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【風呂酒日和53-2】 杜e(モリエ)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


夜風が気持ちよくてふらふらしていたらこんなところまで来てしまった。
もう千川駅からだいぶ歩いて、一駅むこうの小竹向原だ。

このあたり、なかなかマップにも店が出ず、いやいやそうは言っても歩けばあるでしょうなんて散歩がてら歩いていたのだが、本当にお店がない。
どうやらこの辺は住宅街のようだ。

数少ないスポットを見ながら、一番惹かれたお寿司屋さんとつながっているという居酒屋を狙うも、レビューにちょっとびびる。

常連じゃないと冷遇されますなんて書いてある。
どうしようどうしよう。
でもでも。レビューはあまり参考にしないようにしているのと、評価が1と5両方あるお店の方がこだわりがあったりして実はよかったりするという
私の謎の統計もある。
お寿司屋さんと同じところで魚を仕入れてるなら絶対うまかろう。

今日はちょっと冒険できる気分だ。
美味しい魚を求めて勇気を出して向かってみる。

カラカラと扉を開けると、テーブル席は空席、カウンターに3人のお客さんと、厨房に女の人。
いや、この端に座っている人は、お店の人っぽい格好をしている。

「すいません…一人なんですけど、入れますか?」

「おぅ、どうぞどうぞ」

やはりお店の人だったようだ、やや強面の端に座っていたおじさんが言う。

「どこがいいかな?真ん中が端っこか」

奥さんがカウンターの空いているところを示してくれた。
お客さんとお客さんの間の真ん中か、店主(?)の隣の端っこか。
悩みどころだがすみっこ暮らしが好きな私。じゃあこっちで…と端に足をすすめると、「マスターじゃあそっち移ったら?」と奥さん(?)が店主に移動を促した。

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