刀鬼

昨日はこういうの作って遊んでました。
刀鬼の後書きでもちょっと触れた番外編、こういうPDFで出すのも良いかなぁとか思いつつ。需要あるだろうか。

昨日はこういうの作って遊んでました。 刀鬼の後書きでもちょっと触れた番外編、こういうPDFで出すのも良いかなぁとか思いつつ。需要あるだろうか。

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刀鬼、両断仕る【後書き】

刀鬼、両断仕る【後書き】

先日、私こと螺子巻ぐるりの魔剣小説『刀鬼、両断仕る』が最終更新を迎えました。完結!およそ9万7千文字! https://note.com/zenmai/m/mcf44984b7c3d あと3千文字どうにかならんか。 いや、実際のところ10万字になったからといって何が変わるわけでもないのですが。気持ちは良いよね、10万字。この後書きを合わせて10万文字到達とさせていただこう(卑怯卑劣)。 というわけで、後書きです。 この記事では、私が「刀鬼」を書く際にどのような事を考えて

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刀鬼、両断仕る 第十話【  】

刀鬼、両断仕る 第十話【  】

◇【前回】◇ 『天刃』の崩壊から、数日。  未だ事件の後始末が続く滝河の国へ、一人の旅人が向かっていた。  朱色の着物を纏ったその旅人は、みれば頭髪に数本の白髪が混じっている。  手の甲も節張っていて、どことなく乾いた印象を見る者に与えた。  恐らくは、それなりに高齢なのだろう。  しかしそんな特徴に反して、旅人の足取りは壮健である。 「……もし」  旅人に声を掛けたのは、老爺である。  すれ違い際の事だ。呼び止められた旅人は、半身を傾けて老爺に目を向ける。 「なにか

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刀鬼、両断仕る 第九話【天宿】下

刀鬼、両断仕る 第九話【天宿】下

◇【前回】◇  ごうごうと、渦潮が猛る。  しっとりと湿った空気を深く吸い込んで、吐く。  二人の刀鬼は、ほぼ同時に地を蹴った。  真波の左、鞘を持つ手には天宿。  真波の右、刃を持つ手には無粋。  対の刀と鉄の塊が、両側から『龍鱗丸』を弾かんと狙う。  対する真波は、尾で瓦礫を強く打ち、鋭く宙へと跳んだ。  刀は渦の飛沫を斬るのみに終わり、両の側から刀鬼たちは一瞬目を合わせる。  笑む天宿と、憮然とした無粋。  両者はちらと上空の真波に目を向けてから、互いの刃をぶつけ合う

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刀鬼、両断仕る 第九話【天宿】上

刀鬼、両断仕る 第九話【天宿】上

◇【前回】◇  先手を取ったのは無粋であった。  瓦礫の山を駆け上り、一息に中空の真波へと接近する。  金の瞳の真波は、迫る敵を前に表情を変えず、ただゆらりと右腕を動かした。  それに従い、渦潮の龍体が動く。刃が振り下ろされ、巨大な水刃が無粋の身を襲った。 「ぐっ……」 『無粋』でそれを受け止める無粋だが、足場が悪い。  瓦礫がぐらりと崩れ、体勢を崩した無粋は水刃の勢いに負け、吹き飛ぶ。 「無為に飛び出してどうなる」  同時に動いたのは天宿である。  すれ違い際に無

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刀鬼、両断仕る 第八話【龍鱗丸】下

刀鬼、両断仕る 第八話【龍鱗丸】下

◇【前回】◇ 「『……おま、えは……』」 「分からない筈がないだろう……オレは、無粋だッ!」  激流を耐え切った無粋は、滑る床を蹴り、渦に包まれた刃へと『無粋』を向ける。 「……ほぅ、『龍鱗丸』を狙うか」  感心したように呟くのは、距離を取り激流を避けていた天宿である。  けれど、刃へ鉄塊を振り下ろす直前、無粋の立っていた床は音を立てて崩れ落ちた。 「っ……」  ぐらり、足元の揺らいだ無粋は、攻撃を中止し階下へと跳ぶ。  着地して見上げると、未だ真波の姿は中空に留まったま

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刀鬼、両断仕る 第八話【龍鱗丸】上

刀鬼、両断仕る 第八話【龍鱗丸】上

◇【前回】◇  情けない、と思った。  己の意志を曲げ、血に塗れ、それでも自分を助けようと懸命に戦う無粋。  彼を前にして、どうして自分は何もせず、ただ助けを待っているのか。 「……私が刀鬼になる。引き換えに、無粋は鞘の力で治し、逃がせ」 「へェ……どうするヨ、天宿サマ?」  野獣の瞳が、横目でちらりとこちらを向く。  あの日、自分を追っていた頃より更に獰猛で、恐ろしい瞳。  けれど、真波は目を背けない。  数秒じっと睨み返して、それから視線を後方の天宿へと移す。

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刀鬼、両断仕る 第七話【荒刈】下

刀鬼、両断仕る 第七話【荒刈】下

◇【前回】◇ 「ヴルルァァッッ!!」  荒刈の攻めは、苛烈を極めていた。  床や壁のみならず、天井さえも足場とし、あらゆる角度から斬りかかる。  獣の脚を活かした速度と跳躍は、以前の比ではなく。 「ぐっ……」 「どうしたどうしたァ!? 動けねェンならくたばっとけカスがッ!」 「ふ、ざ、けるなッ!」  鉄塊で刃を受けながら、無粋は吠え、荒刈の出足を睨む。  超高速の斬撃は、けれど直線的だった。  目で捉えられないなら、何処へ向かうか一瞬の内に読み取ればいい。  ダンッ

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刀鬼、両断仕る 第七話【荒刈】上

刀鬼、両断仕る 第七話【荒刈】上

◇【前回】◇ 「刀鬼になるつもりはない、か」 「無論だ。私はお前たちとは違う」  天宿の元に連れられた真波は、彼の質問に毅然として答えた。  青みがかった珍しい瞳が、じぃと真波の顔を見つめる。  本音を言えば、真波は恐怖で今にも震えてしまいそうな心地だった。  その視線から逃れたいと体が悲鳴を上げるのを、懸命に堪える。今ここで目を逸らしては、力だけでなく心でも負けることになると知っていたから。 「我が軍門で修業を積めば、いずれは我が首に刃が届くやもしれぬぞ?」 「だとし

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刀鬼、両断仕る 第六話【鎧袖】下

刀鬼、両断仕る 第六話【鎧袖】下

◇【前回】◇ (どう、する)  己が信念に殉ずるか。  それを捨て、力を得て戦い続けるか。  考えるための時間は、あまりにも短かった。  咆哮と共に、鎧袖が再度突撃する。  片腕を潰された無粋では、鎧袖の振るう両の拳を受けきれない。  生か、死か。  空を裂き迫る拳を前に、無粋は砕けんばかりに歯を食いしばり―― 「――オレはッ……!!」 『破甲刃』が無粋の胸に食い込み、肺を貫いた。  振りぬく拳は勢いのままに彼の肋骨を砕き折り、その肉身を弾き飛ばす。  衝撃と共に

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