マガジンのカバー画像

読むことと書くことと

28
大切にしたい「読み書き」のこと
運営しているクリエイター

2024年5月の記事一覧

5月に読んだ本

5月に読んだ本

2024年5月。
これは間違いなく私の20代のなかで、もっとも本を読んだ1ヵ月。

備忘録として、読んだ本を紹介します。

5月に読んだ本(読了順)

ウエハースの椅子 江國香織

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹

風の歌を聴け 村上春樹

一人称単数 村上春樹

うすうす知ってた 田辺聖子

私の幸福論 福田恆存

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(下) 村上春樹

海辺

もっとみる
読む

読む

長らく読書から遠ざかっていた。

小さい頃は本ばかり読む子どもだった。
徒歩20分の小学校の帰り道を、本を読みながら歩いて帰った。
読みたい本がある時には、それは何よりも優先されるべきことで、本を読んでいる途中に友だちが家に遊びにきても「本読んでるから」と断ったほど。

いつだって本は生活の一部だったんだけど、子どもが生まれてからは読めなくなった。
ページ上の文章をなぞれなくなり、読んでも頭に入っ

もっとみる
noteだから書ける

noteだから書ける

私のnoteを、実際の友人は誰も読んでいない。
実際の友人というのはnoteを介さずに出会った友人のこと。

数ヶ月に一度くらいしか投稿していなかった頃はInstagramと紐付け、「投稿しました」とストーリーにあげて友人たちにも読んでもらっていたが、毎日投稿を始めてからはそれもやめた。

よくいくコーヒー屋の友人に、noteを書いていると話したところ、「アカウント教えて」と即座にスマホを構えられ

もっとみる
行間に割りこむ

行間に割りこむ

本を読んでいると、自分の知らない言葉や言い回しにたくさん出会う。
文学や日本語の文法を学んだことのない私にとって、新しい発見の連続である。

最近読んだ本のなかで、衝撃を受けた言い回しがあった。

「行間に割りこんでいかねばなりません。」

福田恆存著の「私の幸福論」という書の中の一節。

本当の教養を身に着けるためには、本を読む際に、その内容を鵜呑みにするのではなく、自分の意見を主張しながら、本

もっとみる
新しい本棚

新しい本棚

浦和のアパートを離れた際、手持ちの本をすべて手放した。
私があのアパートから持ち出すことができたのは、レンタカーのヴォクシー1台に乗る分の荷物だけ。
なるべく短時間で積めるだけの荷物を積む必要があって、衣服や子どものおもちゃ、貴重品、思い出の品などを持ち出すだけで精一杯。

子どもの絵本で特にお気に入りの数冊だけを紙袋に詰めて、自分の本は持ってくることができなかった。

泣く泣く手放したもの。

もっとみる
純喫茶にて

純喫茶にて

今日も面接。
もう慣れたもんだ。聞かれたことに笑顔でハキハキと答える。
経歴も、転職理由も、長所と短所も、将来の目標も、聞かれ慣れた。
1人で2人の子ども育てていると伝える際に、面接官の瞳の色が変わるのも、見慣れてしまった。

面接が終わったその足で、市内随一の純喫茶といわれる喫茶店を訪ねた。
ナポリタンとホットコーヒーを頼む。
ナポリタンは昔ながらのトマト味。ちょっと濃いめの味付けがなんとなく懐

もっとみる
本を片手にたずさえて

本を片手にたずさえて

私にしては珍しく、今季はドラマを一つも観ていない。
アンメットや9ボーダーなど気になるドラマはある。
あるんだけど、なかなか観る時間がとれない。

時間がとれないって変な話。
失業中で、今までになく時間があるのに、ドラマを観る時間を取れていない。

理由は明白。
箍が外れたように本を読んでいるのだ。
どうやら私は0か100かの人間らしく、今までドラマ100だったのが、今は本100。

そして狂った

もっとみる
続|本を片手にたずさえて

続|本を片手にたずさえて

昨日の投稿のつづきのはなし。

「なに読んでんの?」
24時半。
かなり酔っぱらって、1人でギャーギャー騒ぎながら帰ってきた姉が、ソファーで本を読んでいた私のとなりにドカッと座って聞いてきた。
「村上春樹の、羊をめ…」「はぁ!?だるっ!!早く寝ろよ!!」
題名も聞かずに一蹴し、電気を消して部屋を出て行った。
真っ暗な部屋でため息をつく。
普段まともな人間ほど、酒癖がわるい。

「ずっと気になってる

もっとみる