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随筆 レモン

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現在創作についての考えと理系生活と執筆の両立について語るエッセイ発売中。駄文は承知の上、しかしあえて価格をつける。良質な作品が安価で買い叩かれる世の中への問題提起の一作
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#日記

人間とはなにか

人間とはなにか

態度がはっきりしなくぼんやり生きてた私と、チャキチャキ手際のよく頭も回る父の関係は、常に緊張状態にあった。

私のノロマさが父の許容範囲であるときは束の間の平穏があり、それをひょんなことで超えたときは私が一方的に怒られた。

モゴモゴと思ったことをハッキリ言えなかった私は押されるばかりで言い訳も言えず、そんな姿を見て父はさらに苛立ちが募ったに違いない。

ところで、その父が死んだ。私が大学四年生に

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レモン -23

レモン -23

物書きが猫好きになるのも道理だな、と思ったりする。
今回はちょっと過激なことを言うので以下から課金制とする。

文学とは、文芸とは

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レモン -8

回想
いつだったか覚えていないのだが、家族でキャンプにいったときにえらく空が近かった光景を見た。星が砂粒のように一面に広がっていながら、それら一つ一つが瞬いていた。

それ以降私は天文学に興味を持った。法律を勉強した父が社会の仕組みを教えようとして小さい私に課した「一日一回疑問を見つける」という課題に、私は自然の「何故」ばかりぶつけた。

父は農学博士でもあったから、理系の質問にも答えようとはして

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レモン -9

名探偵コナン劇場版、ゼロの執行人を見て来た。

コナンといえばネタバレアカウントの暗躍が話題になっていたが、私はそれをむしろ望んでいて、来なかったときにはがっかりした……のはさておき。

警察組織の闇とか、警視庁と警察庁とか、公安的配慮とか、難しいワードが沢山出てきて、ちょっとビビった私。

中学の公民程度の知識しかない私だが、なんとか理解はできた。しかし、隣に座っていた小学生くらいの男の子は最後

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レモン -10

レモン -10

レモンの連載も10冊目になった。今日は「病は気から」の話。

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レモン -13

救済としての物語NHKの100分de名著という番組を見た。河合隼雄さんの著書に関する回だった。放送されたのはちょっと前なのに、いまになってその内容が思い出される。

参考:https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/78_kawai/index.html

というのも、執筆に関する師匠(私が勝手に言ってるだけ)から幕末期の偉人として山田方谷という人物を紹介され、

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レモン -14

レモン -14

大学生の夏休みの始まりは遅い。

そしてその分長めに取られている。大学生にしかできないことをやるためだというのが一般的な認識だと思う。

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レモン -15

レモン -15

以下、カクヨムの近況ノートと同じ文面である。

私が小説を書くことで掴みたい未来現在更新中:「目覚めてもディストピア」https://kakuyomu.jp/works/1177354054886560685

はじめましての方ははじめまして。いつも読んでくださっている方はありがとうございます。春瀬由衣です。

私は国立大学の物理を専攻する大学生であり、(留年食らっちゃいましたが)一応勉強も頑張っ

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レモン -20

祝!随筆レモン🍋20章!かわいいイラストお借りしました!

アマチュアとプロについて従来の考えでいけば、趣味で小説書く人間がアマチュアで出版社による商業出版を経ている人間がプロということになるのだろう。
少数精鋭の作家を、莫大な広告費をかけて宣伝し、持ち上げ、大文豪に押し上げて、その人に次を次をと急かして多くの文章を書かせて手っ取り早く収益をえる。従来の作家像にはそんな印象がぬぐえない。

現代

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レモン -21

レモン -21

体調がなかなか回復しません。季節の変わり目つらい
よって今回は短めです

ニッチな分野で一番になりたいニッチな分野とは、言わずもがな人口に膾炙していない、特殊な性癖な分野のことである。(そうなのか?)
手軽に読める、結末のわかっているような小説の分野が流行っている今日において、私の書いているものはニッチということになるのだろう。

正直、あまり嬉しくない。手軽に読める短編や感動できるテンプレを踏ん

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