ボケ漁日記その16

夜と違い昼間ならとボケ漁に本格的にカズコも参加まぁ重い荷物の他にも段取りがあるし捕獲漁も増える毎日行く俺たちに問屋も喜んでる。今までの取り子と呼ばれるボケ漁師は毎日など行く人はいなかった。大体月に多くとも5回ほどであるだがとにかく稼がないとな俺たちで雨以外毎日行った雨の日は出来ないわけではないがボケは真水に弱く海水以外だと死んでしまう。雨粒程度なら問題は無いが漁場は川と繋がっていて上流にあるダムが放水すると海水が薄まりそうなると取ったボケは全滅なんて事もあった。なので海水を舐めて今日できるか判断する。

そしてもう一つ昼間でならの光景にぶち当たるそれは干潟に何か取りに来る人の多さだった。大潮時なんてそりゃ人手が多く平日も関係無く人が干潟にくる。本格的にハマグリ取る人や釣り餌掘りに来る人家族で来る人カップルで来る人とえええええこんなに人いるの!!ぐらい来る。みんな立ち入り禁止場所から降りてくる。俺たちはそこからは降りない行政が看板出してるところから降りるのは後々何かしら面倒が起きた時にややこしくなるから遠くから降りて歩いて漁場に行く。そして干潟に来る人の多くは外国人である。中国人がメインのベトナム人やラオス人やとにかく外国人が多く来る。アサリなんて全く見ないのに潮干狩りに来る人もいる。そしてほとんどの人が俺たちに話しかけてくる。 

呪いの言葉である 

何取ってるんですか? 

ああ今この言葉を書いただけで具合悪くなるぐらい毎回聞かれる

何を取ってるんデスカ?

たまに漁師さん!何取ってるんですか?と誰が漁師やねん心で言いながら答える事もある。そしてもう何回か書いてるがボケ漁は穴を掘る漁で俺たちの周りは言わば落とし穴だらけで遠くからわざわざ近寄ってきて何取ってるんで…ズボッ! 

漁師さー…ズボッ! 

とにかく穴にハマるわけだなので毎回そこら辺穴があるから気をつけてとも何百回言ったことか。うんざりするほど話しかけられて取ったボケを見せたり説明したりでストレスがたまる二人 

カズコの眉間にシワがよる 

「クソ野郎が…」

一瞬耳を疑う言葉だ長年連れ添ってきた相方の口からクソ野郎共が!と聞かされたマサノブいやマサさんこれはヤバいなとこいつ漁やるようになって気性荒くなってないか?気持ちはわかるがこのままだと心身共に荒くれ漁師になってしまう俺でなく女房がだ。なのでカズコにそんな言葉はダメだ地域に優しい漁師さんにならないと嫌われると港湾関係にチクられるぞ。だがストレスは溜まるだろうからこう言う方がいいだろと魔法の言葉それは「こんげ」である

コンゲを説明すると子供達が幼少の頃俺はパパとけんたはチンゲママとリコはマンゲだからな話をしていた時リコちゃんがパパ好きなのでリコもチンゲがいいと

いやリコちゃんはチンゲじゃ無いよチンゲはパパとけんただけ 

リコもチンゲだもん 

リコちゃんはチンゲにならないよ 

…じゃあリコは…コンゲ 

コンゲ? 

リコはコンゲらもん 

なにそれ? 

赤ちゃんのチンゲはコンゲ 

赤ちゃんにチンゲあるの? 

ある…赤ちゃんのチンゲはコンゲらから 

一体俺は何を書いてんだ。 

とにかくそれがコンゲである。つまり悪態をリアルにつくクソ野郎共んが!はダメだけどコンゲと言えば言われた方はわからないそして声に出してもらうとわかると思うがコンゲはなんか下品でもなく心が優しくなるしかしただコンゲと言うだけじゃなんかアウトな気もするので

コンゲらね〜と優しく笑顔を添えて言うそうすれば相手は外国人が多い中なんとも和やかになる。 

何取ってるんですか?それ何デスカ? 

これは釣り餌でそこら辺穴があるから気をつけて 

ズボッ! 

コンゲらねぇ〜 

何取ってるん…ズボッ! 

…コンゲらねぇ〜 

そのうちこれが進化して 

コンゲの人沢山来てるねやあの人はコンゲの人だったななどなど。そして言われた方も漁師の口から笑顔でコンゲらねぇ〜は意味は当然わからないが嫌な感じは受けない画期的な言葉でコンゲの歌とか世界中に流行らせればきっと争い事は無くなる気もするああ気のせいだよ!コンゲらねぇ〜


そして次回はコンゲらね〜と笑顔で答える女カズコ干潟アイドルになるに続く

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