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ボケ日記

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「実録ドキュメント小説」 コロナ禍によりピンチになった居酒屋店主のアルバイト先は干潟だった週一連載
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ボケ日記20

ボケ日記20

前回19でトリコについて説明したが木更津周りでは富津と金田で過去には結構な人数いたトリコも今じゃ少なくなりオレの漁場では宮崎夫婦とリーさんと広沢くんぐらいのものでその中で問屋のチカラ関係からオレとカズコがメイン大潮だけ広沢くんが来るだけになった。広沢くんはうちの問屋で前まで海に入ってたが親方が清水さんからカズさんに変わった際にカズさん息子と喧嘩になり「もうここでボケ取んなよこのボケ野郎」となってい

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ボケ日記多分18

ボケ日記多分18

さあ久々に続きを書こうとこのページをスマホで開き自分でもどこまで何書いたのかすっかりわからなくなりボケ日記17を読み直したら具合が悪くなってきた。実は俺のこういうのはその場でどかどか書くタイプで字を間違えたとしても読み返す事が無いわけだ。いや少しは消したり戻ったりするが全体など気にせず書く思いつきただそれだけで書いてるから〇〇1話読み直すと恥ずかしさとひぇええええ寒い寒い寒いで気持ち悪くなるのだで

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ボケ日記 その6ヘトヘト

ボケ日記 その6ヘトヘト

はじめ潮が引いてる時間しかできないから大体3時間ぐらいと聞いていたがとうに4時間は過ぎただろうかナニコレめっちゃ長くないか?で場所によって違う事がわかった。 

今日入った場所は「ワンド」と呼ばれてる場所で1番長く干潟が出てる場所だった。

深夜12時を回った頃ぐらいから急激に寒さが襲ってきた

これ寝ちゃダメ!な軽い遭難に近い 

ノズルを持った右手も中々疲れてきてるし 

とにかく泥が顔や色ん

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ボケその5 とりあえず一服

ボケその5 とりあえず一服

初めてのボケ漁はついに始まった 

1人一台ずつエンジンを積んだ四角い船を引っ張ってポイントとなる干潟に歩いていく 

その海がどんな地形なのかもわからないのはとても怖くいきなり深くなってんじゃ無いかとか考えながらヒモでつながったエンジンを引っ張る 

潮が引いてきてるので次第に浅くなっていき海面が膝ぐらいの所で鉄の棒を海に刺してエンジンを固定させる。エンジンからは長い15メートルほどホースが繋が

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ボケ日記その4 立ち入り禁止

ボケ日記その4 立ち入り禁止

釣り餌ボケ漁について説明しよう 

このニホンスナモグリというエビのようなものは主にクロダイのエサとして関西地方では有名な釣り餌であるが販売価格で1匹50円以上と中々の高額で金持ちの釣り餌でもある。基本全国に生息しているらしいが近年関西地方では全く取れなくなり関東で取ったものを関西の問屋に卸す流れになっているが最近は関東でも年々取れなくなっている

まぁ今「エサ釣り」自体時代遅れとなりつつあり若者

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ボケ日記その3

ボケ日記その3

そして初日がやってきた。 

今は11月で潮の時間が夜である 

ボケ漁は基本干潟で潮干狩りをイメージしてもらえたらわかりやすいだろうてかズバリそれ 

干潮時潮が引いて砂浜が出ている時にするわけである。11月で18時に親方の家集合はもう外は暗く夜家に着くと「今日はお父ちゃんも行くって」との事で親方長男の竜とその父親とオレの3人 

「おおマー久しぶりだな」と上島お父ちゃん 

この人も姉と親方の

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ボケ日記その2

まずボケジャコについて説明しよう 

正式名称は「ニホンスナモグリ」という 

名前の通り普段は砂浜に穴を掘りおよそ2メートルほどの穴の中にいる大きさは爪からシッポまで大体大人の親指ほどの長さでオスは片方だけカニのような大きい爪がある。色は赤っぽいのが大半で曇った白味がかかった黄色いのもいる。 

親方カズから「マー君じゃあ来週の夜ね」となりまずは漁に使うものを買いにジョイフル本田に向かった。女房

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ボケジャコ日記

ボケジャコ日記

僕は千葉木更津で小さな居酒屋をやっている 

増税から客足は減りそこにきてコロナという未だ勝手無い打撃に更に客足は遠のき店の他にも収入になるべき宅配便などをやっていたある日姉の和美から電話がかかってきた 

「お前今なにしてるの?」 

「何って配達仕事してるけど」 

「店は?」 

「休み休みだなコロナでどうにもならん」

「いいバイトあるけどする?」

「金になるならやるよ」で上島さんに電話

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