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新しい本棚
浦和のアパートを離れた際、手持ちの本をすべて手放した。
私があのアパートから持ち出すことができたのは、レンタカーのヴォクシー1台に乗る分の荷物だけ。
なるべく短時間で積めるだけの荷物を積む必要があって、衣服や子どものおもちゃ、貴重品、思い出の品などを持ち出すだけで精一杯。
子どもの絵本で特にお気に入りの数冊だけを紙袋に詰めて、自分の本は持ってくることができなかった。
泣く泣く手放したもの。
大学時代から愛用していたデスク。
お友達が描いてくれた似顔絵。
20歳の誕生日に自分で買った、ガジュマルの鉢植え。
手に馴染んでいた調理器具。
少しずつ集めていた、陶器のお皿。
読むことができないことがわかっていて、
それでも惹かれて少しずつ買っていた、未読の本。
大学時代に買った本は実家に保管してあったからそれが不幸中の幸い。
だけど、どうしても手元に置いておきたくて持ち続けていた、森絵都の「みかづき」を置いてきちゃったのは痛かったな。
そんな感じで本がゼロ冊からの生活が始まったんだけど、実家から本を発掘したり、新しい本を買いあさったりするようになって、本が増えて。
本の管理に困ったので、実家から本棚を持ち出すことにした。
(実家ポテンシャル高い)
そんなわけで、我が家に本棚がやってきた。
この本棚はもともとは姉のもの。なんでだか忘れたけど途中から私のものになったやつ。
小学生の頃から使っていたのだけど、実家の部屋で、すっかり埃をかぶってしまっていた。
本棚に収められていたほとんどが児童書。
小学校高学年からは東野圭吾とか森見登美彦とかを好んで読んでたからそのあたり。あと恩田陸とか、有川浩とか。
それらをがーっと取っ払って、雑巾で拭き上げて綺麗になってやってきた本棚は、新しい居場所に収まって少し得意げに見えた。
そこにまた、本を並べる。
大学時代に買った特にお気に入りの本とか、最近になって買った本とか。
小さな段ボールからは溢れていたそれらだけど、本棚に並べるとまだスカスカだった。
それでも、家に本棚があるというのはやっぱりよい。
自分の好きな本が、一冊一冊並ぶ。
最近買っている本は、かなりラインナップも変化してきた。
それがまた面白い。
ここからまた、私の本棚を作っていく。
いつかこの本棚の本を、子どもたちも手に取って読んでくれる日がきたら、本の世界を共有するできる日が来たらとても幸せだなぁと思いながら。
その日まで頑張んなきゃと思いながら。
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