愛し愛される美しい人生を望む女の子の日記

　最近のわたしは、困ったり、悩んだり、泣いたりしながらやっと生きるヒントのかけらを拾い上げてそれを眺めて嬉しくなっている。多分、人と比べたらその速度はすごく遅い。たったこれっぽっちのかけらの輝きを隅々まで観察して、ほんの少しのことに気がついている。でも、その点はいつか線になり、「これでよかった」と思う日が来ることを知っている。

　わたしはかわいそうであることや、誰かに見せるために頑張ることや、見返りを求めることをやめた。少なくとも、そういう自分が出てきたときにそれに気がつくことができるようになった。「あ、今自分がかわいそうだから仕方ないって思った」「あ、こんなに頑張ってるんだから認めてよって思った」こんな感じで、わたしはわたしの思考癖を見つけては修正するようになった。別に、こんなことしなくてもいいのかもしれない。だけどわたしはそうやって少しずつ、誰かの役に立つことができる自分自身に変化したいと思っている。自分のことばかり考えて、自分のことばかり話していることはわたしの本当の望みではない。しかし、まずは存分に自分のことだけを考える時間が必要だという感じがしている。自分を大切にするとか、自分を愛するとか、自分を知るとか、そういうやさしい風潮にホッとすることは多かったし、わたしが出会う人たちにも伝えてきた。彼らはあまりに他人を優先して、他人の顔色を気にして生きていたから、その矢印を自分に向けるということが新鮮に見えていた。最初のショックを超えてからは、自分の声を聞けるようになった。嫌なものは嫌だということができるようになった。そうやって、わたしはわたしが居心地がいい世界を少しずつ構築するようになった。

　今、その世界を広げるタイミングが来ているのを感じる。例えば、いまわたしはわたしが好きな人たちとだけ会話をする。わたしが行きたい場所に行き、普段過ごす家を居心地の良い場所にする努力をしている。掃除をしたり、断捨離をしたり、半径１０メートルのことをとにかくたくさんやってきた。それはとてもとても大切なことで、そうやって人生が変わったという実感がある。しかし、これからは、その範囲をもっと拡大して、もしかしたら地球を超えて宇宙にまで、わたしは広がっていくのだという予感がしている。根拠も理由もない。ただわたしが今そう感じているというだけだ。

　世界は地獄であり天国だ。わたしはその両方が好きだ。言葉を扱うことに慎重になってから、言葉で表すことのできないものがやってくるようになった。全てのことを言葉で表す必要はない。ただ、わたしの元にやってきて漂っている”これ”には何か目的があるような気もする。わたしはそういうものを扱うことに慣れていかなければいけない。

　わたしは世界の女の子たちが元気に、可愛く、愛し愛されながら美しい人生を体験できたらいいなと思う。もちろん男の子たちも。でも、わたしの体は女で、今この時点では女の子のことしかわからない。好きな人に空っぽな「好きだよ」を言えることは美しい。愛が返ってくるかとか、どういうつもりかとか、トラウマとか、インナーチャイルドとか、そういうの全部取っ払った空っぽのセリフ。それを発した唇は絶対に微笑みをたずさえているはずだ。『ノルウェイの森』の緑ちゃんは、わたしの生涯の推しキャラクターだ。現状に関係なく、彼女は強く笑顔で生きている。現実を見捨てて、体を離れて、すぐに向こう側の世界に落っこちてしまいそうになる登場人物たちをこの世界につなぎとめる。彼女の声は多分大きい。張りがあって美しい。わたしはその声を聞いてハッとしながら、体があることを実感するだろう。そういう人が大好きだ。「生きることから逃げない」と言えば単純すぎるかもしれないけれど、泣いたり笑ったりしながらその自分を丸ごと受け入れてやっていく強さが最高に素敵だと思う。

　どんな人生もOKで、少なくとも他人がとやかく言うことではない。もしとやかく言っている人がいたら、その人は自分の人生を見ていない。わたしは学ぶことが好きだけれど、「学べ」と言ってくる人は嫌いだ。今日もひとつ大きな鎖が外れた。どうしてもそう思えなかったことがそうかもなと思えるようになった。わたしはまたひとつ自由になる。ひとつずつでいい。欲張らないで、今の自分が感じることを大切にする。女の子たちが可愛く元気に愛し愛されていたら嬉しい。

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