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ぐん税ニュースレター vol.33 page04 -マーケティングコンシェルジュ-

今回はデジタルマーケティングについて書こうと思います。これまでの基礎知識に比べるとやや実践的な内容にはなりますが、やはり奥が深いと言いますか、突き詰めれば終わりがない部分でもあり、業界や商材によって異なってくる部分もありますので基本的な内容を押さえていければと思います。まずはどういうものなのかを知り、自分達の事業に当てはめながら活用方法を考察いただけると幸いです。

デジタルマーケティングって?

文字どおりデジタルを活用したマーケティング活動のことですが、まずはマーケティングについて。
以前に「市場の動向や顧客ニーズを調査して戦略を練ったり、企業または自社製品の市場におけるポジションを定義したりすること」と解説しました。そうは言っても具体的に何をするの?という疑問が出てきますが、例えばアンケートを取ったり、イベントやセミナーで参加者とコミュニケーションを取って接点を作ったりして集めたデータを自社の商材開発や販売戦略に活かしていくことなどもマーケティング活動にあたります。

ですが、これらのデータを集めるために費用と時間をかけて一人一人に直接アンケートを取ったり、イベントに参加したり、セミナーを開催したりするのは大変ですよね。そこでそれらの活動を、デジタルツールを活用して効率化したものがデジタルマーケティングになります。
先述のアンケートの手法も色々あり、ここでは割愛しますが、やはりアナログ的な手法よりもデジタルツールの方が集められるデータの母数も質も上だと思います。(もちろん、生の声が大事な場合もあります)
そのデジタルツールにも今は様々なものがあります。なかでもポピュラーなGoogleアナリティクスについてまずは解説していきます。

Googleアナリティクス

ウェブサイトを活用したマーケティング活動をウェブマーケティングと言ったりもしますが、これもデジタルマーケティングの一種と言えるでしょう。ウェブサイトをどうやってマーケティングに活用するの?と思うかもしれません。たしかに情報を載せたウェブサイトを作っただけではユーザーのことはわかりません。ポイントはどのような人がウェブサイトを訪れ、サイト内でどのような行動を取ったかを分析することです。そのための最も定番(もはやスタンダード)なツールがよく聞くGoogleアナリティクスです。いわゆるアクセス解析が、このGoogleアナリティクスで可能となります。

Googleアナリティクスではユーザーのアクセス数、滞在時間、エリア、訪れたページ、男女比、年齢層、デバイスなどを数値で見ることができます。
例えばSNSやクチコミサイトなどに自社のウェブサイトの外部リンクをたくさん設置してアクセスがどのように変わったのかを調べて効果を確認するこができます。何時ぐらいにアクセスが多いのかがわかれば、その時間帯にSNS等で情報を発信する、などの方法が考えられます。エリア・男女比・年齢層がわかれば具体的な商圏やターゲティングが可能になります。アクセスは多いけれど滞在が短い、という場合にはウェブサイトの改善が必要かもしれません。デバイスの分析では、例えばスマホでの閲覧がPCでの閲覧よりも多いということであれば、ウェブサイトの使い勝手はPCよりもスマホでの操作を重視して設計することが有効でしょう。

Googleアナリティクス 画面イメージ

※Googleアナリティクスには従来のユニバーサルアナリティクス(UA)と新しいGA4という2種類のツールがあります。ユニバーサルアナリティクスのみ見ることができるデータなどもありますが、2023年7月でデータ収集のサービスが終了し、GA4に一本化されます。両方使える現在は移行期ということですね。
余談ですが、欧州をはじめ、こうしたデジタルツールを用いた個人情報の取り扱いの規制が厳しくなっているため、これらの問題をクリアするためにシステム自体が見直されGA4に移行したという経緯もあります。個人の特定はできずともアクセス情報は個人情報に該当するというわけです。

