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アタテュルク国際空港のアイスクリーム屋さん

 皆様、こんにちは。赤城春輔です。^^
いつも、記事を読んで下さり、本当にありがとうございます。^^ 
今日は、 #ハッシュタグ企画  への参加の記事です。
 
 7月のひんやりアイスクリーム
 
2015年7月、満面の星空の中を、飛行機は静かに渡っていく。窓から覗けば、時の経過と共に、巨大な天の川が東から西へ移動していく。
 武田鉄矢さん作詞の「夢のゆくえ」というロマン溢れる歌の、まさにそんな情景が眼下には瞬いていた。

 「夜汽車はゆく、星くずの中、汽笛を鳴らして。
 見下ろす街の灯、まるで天の川。」


 真っ暗闇のヒマラヤ山脈を越えて、トルコへと向かう航路の真下の暗闇に、まさに天の川のように、幹線道路の続く照明灯や、都市の灯が色鮮やかに美麗に輝き、瞬いていた。
 そして、知らぬ間の眠りから目覚めると、飛行機の目の先に、旅の乗り継ぎ地点である異国情緒あふれる街、イスタンブールのアタテュルク国際空港が見えてきた。旧市街らしき屋根の並びも、いよいよ見えてくる。

 幼い頃より、本やテレビでその名と文化を親しんできたトルコ、イスタンブール。この憧れの場所に、乗り継ぎと言えど地に足をつけたことに、心から感激して感謝をした。
 次の便までの待ち時間、他の搭乗客と同じく、この土地の文化や料理に触れてみたいと空港内を探訪していたら、アイスクリーム屋の、民族衣装を着たおじさんと目が合った。空港内はクーラーが効いているといっても、やはり夏なので、やっぱり食べてさっぱりしたい。
 因みに、アタテュルク国際空港にはトルコ名物の、伸びるトルコアイスの有名なアイスクリーム屋さんがあるのだが、そこではない。ここのアイスクリームはあまり伸びなかった(笑)。



 しかし、私は、ここのおじさんのこの目と笑顔、アイスクリームのさわやかな色合いを見て、すぐに注文した。「Camera, ok? 」と尋ねると、おじさんは、私のカメラに向かってニッと愛嬌よく笑ってくれた。おじさんのアイスもひんやりと、さっぱりとしていて、大変満足した素晴らしいアイスクリームだった。
 アイスクリームは他の搭乗客も買って、近くで食べていた。


 イスタンブールの国際空港はアジア人は少なかったと思うけれど、ゼロではない。中近東の人々をはじめ、欧米、アフリカ、多国の沢山の老若男女でごった返していた。以前、カタールのドーハの国際空港では一生分のアラビアの人々を見たけれど、イスタンブールの国際空港では一生分のアフリカ人を見た。ドーハの時同様、民族衣装を着た人も多くて、本やテレビでは実感しにくい服装の細かい部分や質感等を観察するように努めた。個人の写真は撮れないので記憶に留めようとしたけれど、思い返せば、特に印象に残っているところしか、なかなか思い出せない。アラブ人の男性がシンプルなデザインのサンダルを履いていたことと、アフリカ人が頭に物を乗せて器用に歩いていたことが、特に印象に残っている。
 
 アタテュルク国際空港でもう一つ食べたものが、パンにチーズを挟んだものだ。帰ってから調べると、「エクメック」というトルコのパンで、生地にハチミツが練りこまれているそうだ。弾力があって、癖の強すぎない、美味しいパンだったと思う。
 このパンを空港内のレストランエリアで買ったとき、掲げられたメニューの見方がわからなくて困っていたら、隣にいた外国人の男性が教えてくれた。
 こういう助け合いは本当に大好きだ。



 今まで数回外国に行って、私も含む外国人同士の支えあい、助け合いを幾度も経験した。
 日本の空港もそうだが、国際空港の、多国の色んな人種の人々が同じ空間でリラックスして、隣に座ったり、列に並んだり、買い物をしたり、これらの平和な雰囲気を毎回旅に出る度に感じられて、心から嬉しい。

 
 だから、2016年のアタテュルク国際空港で起きたテロ事件には心から怒りを覚えて、そして、心から悲しくなった。
そして、アイスクリーム屋のおじさんの無事を祈った。
 
アイスクリーム屋のおじさんはじめ、空港の職員、航空機の関係者、ショップ店員、搭乗客、すべての関係者、お互いに安心安全を大事にし合って、尊敬し合って、皆が過ごすあの穏やかな空間。
 
その永久の平和をここに祈る。

 
 そして、この夏も、あのアイスクリーム屋のおじさんが、ひんやり美味しいアイスクリームを多国の沢山の、老若男女の人々に癒しと笑顔と共に渡して、
そして、おじさんにも沢山の笑顔と幸せが渡されることを、心から祈っている。





赤城 春輔

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