなステイタスの共有が必要になる。

そこで Zenport では、商品の企画から販売に至るまでの一連のプロセスをワンストップで管理できるようにした。商品を軸にして、ロット単位で最新ステイタスを記録し、複数部署や関連会社横断で情報を共有することができる。商品のステイタス更新は手動のほか、商社などに導入済の在庫管理システムなどからデータをエクスポートして反映することも可能だ。将来は API 連携により、リアルタイムでステイタス更新できる機能の実装も視野に入れている。
多品種小ロットでサプライチェーンに多数の企業が絡んでいる業界では、サプライチェーンが分散化しシステム化が遅れており、それこそが Zenport のスイートスポットと言える。この条件にはまりそうな業界としてあげられるのは、例えばアパレル業界。さらに、大企業では、商品が〝動く〟際に関連するプレーヤーも多くなり、Zenport がサプライチェーン管理を効率化できる効果も大きなものとなる。多品種小ロットの商品ラインアップはあらゆる業界で増えつつあり、これが Zenport のユーザ獲得に追い風となっている。

一般の人からすると見えない領域の中に、まだまだデジタイゼーション、デジタライゼーションによって効率化・合理化・平準化することが大きな価値になる領域は存在する。

イノベーションは「飛び地」で起こすものではない。自らの立つ業界において「当たり前」と思って取り組んでしまっている非合理を見出し、それをデジタルによって効率化するだけでとてつもなく大きな価値へとつながり、大きな市場が新たに形成されることに挑むべきだ。

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#広告 #エレベーター #オフライン広告

エレベータ広告会社 Xinchao Media(新潮伝媒)
JD はオフラインマーケティングを強化し、より多くのユーザを JD に取り込もうとしている。同社は、エレベータ広告が中国におけるメディア形態の主流の一つとなるにつれ、Xinchao の価値がますます顕著になっていると述べている。
Xinchao は中国全土100都市に70万台超のエレベータ向けスマート画面を設置している。

オフライン広告媒体のデジタル化、オンライン化はさらに加速する。

顧客のニーズが細分化され、変化の激しい時代に、オフライン広告のように長期間変えることの出来ない広告媒体は価値がなくなる。

AdTechの進化は、デジタルテクノロジーの中でも速度の速い方だが、まだまだオフライン広告の領域はイノベーションのチャンスがゴロゴロ転がっている。

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#QRコード決済 #決済 #FinTech

2012年に設立された QFPay は現在、アジアや中東の13市場でデジタル決済エコシステムを展開している。サービスが提供されている国は、カンボジア、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、アラブ首長国連邦など。
プライスウォーターハウスクーパーズが出した2019年の報告によれば、アジアには主要なデジタル決済の成長を見込める地域が残っている。銀行を利用していない人々に向けた金融包摂の需要が見込まれる、とされていた地域のことだ。日本の野村ホールディングスが最近発表した市場調査によれば、東南アジアでのモバイル決済による取引総額は、2027年までに年間複合成長率で25%に上るとみられている。

現金の信頼性が高く、またほとんどの人が銀行口座の持てる日本において、キャッシュレスの必然性は低い。しかし、発展途上国においてはそのニーズは圧倒的に高い。

FinTechの領域は、先進国でのイノベーションよりも、発展途上国によるリバースイノベーション、リープフロッグイノベーションによって、世界を変える可能性が高い。チャンスはそこにある。

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#宇宙 #宇宙開発 #ロボット

1時間で約500万円(5万ドル)——。これは1人の宇宙飛行士が1時間宇宙で作業を行う際に発生すると言われているおおよそのコストだ。

ここ数年、世界的に宇宙開発の競争が加熱するに伴い宇宙での作業ニーズが高まっている。国際宇宙ステーション(ISS)の商業化が検討されているほか、米国民間企業を中心に宇宙ホテルや商用宇宙ステーションの建設が進められていることからも、今後さらにその需要は急増していく可能性が高い。

その際にネックになるのが冒頭でも触れた宇宙飛行士のコストや安全面のリスク。今回はこの課題に対して「地上から遠隔操作できる宇宙用作業代替ロボット」というアプローチによって作業コストを100分の1に下げる挑戦をしているスタートアップ・GITAIを紹介したい。
「宇宙飛行士のコストの8割以上が交通費。つまりロケットの1回あたり打ち上げコスト×打ち上げ回数でここがほとんどを占める。(宇宙放射線の影響があるため)だいたい3ヶ月に1回くらいの頻度で地球と宇宙を人が行き来しているほか、その倍くらいの頻度で補給物資が送られている」(中ノ瀬氏)

この一部がロボットに変わるとどうなるか。まず宇宙ステーションに送り込むのが人からロボットに変わるだけで、安全面の審査や訓練などが不要になり、1回あたりの打ち上げコストを大きく抑えられる。

加えてロボットの耐久性があることが条件にはなるが、放射線の影響も受けないので地球と宇宙の間を行き来する回数を減らせるのはもちろん、物資の補給回数も減らせるため全体の打ち上げ回数自体も削減できる。

ニッチな領域に特化すればするほど、そのサービスやプロダクトの価値は格段に高まる。そこに莫大なコストがかけられていて、それがペインに直結するのであれば、それは巨大なマーケットに転化する可能性は大いにありえる。

多くのマーケットにプレイヤーは多くいる。マスの領域ではすでに勝者が決まっていて、よほどのことがない限り新たな市場は立ち上がらない。

最初にニッチから攻め、そこでビジネスを確立し、その上でテクノロジーやノウハウを横展開しながらマスにスケールさせていくという戦略が、現代においては正しい方法論となる。

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