解析を補助するツール

Google Search Console

アクセス解析のスタンダードなツールであるGoogleアナリティクスでも多くの情報を読み取ることが可能ですが、その他のツールとあわせて活用するとより効果的にウェブサイトを分析することができます。
まずはGA4と同じくGoogleが提供しているGoogle Search Consoleです。サーチコンソールなので通称サチコというカワイイ愛称で親しまれて?います。コンソールと聞くと難しそうですよね。直訳よりは、機械の入出力装置としての意味合いのイメージが強いです。サーチという言葉から連想する方が簡単ですが"探索"つまり検索のことです。
Google Search Consoleを使うことで、ユーザーがどのようなキーワードで検索をしているのかがわかります。検索行動はユーザーが能動的にとっている行動です。つまりユーザーが興味を持っていることや何かの課題を解決するためのキーワードでもありますから、それらのワードやアンサーとなる情報がウェブサイトにあればアクセスの改善やエンゲージメントに繋げることができます。もちろん、それら全てを拾って、情報が散らかった脈絡のないウェブサイトになってしまっては元も子もありません。取捨選択をし、関りのあるワードをピックしましょう。

Google Search Console 画面イメージ

ヒートマップ

ヒートマップも言葉の意味で想像できるかもしれません。株でもありますよね。ヒートは「熱」、マップは「地図」、熱い場所、つまりウェブサイト内でどこがよく見られているのかを確認することができます。Googleアナリティクスやサーチコンソールでは文字化・数値化したデータ(またはそれをグラフ化したデータ)しか見られませんでしたが、ヒートマップを使えば、サイトに訪れたユーザーがどこをよく見て、どこをクリックしているのかが可視化されます。これによりサイト内でよく見られているコンテンツはニーズがあるが、ほとんど見られていないコンテンツは載せる必要がないか見せ方が悪い可能性がある、といったことが読み取れます。ヒートマップで見られるデータはマーケティング的な解析だけでなくウェブサイトのデザイン性や使い勝手、つまりユーザーインターフェース(UI)としての改善にも役立てることができます。

ヒートマップ イメージ (版権の関係でフリー素材画像にて)
サイト内でよく見られている箇所、クリックの軌跡などを確認できます

まとめ

何の根拠もなく個人のイメージだけで作ったサイトよりも、こうしたマーケティングデータを用いて制作したウェブサイトの方が、効果があるのは想像がつくと思います。
細かな設定方法は様々なウェブサイトで解説されていますが、アップデートにより画面や操作が変わったりもするので、実装の際には最新の情報(直近の更新記事)が掲載されているサイトを参考にするとよいと思います。公式の説明は小難しかったり、文字だけの説明だったりするので、個人的には解説サイトの方がおすすめです。
とは言うものの、デジタルに不慣れで初見で設定と解析をするのはハードルが高いかもしれません。解析は自分でするとして、実装はウェブ制作会社(または広告代理店等の専門業者)に依頼してもよいでしょう。←ご相談承ります!
ウェブ解析自体にも対応している業者もありますので、スキルに自信がなかったり時間が取れなかったりする場合にはレポートとレビューをもらって事業の参考にすることもできると思います。直接作業はせずとも、どういうデータがあるのかを知り、それを活かすことが大切です。

Googleアナリティクスとサーチコンソールは無料で使えるので、ウェブサイトを制作したら、まず実装してみてください。ヒートマップはいくつかの会社が提供しているツールがありますが、どこも機能を制限した無料版やプランに応じた有料版があるのが一般的です。まずは良さそうなものを無料でいくつか試して、必要な機能に応じてツールを決めてもらえればと思います。

マーケティング活用のためのウェブ解析の説明をしたところで、今後はあわせて活用したいウェブ広告やSFA/MAツール、営業プロセス(インサイドセールスやCS)などについても解説していきたいと思います。

当法人グループでは経営コンサルティングの一環としてマーケティング、メディア活用、プロモーション等の活動を切り口にお客様の経営課題に取り組みます。お悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

マーケティング 原


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