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本を片手にたずさえて

私にしては珍しく、今季はドラマを一つも観ていない。
アンメットや9ボーダーなど気になるドラマはある。
あるんだけど、なかなか観る時間がとれない。

時間がとれないって変な話。
失業中で、今までになく時間があるのに、ドラマを観る時間を取れていない。

理由は明白。
箍が外れたように本を読んでいるのだ。
どうやら私は0か100かの人間らしく、今までドラマ100だったのが、今は本100。

そして狂ったように村上春樹を読んでいる。
チェーンスモーカーの如く、次から次へと春樹を読む。


ドラマも好き。映画も好き。本も好き。

だけど今は、一文字一文字自分で文字を追い、ページを指でめくって自分で物語を読み進める、「本を読む行為」というのを最も欲しているんだと思う。

「読了」という一つの達成に固執しているのかもしれない。

だけど、だとしても、本の世界にのめりこんでいるとき、非現実の世界のなかで私は幸せだ。


今と、この先の数年。
私にとって、人生の山場というような時間を過ごすのだと思う。
全てを飛ばして5年後にタイムスリップできたらどんなに幸せかと思うけど、残念ながらこの毎日は自分で歩みを進めるしかない。

だから私は、その時間を本をたずさえて歩いていくことに決めた。
片手に非現実をしっかりと持ち、両足で現実を踏みしめて、歩いていく。

そうして歩いていけば、気がついた時にはきっと、全てを通り過ぎているんじゃないかとそう思う。



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