ハルヤボスキムラ

ババトイノキトハルヤニブッチャーカフェ店主(旧居酒屋ハルヤ)インプロ紙芝居劇団座長渋さ…

ハルヤボスキムラ

ババトイノキトハルヤニブッチャーカフェ店主(旧居酒屋ハルヤ)インプロ紙芝居劇団座長渋さ知らズオーケストラ在籍色んな事やって来た阿呆のどうでもいい日記

マガジン

  • ボケ日記

    「実録ドキュメント小説」 コロナ禍によりピンチになった居酒屋店主のアルバイト先は干潟だった週一連載

最近の記事

ボケ21

そしてその日がやってきたのは4月から5月潮が夏となり朝とか昼間とか明るい海時間にオレはついに大漁を体感した。  サイズで言うと小ボケが10円で中から大が15円で大体一人で取れても1000ちょっとで15000円ほどだった。そして問屋は違うが一緒に内緒で入ってる広沢くんは過去に1日9万円叩き出した記録ホルダーで年齢はまだ25ぐらいのとてもいい奴で最近も連絡取ってるほど仲良しな奴だ。  あまりにも取れないのでオレは素直に彼から色々聞いて試してを繰り返していた。  そもそも俺たちのや

    • ボケ日記20

      前回19でトリコについて説明したが木更津周りでは富津と金田で過去には結構な人数いたトリコも今じゃ少なくなりオレの漁場では宮崎夫婦とリーさんと広沢くんぐらいのものでその中で問屋のチカラ関係からオレとカズコがメイン大潮だけ広沢くんが来るだけになった。広沢くんはうちの問屋で前まで海に入ってたが親方が清水さんからカズさんに変わった際にカズさん息子と喧嘩になり「もうここでボケ取んなよこのボケ野郎」となっていた。それでも広沢くんからすると先代清水親方からはそこに入っていいと免罪符もらって

      • ボケ日記19

        多分6月ぐらいの話でこの頃になるとボケ漁はシーズン後半となる。  いや問屋は一年中でも欲しいわけだが真夏だとボケジャコは暑さに弱く関西地方まで届ける事が難しくなるわけだ。それに宮崎夫婦によると取り子すなわち漁する人間も熱さで倒れるとの事。  カズコがオレに言う  クール宅急便で届ければいいんじゃね?  全くその通りである。このぐらいの時期でも取ったボケを出荷するのに発泡スチロールの箱にボケの箱を6段ぐらい乗せて間になんたアレなんていうんだっけの冷たいやつ氷でなく青い平

        • ボケ日記多分18

          さあ久々に続きを書こうとこのページをスマホで開き自分でもどこまで何書いたのかすっかりわからなくなりボケ日記17を読み直したら具合が悪くなってきた。実は俺のこういうのはその場でどかどか書くタイプで字を間違えたとしても読み返す事が無いわけだ。いや少しは消したり戻ったりするが全体など気にせず書く思いつきただそれだけで書いてるから〇〇1話読み直すと恥ずかしさとひぇええええ寒い寒い寒いで気持ち悪くなるのだでも頑張った結果最後に「救急車騒ぎに続く」 とか書いてあった…ああたしかにあったな

        マガジン

        • ボケ日記
          8本

        記事

          ボケその17

          ボケ漁も3月に入り繁忙期となる 問屋からはいくらでも欲しいとなり大潮小潮関係無く海に入る。過去に1日9万売り上げた広岡くんとも仲良くなりノズルを長くしたんですと言うのですぐに真似したりして俺とカズコも多い日は2人で6万とか色々な試行錯誤や取り子同士の連携に流石にこれだけ毎日行ってるので地形の把握と水圧や道具の改良など苦労が金に変わってきた。そして腰までの水位の中歩いたりぬかるんだ場所での作業で身体がどんどん痩せていきダイエットにも最適でボケ漁よりみんなで歩こう海の中ツアーし

          ボケ漁日記その16

          夜と違い昼間ならとボケ漁に本格的にカズコも参加まぁ重い荷物の他にも段取りがあるし捕獲漁も増える毎日行く俺たちに問屋も喜んでる。今までの取り子と呼ばれるボケ漁師は毎日など行く人はいなかった。大体月に多くとも5回ほどであるだがとにかく稼がないとな俺たちで雨以外毎日行った雨の日は出来ないわけではないがボケは真水に弱く海水以外だと死んでしまう。雨粒程度なら問題は無いが漁場は川と繋がっていて上流にあるダムが放水すると海水が薄まりそうなると取ったボケは全滅なんて事もあった。なので海水を舐

          ボケ漁日記その16

          ボケ日記その15夜から昼へ

          ボケ漁は前に述べたが干潟漁で当然潮の満ち引きが重要になる。  オレも前まで大潮ぐらいしか知らなかったが潮は順番があり中潮小潮長潮小潮から中潮になり大潮となる。ボケ漁に適してるのは大潮と思われるが大潮は勿論採れるが潮が引き過ぎて干潟がもう東京ドーム何個分ぐらいとなってしまい海水が無くなり過ぎるすなわち移動範囲が狭くなるオレの経験からだと大潮前の中潮が海水も取れてやりやすい潮だった。小潮だと今度は干潟部分が出なくやりずらいし時間が短いとなる。そして潮の満ち引きは1日に必ず2回で

