#小説
小説 これは私の夢のはなし
🐑#010 ラストストーリー
目が覚めると窓から日差しが眩しく感じれた。
もう起き上がれない程身体は弱っていた。
長い長い夢を見た。
わたしになっていた気がすると、ハル子は微笑みを浮かべた。
「お嬢様、お庭の桜が満開で綺麗でございますよ。」メイドが少しだけ窓を開ける。
「滝山、夢を見ていたの。」
メイドの滝山は、呟くはる子を優しく見た。
滝山は、ハル子の子供の時からのメイドだ。
「どんな
小説 これは私の夢のはなし
🐑#004 喫茶店の父母わたしの夢には実父母とは違う父母が出てくる。
わたしはまた夢の中にいた。
「ただいま。」
わたしはとある喫茶店のドアを開ける。
「お帰りなさい。疲れたでしょう。」
夢の母は優しく迎えてくれる。
コーヒーの良い香りが店内を駆け巡る。
「コーヒー飲むでしょ?」
夢の母の優しい声にうんとわたしは頷く。
店内には真ん中に丸い大きめのテーブル席、カウンター席4席、端にテーブル席
小説 これは私の夢のはなし
🐑#002 博物館「ここは何の博物館ですか?」
わたしはまた夢の中にいた。
わたしの問いに夢の人は答えた。
「色々ある博物館だよ。
ここは花のコーナーだね。」
そこには沢山の花が咲いている。
蝶々が飛んでいて本当の花畑みたいだ。
「あっこれは胡蝶蘭ですね。」
わたしが指を指した先には沢山の胡蝶蘭がある。
白、ピンク、黄色、色鮮やかな花たちが綺麗だ。
「あっちは恐竜だね。行ってみまし
小説 これは私の夢のはなし
🐑#001「手紙泥棒」「手紙泥棒がでたぞ。」
誰かがそう叫んでいる。
わたしは今夢の中にいる。
何故か図書館の本棚にぐるりと囲まれている。
「また夢でお会いしましたね。」と彼が言う。
彼はいつも夢に出てくる少しハスキーな声の人。
わたしは彼を夢の人と呼んでいる。
「今、手紙泥棒って?」とわたし
「此処で手紙を書くと取られてしまうんです。」と夢の人が言う。
「どうして取られてしまうのでしょう