こまどりの死を、機に #2-4 (だれがこまどり しぬのをみたの?)

こまどりの死を、機に #2-4 (だれがこまどり しぬのをみたの?)

【木曜日】片岡 二月(8)        同日  18時35分  相楽署の一階ロビーに姿を現した母方童児は、憔悴しきった顔をしていた。普段は生気にあふれて、目力が強く、部内で自ら『悪役をするために生まれてきた強面だ』と揶揄していたけれども、いまの母方を見て畏縮する者はいないだろう。  母方には迷惑をかけた。聴取の前に謝罪と礼を伝えて、母方からは若干強い労りの平手を背中に返された。そこで終わりにしていればよかったのだが、胸の中に燻らせていた思いがあって、それは母方の兄のセイ

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【小説】ストローは行方不明です。

【小説】ストローは行方不明です。

ピピッ、ガコンッ 突然の落下する感覚から、着地の衝撃を全身に受けて目覚める。 長い眠りについていたようだ。 僕の身体は冷え切っている。 落下の衝撃で、僕の背中についていた四角い物体が剥がれた。というか、僕がその本体から引き剥がされた。 僕も、本体の箱状の物体も、横たわっている。 薄暗く細長い空間。 斜め上を見上げれば、横長の天窓がある。眩しい。 その透明な大きな窓が開いて、大きな黒い影がぬるりと入り込んできた。 僕の元"背中に付いていた箱状の本体"が黒い影に襲われる。

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考察! 鎮魂・序章の世界観

考察! 鎮魂・序章の世界観

 メディア事業部のIです。暑い日々も過ぎ去り、だんだんと涼しくなってきました。今回は『鎮魂 Guardian』序章の世界観について考察してみたいと思います。 『鎮魂 Guardian』とは? 人気作家Priestの再生回数36億回超ドラマの伝説的原作BL小説(台湾リリース版)。重厚な世界観の中での数万年の時をかけた壮大な愛と戦いの物語、待望の邦訳です。(『鎮魂 Guardian』分冊版1~3は無料公開中、続々、各電子書籍で配信されています!)  序章は、郭長城(グォ・チャ

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アンティークコインの世界 | ザクセン三兄弟ターレル銀貨の魅力
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アンティークコインの世界 | ザクセン三兄弟ターレル銀貨の魅力

今回はタイトルにある通り、神聖ローマ帝国ザクセン選帝侯領で発行された「三兄弟ターレル」と愛称される銀貨について紹介していく。少し前からターレル銀貨の魅力について連続的に紹介しているが、今回もこの銀貨について述べる。巨大で描写が鮮明且つ美麗なターレル銀貨は、私たちを魅了して止むことがない。 図柄表:クリスティアン2世、ヨハン・ゲオルグ1世、アウグストの三兄弟肖像(Christian II, Johann Georg I, and August) *彼らの統治期間は1591〜1

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2.イリーガル

2.イリーガル

 ロシアからの直行便で成田に降り立ったその集団は、一見すると浅草にでも向かいそうな日本好きの旅行者風にみえた。そのほとんどが、アメフト選手のように肩幅が広く、日本人よりはるかに体が大きいため、スポーツ選手団のようにも見える。  しかし、サングラスの奥に見え隠れするその眼光は異様に冷たく、周りにいる観光客はその集団が近づくと無意識に距離をとっているようだった。  遠巻きに見つめる他の観光客を気にすることもなく、大きめの荷物を受け取ると、空港の出口をへと向かう。  その集団では唯

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15.陸戦型バニラトラック

15.陸戦型バニラトラック

「メインシステム、セントウモードキドウシマス」  俺の後で突然、アーマードでコアな感じの戦闘ナビゲーショの音声がこだまする。  振り向くと、キッドのボディの色々なところが割れ、引っ込み、付き出し、ものすごい勢いで、そう、  ”変形” を開始した。  あっけにとられて見守る一同。  れ、練習したんだなぁ…  呆れとも感心ともつかないつぶやきを発する俺。  僅か数秒の高速変形によりそこに現れたのは、アーマードな方かと思いきや、ストックのない巨大なマシンガン、左手に先端の尖ったスパ

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1.二子玉川スクランブル

1.二子玉川スクランブル

 多摩川の方から登ってくる夏の強烈な朝日に目をしかめながら、沖田惣一は重い足取りでバスターミナルへと向かっていた。  高二の夏休み最終日。これが最後とばかりに大学部の連中と朝まで渋谷で飲んだくれ、田園都市線の始発でようやく二子玉にたどりついたところだ。 「あー、始業式まで1時間くらいは寝られる…かな?」  徐々に気温と湿度が上がってくるのを感じながら、かすむ目でバス停の時刻表をのぞき込む。この時間、バスターミナルは人がまばらだ。向かいにある東急ハンズもまだ開店準備すらはじめて

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2.東の魔女とメロンと鳥人間

2.東の魔女とメロンと鳥人間

 皆さんは、自分の死について深く考えたことがあるだろうか?  俺は今、落下するバニラトラックの中で死と直面せざるを得なかった。  死後の世界。 「死後の世界はあ~るんです。死ぬのはち~っとも怖くないんです」  とか言っていた昭和の名優、丹波哲郎。知らない人は、お父さん、お母さんい聞いてみよう。  何かの昭和懐古番組でも見た気がするが、彼はお花畑を越えて大霊界に行けたのだろうか。  そうそう、デーモン閣下のものまねがとても面白かったっけ。  とかそういうことでなく、ようは死ぬ瞬

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14.火あぶりの刑とサイコな銃と蛇の名を持つ海賊

14.火あぶりの刑とサイコな銃と蛇の名を持つ海賊

 あー、火あぶりの刑ってこうするのね。なんか、ほんとむごいわー。  火あぶりの刑というと、魔女狩りとか、中世の西洋の絵画とかによく出てくる奴を思い浮かべるけど、実際に見るとなんかほんとむごい。  高々と組まれた木の十字架に、両手両足を太い鉄の杭で打ち付けられ、その下には大量の藁と木が詰まれている。  有名なのだと、「フォローミー!」でおなじみのジャンヌ・ダルクさんですかね。  ほとんどが、火を付けられた後に、煙による一酸化炭素中毒で気絶した後に焼死するらしいけど、それにしても

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