          ボケ日記その15夜から昼へ

          ボケ日記その14

          女親方は揉め事が嫌いだと言いながらそのオレが遭遇した忍者のような若者の事を息子達が捕まえてタコ殴りにするからまた来たらすぐに連絡してくれとオレに言ってきた。話を聞くと元々先代清水親方が見つけ育てた取り子で1人で一日9万円売上げた伝説を持っている態度も悪くいきなり息子に殴りかかってきて喧嘩になったが清水親方は可愛がっていたので血縁関係である息子達よりその若者側を擁護したとにかく女親方家族からは邪魔な存在であると言うのがわかった。  つまりオレにしたらどうでも良すぎる話 そし

          ボケ日記その13

          そしてリーさんや宮崎夫婦と定期的に海に入るみんな一緒にならないのは問屋都合で多く取れても需要供給バランスがあり特にシーズン期は3月から6月でそれ以外は数がいらないそりゃ真冬に釣りする人も少ないだろう。オレは取れたボケを親方の所に持って行くので絶対オレと誰かの形になる親方息子達は皆仕事していて正直なところボケ漁にそんな興味が無く取れないと金にもならないので「マー君やってくれてマジ感謝」である。オレはこの頃何とか取れるよう一つのエンジンから2本出したホースの先を更に2つにわけノズ

          ボケ日記その12

          掘り込子や取り子と呼ばれるボケ取り人昔は今より金になり相当な人数いたらしいが近年場所によると干潟生態系を守るために禁止されたり数量が取れなくて金にならず辞めて行く人が多く全国的にも取り子はほとんどいなくなってる。  市原海岸がシーバス(スズキ)のメッカというのもこのボケがいるからで勿論チヌエサで関西に卸すぐらいなものでクロダイもいる。つまりボケがいる海は魚が集まるのだ。ではなぜ関西地方に卸してるかというと大阪や名古屋などでは全くボケが取れなくなったし物凄く弱く養殖はとても難

          連続ボケ日記その11

          そして1人立ちしてから女房相方に何回か行ってるが相変わらずボケは取れずでリーさん達は平均1人二かご取るのに対しオレ達は2人で1カゴ半分ぐらいと金額にして一万円と。コロナと増税によって店がダメでAmazon宅配便に出稼ぎ行くようになりそこそこの金を稼いできた。この宅配便もカズコに車を与えウィンカーを左に出しながら右折する女を都内目黒辺りを配達できるまで教えたオレは教え上手だが今2人でそれを休み金にならない釣り餌漁に時間を費やしている。  もうやめてほしいんだけど… と女房に

          連続ボケ日記その11

          ボケ日記その10

          リーさんの言う背中黒くて四角い平で薄いニンゲンな豚顔でヒゲ生やしてる大きいソレを待つオレとカズコ一体何が網にかかったのかをフェンス越しに見ていた  2メートルほど下に降りると海水入り口で膝下ぐらいの水の中を歩いてくリーさん  どうやら生捕りにしていて網ごと海につけている。両手を海水に入れ網の中のソレを引っ張りだしてるようで海面がバシャバシャ揺れている。  何かが網の中で暴れているようで  とりあえず遠目でもその生き物は海中生物なのはわかり不安は無いが一体ソレ君の名は…

          ボケ日記その9

          海側夜の海で今さっき会ったばかりの中国人リーさんと腰ぐらいの水深の中頭につけたライトだけでエンジン積んだ船を引っ張りながら歩く中々の怖さである。  そしてリーさん曰く所々にボケ取った後の穴が空いていてハマると2メートル近く落ちるとかそう落とし穴があるわけだ。  も一つはここら辺にはアカエイがいてまともに刺されると相当やばいと。  まぁ死にはせんと思うがリーさんはそう教わったため長い棒を刺しながら歩く  無言のまま歩く いくらこれから潮が低くなるとわかっていても恐怖は

          ボケ日記その8

          オレの想像していた中国人リーさんはもっとこう細身で目が鋭く黒髪そして背中からヌンチャクを取り出すようなイメージなんなら頬に3本のキズがあって黄色のツナギのような…では無かった  オメデトゴザイマンスは多分オハヨウゴザイマスと言いたかったのだろういや正確に言うと  オハヨウゴザイマンスかでも色々が違うここはコンバンハだろ。  コンバンワマンスだ  いやマンスって何よ  後日リーさんはオレに会うのを緊張していて車から出てきたオレが怖く見えて慌てたらしいと。まったくこっち

          ボケ日記その7

          どこまで書いたか忘れてしまい話が飛ぶかもだが…ああそーそー初ボケ漁を終えたオレはこれ無理だと。こんなんできるかの中親方から電話があり  「マー君今日も行ける?」とに  まぁ確かに全然取れなかった悔しさはあるので今日を最後にと行くことにした。  親方息子のリュウと2人でオレが段取りして現地集合にて海に入る  今日は少し早めに海に入り少し遠くまで行くと。  これ潮が引いてしまうとエンジン積んだ船が干上がり移動できなくなるので海水が多い時間に遠くまで歩くというわけだ 

          ボケ日記じゃない番外編お食事中は読まないで下さい

          店の近く1組の老夫婦が住んでいた  2人はアパートの一階住まいで朝5時頃から遠く離れた道路に通る車や人に自転車をヨーソロよろしくエアー誘導していた。  しばらくして爺さんが亡くなり婆さんのボケが始まる  婆さんは前からうちの店の横を通路に歩いていて裏口ドアをノック何かと開けると  「そこのガス台はあたしのだから!」  と訳のわからない事を言う  時には「その鍋を昔使ってた!」とか  そのうちノックもせず裏口ドア前に無言で立っていて人の気配感じて覗き穴見たら婆さんが

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