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リーダーの仕事は部下に気づきを与えること

部下の成長に必要なのは自らの気づき

部下の成長を願って熱心に教えようとするリーダーは部下思いの素晴らしいリーダーではあるのですが、その結果は期待以上になることはあまりないよう気がします。

新卒のように仕事のイロハを教えないといけない部下は別ですが、一定の仕事ができるようになった部下にまで細かい指示を出したり、手取り足取り教え込もうとすると逆効果になってしまう場合もあります。

部下に対して仕事を教えるだけでは、その場限りの解決策や情報を与えるだけになります。もう一歩進んで部下の成長を願うのであれば、部下自身の気づきを促すことが重要です。部下に気づきを与えることは、単に仕事を教えること以上のものです。

では、気づきとは何なのか?

気づきとは、自らの経験から学び、新たな理解を得ることです。リーダーが部下に自分の知識や情報を与えることは重要ですが、それだけでは成長は限られてしまいます。部下が自ら考え、自ら学び、自らの経験から気づきを得ることが、成長には欠かせないものです。

自分自身の成長過程を振り返ってみると納得しやすいかもしれません。上司の指示や知識を素直に聞いたおかげで成長できたという人は少ないのではないでしょうか。

上手くいかないことに直面し、なぜ上手くいかないのかを深く考え、調べものをしたり、人に相談したりするなどして一つひとつ課題を乗り越え、小さな成功体験を積み重ねて今の自分を作っていると感じるのではないかと思います。

では、部下に気づきを与えるためにはどうしたらよいのでしょう。リーダーが問いかけることが重要です。

なぜそのような結果が出たのか、どのようにして改善できるかを部下に問いかけ、部下が自ら考え、別の視点を得る機会を提供し、振り返りを習慣化させることです。失敗だけでなく、上手くいったことからも学び、次回に活かせるようにすることが部下の成長につながります。

具体的には、以下のような対応が考えられます。

●問いかけとフィードバック
部下に対して、問いかけを通じて自ら考える機会を与えます。なぜそのような結果が得られたのか、どのように改善できるかを一緒に考えます。フィードバックを通じて、部下の行動や結果に対する理解を深めさせます。ポジティブな点だけでなく、改善すべき点や学びがあることも共有します。

●経験の共有と振り返り
過去の経験を共有し、部下と一緒に振り返りを行います。成功や失敗から得られた気づきや教訓を共有し、それを次回の活動に活かす方法を考えます。部下が自ら経験から学び、気づきを得ることを促進し、振り返りや自己分析を行う習慣を育てます。

●成長の機会の提供
新しい仕事や責任を与えることで、部下に成長の機会を提供します。少し背伸びしないとできないタスクを通じて、同様に部下の能力を伸ばすサポートをします。上手くいかない経験からも学ぶ機会も与え、その経験を成長につなげさせましょう。

リーダーが部下に対して気づきを与えるサポートをすることで、部下は学習能力や問題解決能力を向上させ、成長することができます。ひいては、部下がより自律的に行動し、チーム全体の成果に貢献することが期待できるようになります。

まとめ

部下思いで親切なリーダーは部下が失敗しないようにアドバイスも含めて部下にさまざまな指示をしたくなりますが、部下はリーダーの言葉をそれほど真剣に受け止めていないものですし、自分自身の成長過程を振り返ってみても、自分で考える、気づくことの方が何倍も大事なことだと思い至るのではないでしょうか。

仕事のやり方として正解は明らかという場面は確かにありますが、はじめに答えを全部言ってしまうと部下は考えることを止めてしまいます。その状態が長く続くと、受け身になりますし、指示したこと以上のことは当然やらなくなります。

成果を出すことにせっかちなリーダー、部下のためだと悪気なく正解を先に言ってしまうリーダーは知らぬうちに考えない部下を自ら作り出しているのかもしれません。

授人以魚 不如授人以漁
人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける(老子)

最後までお読みいただきありがとうございます。

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