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かこのいぶつがあらわれた! 20.2.8

アンケート結果!

20% 自分は異性愛者。面白いと思う
56% 自分は異性愛者。面白いと思わない
8% 自分はLGBTQ。面白いと思う
16% 自分はLGBTQ。面白いと思わない


意外だったのは、「面白いと思う」の人の割合が、異性愛者とLGBTQで比較すると、

異性愛者 思う1 思わない2.8
LGBTQ  思う1 思わない2

LGBTQのほうが多かったこと。
さらに言えば、アンケート開始時点では、LGBTQ内での思う・思わないがほぼ拮抗していた。

一方、異性愛者側は、一貫して「思わない」の票が突出していた。
とは言え、LGBTQと合わせた全体としては「思う」も20%。

そして、異性愛者・LGBTQすべての票を合計すると、

思う28% 思わない72%

となる。

さて、この結果をあなたはどう見るだろうか。


僕は今50歳なのだが、僕が子供の頃は、異性愛者が(主に男性)同性愛者を笑いのネタにする番組がよく見られた。たとえば――

など。


他には、国民的お笑いグループのコントで、力士を目指す男が相撲部屋に行き、厳しい訓練を受けた後、所属する力士がいる奥の部屋に行ったら、化粧をしてリボン(?)を付けた力士全員が、(なぜか)男にすり寄る――というオチも。

当時のテレビに出てくる「オカマ・ホモ」(※)は

さほどイケメンでもない男に迫る「お笑い要員」

としての扱いがほとんどだった。

※「オネエ・ゲイ」が浸透する以前は、テレビでもそう呼ばれていた


「異性愛者の男が、非イケメンのゲイ(ホモ・オカマ)に迫られる」だけのオチは、コントに限らず、当時から(もしかしたらさらに前から)存在していた。

青年期でもその状況は変わることなく、それこそ保毛尾田保毛男(グーグルの日本語入力では予測変換候補に出る)など、異性愛者がゲイを「笑い者」として消費するネタが依然としてはびこっていた。

ちなみに2017年、保毛尾田が特番で復活した際、初登場時の28年前にはなかった(あるいは表ざたにならなかった)非難の声が上がり、当時テレビ局の社長が謝罪する事態になったものの、

LGBTQの人間による擁護、ないしは少なくとも否定まではしない意見も見られた。

ただ、擁護する理由の多くが、「『私は』面白かった」などのように、「私は」、が主語であることは指摘しておきたい。


ゲイのキャラクターが、コントではなくドラマに出てくるケースも、かなり以前からあったが、お笑い要員以外では、性風俗と密着したイメージでとらえられることも多かった。

それについては、過去のブログでも触れている。(注意・バナーなどに18禁表現あり)


「プライムタイムにおける連続ドラマとしては、初の同性愛を本格的に扱った作品」(Wiki)である『同窓会』(1993年)。
その他、『週末婚』(1999年)で阿部寛が演じた役柄(途中からゲイバーにホストとして勤める)もそうだが、バレたら身の破滅を伴う「隠すべき」性癖として扱われるのが定番だった記憶がある。

そして、現実でも、そのような扱いは今に至るまで(昔ほどではないにしても)完全になくなったとは言い切れない。


『同窓会』から23年後の2016年、のちに大ヒットになる二つのドラマが登場する。


一つは『逃げるは恥だが役に立つ』。
メインは男女の恋愛だが、「女装・オネエ言葉・すぐ男に迫る」のテンプレートとは無縁の、リアル寄りのゲイが登場している。(演・古田新太)
ただ、原作にそのキャラが存在していたので、そのまま登場させた、とも言えるが。

もう一つは、『おっさんずラブ』単発バージョン。(一話完結版)
ただし、こちらは、後半ゲイの部長が主人公に迫るホラー風味だった。

この単発版が好評だった、という話は聞いたことがないが、なぜか2018年になり、連ドラバージョンが放送される。

これこそが、日本の地上波連ドラでおそらく初めての

普通のゲイ(女装でなく、オネエ言葉も使わず、ゲイバー勤めでもない)がメインキャラで、
性的な要素はほぼなく、
ゴールデンタイム、あるいはそれに近い時間帯に放送された

作品だったと思う。


ともあれこのドラマの大ヒットにより、一気にゲイ(トランスジェンダー)が主人公、ないしは主要キャラのドラマが激増した。
その中には名作・珍作・凡作数々あれども、普通のLGBTQの人たちが登場するドラマも珍しくなくなり、やっと「お笑いネタ」扱いされなくなったと安堵しかけた矢先、

過去の遺物だったはずの「それ」は、不意打ちで現れた。


今回のドラマ『アリバイ崩し承ります』の第一回を見た限りでは、ドラマ全体が、コメディー、かつ非現実寄りで、そこまで真剣に観るような内容ではないように思う。
その意味で、この「オネエの検視官」も、まったくの作り事としてのキャラとしてなら、「だからこそ面白い」と楽しめる人は、異性愛者・LGBTQ問わずいるのだろう。


いろいろと考えてみたのだが、この文章でそれについての結論を出すことはやめておこう。

ここで言えることは、

・今回のアンケートでは、「オネエ言葉をおおっぴらに話し、すぐ男に迫るゲイ」キャラを面白いと思う人が三割近くいた
・LGBTQでも、それを面白いと思う人が、「面白くない」人の半数いる
・令和に入っても、この手のキャラが地上波の準ゴールデンタイムで放送される

以上である。


個人的な意見を述べさせていただくなら、僕の書く同人小説(のようなもの)の中で、このようなテンプレートな「オネエ」キャラはこれまでも、これからも、登場することはないだろう。



ここで終わってもいいのだが

テンプレートなキャラ・展開を外すと、視聴者・読者に受けにくい(売れにくい)
それもまた現実である。


お見せできないのが心苦しいが
僕自身の作品の売上が、それを証明している。


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