レモン -8
回想
いつだったか覚えていないのだが、家族でキャンプにいったときにえらく空が近かった光景を見た。星が砂粒のように一面に広がっていながら、それら一つ一つが瞬いていた。
それ以降私は天文学に興味を持った。法律を勉強した父が社会の仕組みを教えようとして小さい私に課した「一日一回疑問を見つける」という課題に、私は自然の「何故」ばかりぶつけた。
父は農学博士でもあったから、理系の質問にも答えようとはしてくれた。しかし、私の質問は大体宇宙の始まりとか、そんなことばっかりだった。本来の目的からは外れるようになったその課題に父は苦笑いしながら付き合ってくれたが、私は満足いく答えをそこでは得られなかった。
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