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本の中に、本が登場する本をたのしむ。
今日は読んで良かった本についてです。
本をきっかけに、
自分でもすっかり忘れていた
過去のできごとを、思い出すことがあります。
高校時代に、よく立ち寄っていた本屋さんを思い出しました。
それは、家族で経営している本屋さんでした。
そして、街では一番大きな本屋さんでした。
普段はお母さんの人がレジにいて、
たまに、娘さんがレジに入ったりしていて、
たまに、おばあちゃんがレジに入っていたこともありました。
お家が本屋さんだと、本屋さんで働けるんだ。
いいなぁって、ちょっと憧れたことを覚えています。
文庫本に、書店のブックカバーを
つけてもらうのが、ちょっと楽しみでした。
カバーを待つ時間も、素敵な時間です。
カバーをつける所為に見とれているうちに、
ブックカバーがついた本の完成です。
私は不器用だから、
ブックカバーをつけてる途中で
折ってしまうかもって思って
本屋さんに憧れつつも、
本屋さんにならなかったことを覚えています。
もう、その本屋さんはありません。
本屋さんにいったことも、
本を買ったことも、
すっかり思い出さなくなっていました。
ある本をきっかけに、
大切な本屋さんを思い出すことができて、
すごく嬉しくて、懐かしい気持ちになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1686678361763-rW98pxXtSv.png?width=800)
本の中に、本が登場する本があります。
登場する本は、
実在する本もあれば、
実在しない本もあります。
たとえば、
柚木麻子さんの小説「けむたい後輩」には
どちらの本も登場します。
[実在しない本]
小説の中の世界に、
詩集「けむり」が登場します。
タイトルのモチーフにもなっています。
[実在する本]
実在する本は、本のなかでは、たとえ話として使われています。
「マリア様が見てる」って感じ。
自分がサガンの小説のヒロインに思えてくる。
たとえ話の作品を読んだことはありませんが、
「けむたい後輩」は3人の女性
それぞれの視点でストーリーが進むので、
たとえ話も、女性が主人公の作品を重ねているように思います。
日常生活では、本のように、何かを本にたとえることは
少ない。というか、できない💦
でも、ビブリア古書堂シリーズとか、本によっては、
本の中に登場する別の作品を読んでみたくなったり、
好奇心を広げてくれるような、楽しさがあります。
そして、本の中に、本が登場する本は、
面白い本が多いと感じています。
![](https://assets.st-note.com/img/1686678361763-rW98pxXtSv.png?width=800)
少し前置きが長くなってしまったけれど、
読んで良かった本の紹介です。
川井利彦さんの「本からの手紙」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1686680569728-VynZSDwJWL.jpg?width=800)
川井さんの本は、高見純代さんの"みんな優しい"で知りました。
著者、第二作目にして、初の書籍化。
本の中に残された一文からすべては始まる。
寛太と忠が万引きした本の中には、謎のメッセージが残されていた。
消された形跡のある、まるで手紙の一文のようなメッセージを書いたのは、いったい誰なのか。
そして消されたメッセージには、いったい何が書かれていたのか。
ひょんなことから、それらを探すことになってしまった寛太と忠。
そこにはある女性の暗い過去が関係していた。
果たして、寛太と忠は真実にたどり着くことができるのか。
「本からの手紙」は、本の中に、本が登場する小説です!
最初は、主人公の寛太が
好きではありませんでした。
本屋さんで万引きしたり、
タバコをポイ捨てしようとしたり、むしろ嫌いです。
でも、自分とまったく違う人間の視点に
なることができるのが、本の魅力です。
そして、本のなかのメッセージは、
いつ、どこで、誰が何のために書いたのか?
ナゾがあることと、
なによりも、読みやすくて、
一気に読んでしまいました。
登場人物それぞれが、
意外な一面を持っていて
過去に囚われているように感じます。
けれど、少しのきっかけで、
囚われなくなることが、
できるかもしれないと感じました。
ラストは涙してしまいました。
そして、本の中から離れたところでは、
「本の中に、本が登場する本」に
関することが頭の中に広がっていって、
また、忘れていた本屋さんを、
思い出させてくれました。
表紙の"クリームメロンソーダと、3冊の本"が良いですね。
川井さん、高見さん、素敵な本との
出会いをありがとうございました。
![](https://assets.st-note.com/img/1686705213708-X5EpJbc75S.png?width=800)
川井さんは、noteの記事も面白いです。
noteではchatGPTをベースに文章の書き方や、
小説家ならではの視点で記事を書かれています。
「本からの手紙」を読んで少しナゾが残りました。
・川井さんに、すごく名前が似ている登場人物がいる。
・本の中にときおり登場する「※」の記号。
・3冊の本の1冊。→noteを読んで解決。
もしかして、作者から読者への
ナゾ解きが、隠されているのかも!?
気になったかたは、ぜひお読みください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
良い1日をお過ごしください。
![](https://assets.st-note.com/img/1686705487110-RiappKPlIJ.png?width=800)
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最後まで読んで頂いて、本当にありがとうございます! 少しでも、あなたの心に残ったのなら嬉しく思います。