栄生の余生を永遠に 1
目の前は暗。漆黒に身を包むとはこの事だろう。
俺はもう力の感覚が無く、放心しきった身体には意識の礎さえ脆く崩れ去っていきそうだ。
自分ごとなのにも関わらず、それすら他人事に感じるのは何故なのだろう。
指先の第一関節すらぴくりと動かそうとも思わない。俺は本当の脱力感と言う物を、ここで知った。
無、なのだ。活力というのも、全て吸い上げられたような気分で、息を吸う事さえも忘れてしまっている。
血の気も引いたこの身体では何もできまいと、さながらその身から身を引く思いだ。
蝉のように、