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おとうさん地域猫
2022年7月31日 17:56
おとうさん猫がウチに遊びに来るようになったのは2020年の11月頃だった。どこでウワサを聞いたのか当たり前のようにベランダに座って待っていた。向かって左側に耳カットが入っていたので男の子だとすぐにわかった。薄汚れているが、わりと太め。すごく静かでおっとりしている。人間に慣れているのか、ひっかいたりシャーも言わない動じない男らしさが会って、おとうさんみたいだなと思った。な
2022年8月1日 16:05
実はおとうさん(猫)が来る一年前からうちに遊びに来ている猫がいる。サビ猫の親子だ。このサビ猫親子は地域猫だがMさんというおじいさんがお世話をしている。一見、外で過ごしているので地域猫だなぁと思うし地域猫なんだがもうMさんちの猫という認識でいいだろう。Mさんちの庭には二匹の素敵な小屋もあるし暑い日や寒い日は家に入れてもらえるし毎朝一緒に散歩をするらしいしなによりいつも庭でくつ
2022年8月4日 11:43
いつかバッタリと出会ってしまうだろうと思っていた。もともとブーコ(おかあさん)がウチに来ていたんだし、ブーコの縄張りだ。Mさんちの猫だと言ったって関係ない。おとうさんからすれば、新しく見つけた縄張りでお気に入りの場所になろうとしている。だって美味しいご飯がでてくるんだから。二、三日はうまく時間がずれていて顔を合わさなかったがついに対面することになった。おかあさんはとても
2022年8月4日 14:59
今まで何を言われても目を瞑り、顔をそむけ、じっとその場で我慢していたおとうさんだったが、だんだん腹がたってきた。少しでも動こうもんならおかあさんが「うごくなぁぁぁぁ」と喚き散らす。おとなしい優しいおとうさんを苛立たせるなんて。それだけおかあさんはしつこくうるさい。おとうさんの声がだんだんと低くなりケンカ口調になってきた。この二人を見ていると人間の夫婦を見ているみたいだ。夫が優
2022年8月6日 09:51
おとうさんとおかあさんが出会った。あれから二人は“どっちが先にここに来るか”みたいなそんな競争をしていた。おかあさんはわかりやすくベランダの塀から外を見渡す。「私が先に来てるんだから居る間は来ないでね」そう言っているようだった。対するおとうさんはというとおかあさんのことが気に入っていた。おかあさんのことを可愛いと思ってるのか場所というよりおかあさんに会いに来ていた
2022年8月10日 19:06
おとうさんと出会ってからいつか家族になりたいと思うようになった。こんなに懐っこくて、愛らしい子がひとりで外にいるなんて。だったら私が大切にしたいと思った。でも、おとうさんは本当に地域猫なんだろうか。本当にひとりぼっち?もしかしたら、Mさんみたいな人がブーコ(おかあさん)のように放し飼いにしてるのかもしれない。だって夜になったらどこかに帰っていくし、なによりわがままボディだ。
2022年8月11日 14:29
地域猫なのか、放し飼いの猫なのかしばらくはわからないまま。だけど毎日会いに来てくれるおとうさんを愛しく感じ、私を必要だと言ってくれているようで私も日々を頑張ることができた。あるとき、おとうさんがあくびをした。片方の犬歯がない。他の歯も少ないような気がする。実はとてもお年寄りなのか若いけれど歯磨きをしてないせいで歯が悪くなったのかケンカで歯が折れたのかわからない。だけ
2022年8月12日 12:27
ペット可の住宅に引っ越すまで家族に迎えられない。早くても引っ越すのは一年半後だ。これには理由があって息子が中学受験に挑戦していることこれが一番の理由だ。中学受験をして目指している学校に行く。目標を持って行動する息子は立派だ。家や場所にとらわれずに身軽に行動できるようにイジメがあって苦しい時に家のローンを気にせず引っ越せるようにそんな理由で賃貸物件を選んだ。今の物件
2022年8月13日 12:50
今は一緒に暮らせない。だったら今の私にできることをする。まずはご飯。カリカリじゃなくてウェットタイプのツナみたいなやつをたくさん買った。おとうさんは歯が少ないからだ。食べやすいものをたくさん食べてもらおう。せめて食事くらいお腹いっぱい楽しめたらいい。地域猫だからってなんでも食べるわけじゃない。ウェットタイプのものでも味が違うらしく、気に入らないものは食べない。有名なメーカー
2022年8月20日 15:39
おとうさんは地域猫だ。本当なら耳の中を掃除して、シャンプーして、お薬を付けて、ブラッシングをしてノミ・ダニの煩わしさから解放してあげたい。ふわっふわにしたい。私はできることとしてノミ・ダニ駆除薬とブラッシングをすることにした。今は当たり前のようにブラッシングを堪能してから部屋に入り、身体をコロコロされながら喉を鳴らし好きなだけ甘えてご飯を食べてから帰るおとうさんだがブラッシング
2022年8月21日 15:37
おとうさんは静かだ。私とはじめて出会ったときも、おかあさん(ブーコ)にキレられて嫌な気持ちになってもなかなか声を出さない。一生懸命に敵じゃないよ大好きだよとまばたきをしてくれる。静かすぎて、ベランダに来ていても気づかない。「ご飯ちょうだい」なんて言わずにただじっと扉が開くのを待ち続けている。たまに帰る音がして、来ていたことに気づくなんてこともある。そんなおとうさんは最近返
2022年8月25日 13:39
最近おとうさんは部屋に入れない。なぜなら息子が塾のオンライン授業をうけているからだ。おとうさんが部屋に入るととにかく尻をとんとんしてほしくて私は「ほらっとんとん!おとうさん気持ちいいかー?」とお祭り騒ぎで尻を叩く。それはもう強ければ強いほど喜んで腰を低くしすぎて転がって「キャッキャッキャッ」と言う。とにかく騒がしくしてしまうので、真面目に勉強してる息子のジャマになる。
2022年8月31日 11:52
今日は、おとうさんがちゅ~るを初めて食べた日の話。私は準備が整う日が来たらおとうさんを家族に迎えるつもりだからおとうさんを抱っこ好きな猫ちゃんにしようと思った。おとうさんはおとなしいからむりやり抱っこしても「いニャーー」と言いつつガマンしてくれる。でもそれだとなんだか申し訳ないし、抱っこ=良いこと と思ってもらおうということで、抱っこしたらすぐにちゅ~るをもらえるシス
2022年10月3日 15:31
たくさん食べる子だった。ウェットタイプもカリカリもちゅ~るもなんだって用意したものを食べてくれた。そりゃあ好き嫌いっていうのはあったけれど代わりに違うものを出せば食べてくれた。よく食べて、食後に水を飲んで帰っていく。網戸が開いてれば部屋に入ってひと休み。それがいつものスタイルだ。いつものように遊びに来たおとうさんにご飯を出した。ウェットタイプは切らしていてカリカリしか