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小説 これは私の夢のはなし

🐑#005 雷雲と虚構

「ここはいったいどこ?」
一面真っ白の場所にわたしはいる。
わたしはまた夢の中にいた。

「ここは空の上の彼方の上だよ。」
夢の人が言った。
「久しぶりだね。博物館の時は突然いなくなってすまない。」
申し訳なさそうに夢の人は続けて言うとわたしは首を横に振った。
「空の上の彼方って?雲の上にいるの!」
わたしは足元を見て慌てた。
夢の人はあははと笑う。

「そうか、夢の中にいるから大丈夫か。」
わたしは安心してふぅとため息をついた。
周りを見ると雲の上にいる人達がいる。
「彼らはアルバイトだよ。」
夢の人はバイトらしき人のほうを見て言った。

「あの人達は何かを持ってるけど、あれって。」
わたしは眼鏡をかけ直してよく見た。
雲の上に数人の若い男性が手に明るく光る物を持ってる。バチバチと赤青黄色紫と光が反射している。あれは確か見覚えがある。

「は、花火?」わたしはびっくりして言った。
「雷雲だよ。雷雲を作ってるんだ。」
夢の人は雲の下を人差し指で差して深いため息をついた。
わたしは下を見た。
沢山の家、ビル、人、車、鉄道、町並みが見える。

「誰がこの世界を作ってるのか誰も知らないし、誰もこれから何が起きるかひとつもわからないさ。雷雲一つにしてもね。
この世界は作りものだよ。全部。」
夢の人はさびしそうに言った。

「あなたはいったい誰なの?」
わたしは言った。
「君こそいったい誰?俺の*虚構*になぜいる?
君もあの人の夢を見ているのか?桜の男の人、」
夢の人は何かを言っていたが聞こえなくなった。

「聞こえない。もう一度言って。もう一度、」
わたしは必死で叫んだ。

目が覚めた。
夢から覚めても夢の人のハスキーな声が頭から離れなかった。
「桜の人の夢、、、。」
俺の虚構って?
この世界は作りものだよ。

もし、誰かの夢の中にいるとしたら、、、。
まさかただの夢のはなしなのに考え込んでしまった。



夢の人のことをわたしは何ひとつも知らない。


⚡️これは私の夢のはなし⚡️

*虚構* 《きょこう》作りもの  フィクション




⚡️これは私の夢のはなし⚡️をお読みいただき誠にありがとうございます😊
どなたかの目にとまれば嬉しく思います😃

また夢のはなしでお会いできれば幸いでございます😊

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