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「星の王子さま」の”言葉というものが誤解のもとだ”を自分勝手に解釈してみた件

① 文章(声-感情)―― 作者の想定と読者の受取りとの誤差あり
② 言葉のイメージ ≠ 一意的
―― 多種多様、かつ個人差あり

文章から受け取るイメージを数学的に表現してみました。実はこの数式に、自分が国語嫌いな理由が詰まっています。

書き手の表現したい感情を正しく受け取れる読み手がいるとすれば、それは奇跡だよ

文章はセリフも含めると感情情報がほとんど抜け落ちたものなので、①式のように(声-感情)としました。そうすると、書き手の意図した感情を汲み取ろうとした時、読み手は「多分こういうことなんだろう」と忖度するので下図のようにある程度の誤差が生じて、解釈の幅ができます。

声ー感情イメージ

あと、もう一つ問題となるのが②式の読み手の言葉に対して持っているイメージです。これは人それぞれの価値観がフィルターとなることによって、読み手の数だけの解釈が存在するという意味です。例えば、先ほど使った ”ある程度の誤差” の「ある程度」って具体的にどの程度を言うのか?とか、「ペットボトル」って容量がいくらのものを言ってるの?とか、読み手の頭の中に湧いたイメージで話というものは進んでいくはずです。なので、書き手が考えていることが上手く伝わっているどうかは、読み手との言語感覚の被り方次第ということになりますね。

③ 文章の解釈の広がり=(声-感情から生じる幅)×(価値観フィルター)

この2点のかけ算③式によって解釈の仕方は更に広がりを持ちます。そうなりますと、感情に関しては共感はできこそすれ、書き手と同じ感情を共有できる読み手がいるとすれば、それは奇跡という他ありません。「星の王子さま」に ”言葉というものが誤解のもとだ” っていうきつねの名言がありますけれど、自分はこの言葉の本質はそこにあると考えています。

ここまでだらだらと書いてきたことから不要な部分を削ぎ落としていくと、言いたいことがこんなたった一言にまとめられるんですから作者サンテグジュペリの洞察と訳者の表現力の合わせ技には思わずため息が漏れしまいます。逆に、言葉足らず過ぎて名言を名言と汲み取れないこともあるくらいですからね。

基本的に、NOTEで伝えるためには書くしかないわけなんですが、伝えようとしている時点で誤解を生むことが確定しているっていう、ある種の皮肉というか矛盾を抱えているんですよね。なので、自分の表現したい感情や感覚についてはなるべく誤差なく伝わるように、なけなしの表現力を総動員してやっております。書けば書くほど、伝えたいことを伝えるのってシンプルに難しいなぁと思う今日この頃です。

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