マガジンのカバー画像

高井宏章 雑文帳

316
徒然なるままに。案外、ええ事書いてます
運営しているクリエイター

2019年10月の記事一覧

「エコは人間のエゴ」という悟り

「エコは人間のエゴ」という悟り

独選「大人の必読マンガ」案内 (16)
岩明均『寄生獣』
16歳の少女の “How dare you”という火を吹くような糾弾が世界の注目を集めたかと思えば、日本では国会議員の公党党首が世界的な人口増について、「あほみたいに子供を産む民族はとりあえず虐殺しよう」と公言して騒動を起こしている。

後者の暴言は論外として、環境問題が取りざたされると再読したくなる漫画が、岩明均の『寄生獣』(講談社)だ。

もっとみる
東京横断は意外と楽しかったの巻

東京横断は意外と楽しかったの巻

今日はちょっと遠出するので小旅行記を。

カブと車椅子いつも後悔するのに、錦糸町駅まで都バスを選んでしまう。後悔するのは案外混んでるからだ。座れた試しがないし、押上から地下鉄で一駅乗った方が、結局、時間も短くて済む。

「日曜の朝だし、今日くらいは空いてるんちゃうか?」と思ったのが大間違い。いつもより混んでいる。

しかし、2つ、怪我の功名というか、知見が得られた。

1つは新型のカブはカッコいい

もっとみる
「起きたらモンダミン」はオジサンを救う

「起きたらモンダミン」はオジサンを救う

オジサンは、臭い。
これは、しょうがない。神がそう創りたもうたのだから。
そして「臭い」という属性は、周囲を不快にする。
逃れられぬ悲劇。まるで人生の縮図だ。

しかも、「集団としてのオジサン」は、実社会において多数派であり、権力を握る側だから、バッシングしても良いターゲットとされがちだ。
冒頭のように、オジサンの私が「オジサンは臭い」と書けば「お前もな!」で済むのは判る。
でも、「オバサンは臭い

もっとみる
「コレデオシマイ」 偉人変人の末期の言葉 『人間臨終図巻』入門

「コレデオシマイ」 偉人変人の末期の言葉 『人間臨終図巻』入門

本のセールストークには、「必読!」「一気読み必至!」など色々と定番がある。正直、陳腐で、あまり響かない。
だが、「これしかない」というピッタリの売り文句を持つ本もある。

「死ぬまでに、読め」

山田風太郎の『人間臨終図巻』である。

「何を今さら」という同志諸兄。そっと閉じる前に、目次からジャンプして最後の一文だけ読んでみてほしい。
未読の方々。ほんとうに羨ましい。こんな名著をこれから読めるなん

もっとみる
韓国発「悪童日記」が問う愛と倫理 『アーモンド』

韓国発「悪童日記」が問う愛と倫理 『アーモンド』

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に10月11日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnoteにも転載しています。

先天的な偏桃体=アーモンドの疾患で、怒りや恐怖を感じることができず、他人の感情も理解できない主人公の少年ユンジェを、祖母は「かわいい怪物」と呼ぶ。ある悲劇を機に孤独な生活を送るユンジェの生活に、もう一人の「怪物」ともいうべき、数奇な生い立ちの少年ゴニが足を踏み入れてくる。
社会に

もっとみる
タピオカという「血の海」になぜ人は飛び込むのか

タピオカという「血の海」になぜ人は飛び込むのか

またまた通勤投稿シリーズです。

最近、最寄りの押上駅までの通勤路から少しだけ離れたところに、タピオカ屋さんができた。
イートインなしのスタンド式だが、屋台のようなモノではなく、ちゃんと店舗を構えている。

ブームが一服し、都内の多くのタピオカ屋が越冬できるのか危ぶまれる中で、なぜ? という疑念は拭いきれない。
確か、スカイツリー隣接のソラマチにもタピオカ屋さんあったよな、とググりかけたら、この有

もっとみる
消火器ケースと昭和な10円玉伝説

消火器ケースと昭和な10円玉伝説

今住んでいる街には、至る所に消火器が設置してある。カバー画像のように、鉄製のケースにおそらく1本か2本、消火器が備えてあると思われる。
駅まで10分ほどの道だけでも20くらいは発見できる密度で配置されている。駐車場の一角や玄関先など、「置けるとこには置いとけ」くらいの勢いだ。

古い町で木造家屋が密集している部分も多いから、これは有効な防災であろう。コンクリート作りに建て替わっている家やビルも多い

もっとみる
幻の企画書と「妄想力」の効用 漫画版「おカネの教室」ができるまで②

幻の企画書と「妄想力」の効用 漫画版「おカネの教室」ができるまで②

コルクとのタッグで漫画化プロジェクトが進行中の「おカネの教室」。メイキングの内幕を紹介する連載第2回は、原作の創作の裏側にある世界観とともに、漫画化を目指して高井さんが早くから動いてた内幕を公開します。
未読でしたら、連載初回と漫画家ワタベさんのキャラ絵を巡る苦闘の裏話をまずご覧ください。

では、今回もぶっちゃけて参ります。

「本になる前」からあった映像化希望「おカネの教室」は、

2010~

もっとみる
「30万いいね」の「爆バズり」で知ったnoteの王道

「30万いいね」の「爆バズり」で知ったnoteの王道

台風、すごかったですね。一夜明けて被害の大きさに驚いています。お亡くなりになった方々とご家族、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。我が家も荒川が近いのでヒヤヒヤしましたが、幸い、被害はありませんでした。

今日は、11日(金)から13日(日)にかけてのSNSの体験を、備忘録をかねてシェアします。
お題は、
「ツイッターでは1発バズってもフォロワーは増えない伝説は本当か?」
と、
「noteって

もっとみる
消費税「ポイント還元祭り」から脱落する効用

消費税「ポイント還元祭り」から脱落する効用

消費税が上がり、あっちもこっちもキャッシュレス決済の「ポイント還元」祭りとなっている。
正直、もう、ウンザリである。
「どこでどのキャッシュレス決済を利用すれば一番お得か」という節約術を、ゲーム感覚で攻略する方もおられよう。
だが、私はそういうのがすごい苦手なのだ。
苦手というか、めんどくさい。「やってられるか!」という気分である。

なので、もう、そういうことを考えるのは放棄すると決意した。

もっとみる
なぜお金は「半殺し」にされるのか 「インフレ目標2%」の本当の意味

なぜお金は「半殺し」にされるのか 「インフレ目標2%」の本当の意味

「日銀はあなたの財布の中の福沢諭吉を一世代かけて『半殺し』にしたいと思っている」

こう聞いて、どう思いますか。感じ悪いですよね。でも、これは事実です。

日銀の公式な政策目標は「物価上昇率2%」です。2%のインフレは、物価が35年で2倍になる、その裏返しでお金の価値、購買力が半減するのを意味します。
現在、1万円あればマクドナルドのビッグマックが25個買えます。日銀の目標通りにいけば、35年後に

もっとみる
30年以上「つむじ」の位置を間違えていた男

30年以上「つむじ」の位置を間違えていた男

唐突だが、私は床屋が嫌いだ。
いや、嫌いだった、というべきか。最近、「床屋、ええやん」と改宗した。
なぜ床屋が嫌いだったのか。
なぜ心変わりしたのか。
そんなことに誰も興味ないのは承知の上で個人史を振り返ってみたい。

私の髪型は以下のような歴史を経てきた。

うん。ここまでどうでもいい表はちょっと見たことがないな。
MacBookで表を作ってみたかっただけです。すいません。
でも、せっかくだから

もっとみる