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本の中に、本が登場する本をたのしむ。

今日は読んで良かった本についてです。

本をきっかけに、
自分でもすっかり忘れていた
過去のできごとを、思い出すことがあります。

高校時代に、よく立ち寄っていた本屋さんを思い出しました。

それは、家族で経営している本屋さんでした。

そして、街では一番大きな本屋さんでした。

普段はお母さんの人がレジにいて、
たまに、娘さんがレジに入ったりしていて、
たまに、おばあちゃんがレジに入っていたこともありました。

お家が本屋さんだと、本屋さんで働けるんだ。
いいなぁって、ちょっと憧れたことを覚えています。

文庫本に、書店のブックカバーを
つけてもらうのが、ちょっと楽しみでした。

カバーを待つ時間も、素敵な時間です。

カバーをつける所為に見とれているうちに、
ブックカバーがついた本の完成です。

私は不器用だから、
ブックカバーをつけてる途中で
折ってしまうかもって思って

本屋さんに憧れつつも、
本屋さんにならなかったことを覚えています。

もう、その本屋さんはありません。

本屋さんにいったことも、
本を買ったことも、
すっかり思い出さなくなっていました。

ある本をきっかけに、
大切な本屋さんを思い出すことができて、
すごく嬉しくて、懐かしい気持ちになりました。

本の中に、本が登場する本があります。

登場する本は、
実在する本もあれば、
実在しない本もあります。

たとえば、

柚木麻子さんの小説「けむたい後輩」には
どちらの本も登場します。

[実在しない本]

小説の中の世界に、
詩集「けむり」が登場します。

タイトルのモチーフにもなっています。

[実在する本]

実在する本は、本のなかでは、たとえ話として使われています。

「マリア様が見てる」って感じ。

自分がサガンの小説のヒロインに思えてくる。

柚木麻子さんの「けむたい後輩」より

たとえ話の作品を読んだことはありませんが、

「けむたい後輩」は3人の女性
それぞれの視点でストーリーが進むので、

たとえ話も、女性が主人公の作品を重ねているように思います。

日常生活では、本のように、何かを本にたとえることは
少ない。というか、できない💦

でも、ビブリア古書堂シリーズとか、本によっては、
本の中に登場する別の作品を読んでみたくなったり、
好奇心を広げてくれるような、楽しさがあります。

そして、本の中に、本が登場する本は、
面白い本が多いと感じています。


少し前置きが長くなってしまったけれど、

読んで良かった本の紹介です。

川井利彦さんの「本からの手紙」です。


川井さんの本は、高見純代さんの"みんな優しい"で知りました。

著者、第二作目にして、初の書籍化。
本の中に残された一文からすべては始まる。

寛太と忠が万引きした本の中には、謎のメッセージが残されていた。
消された形跡のある、まるで手紙の一文のようなメッセージを書いたのは、いったい誰なのか。
そして消されたメッセージには、いったい何が書かれていたのか。
ひょんなことから、それらを探すことになってしまった寛太と忠。
そこにはある女性の暗い過去が関係していた。
果たして、寛太と忠は真実にたどり着くことができるのか。

Amazonの「本からの手紙」紹介ページより

「本からの手紙」は、本の中に、本が登場する小説です!

最初は、主人公の寛太が
好きではありませんでした。

本屋さんで万引きしたり、
タバコをポイ捨てしようとしたり、むしろ嫌いです。

でも、自分とまったく違う人間の視点に
なることができるのが、本の魅力です。

そして、本のなかのメッセージは、
いつ、どこで、誰が何のために書いたのか?

ナゾがあることと、

なによりも、読みやすくて、
一気に読んでしまいました。

登場人物それぞれが、
意外な一面を持っていて
過去に囚われているように感じます。

けれど、少しのきっかけで、
囚われなくなることが、
できるかもしれないと感じました。

ラストは涙してしまいました。


そして、本の中から離れたところでは、

「本の中に、本が登場する本」に
関することが頭の中に広がっていって、

また、忘れていた本屋さんを、
思い出させてくれました。

表紙の"クリームメロンソーダと、3冊の本"が良いですね。

川井さん、高見さん、素敵な本との
出会いをありがとうございました。

川井さんは、noteの記事も面白いです。

noteではchatGPTをベースに文章の書き方や、
小説家ならではの視点で記事を書かれています。


「本からの手紙」を読んで少しナゾが残りました。

・川井さんに、すごく名前が似ている登場人物がいる。

・本の中にときおり登場する「※」の記号。

・3冊の本の1冊。→noteを読んで解決。

もしかして、作者から読者への
ナゾ解きが、隠されているのかも!?

気になったかたは、ぜひお読みください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

良い1日をお過ごしください。


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