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僕色百景

100
とりあえずやる気と勢いだけで100日継続して綴った風景です。
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#マッチングアプリ

第九十四景

第九十四景

マッチングアプリに慣れていない時は、Googleでセオリーみたいなものを結構調べた。その中に、告白するなら3回目だとか、そういう暗黙の了解みたいなものがあった。ほかにも顔出しをしていない人は顔面に自信がないや、新規会員マークのついてるうちに、自分の貰ったいいね数を増やしておくと、そのあとマッチングしやすいというものもあった。

厄介だったのは、3回目に告白しないと脈がないと思われるという定説だった

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第八十五景

第八十五景

伝えられないことばかりが性懲りもなくあふれ出す

駄作は全部置いてくから死にたくなったら歌えよ

~(中略)~

明日どれだけ面倒でも部屋の掃除をきちんとするよ

溜まった洗濯物を干してあなたを思って言葉を書くよ

暮らしがどれだけみすぼらしくて維持するだけで目が回っても

ただ受け入れるだけの掃除機と回り続ける洗濯機のように

好きな歌など聴けなくても会いたい人に会えなくても

行きたい場所に行

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第八十二景

第八十二景

マッチングアプリネタが尽きてしまって困っている。1ヶ月ほど付き合って別れてから、アポはしていない。1年くらいで15人だろうか?一人に絞ったり、コロナで中断期間があったので、実働8ヶ月くらいだと思う。

1ヶ月くらい前から、自分の本心に即して、再スタートさせたけど、上手くマッチングしない。

おそらく、「今は結婚を考えていない」という選択肢にしているからだと思う。それと、子供が欲しいか?については「

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第七十八景 マッチングアプリ大戦記 episode13.14.15

第七十八景 マッチングアプリ大戦記 episode13.14.15

「13人目 Aさん アラサー ?似」

いつも使っていたアプリに限界を感じて、違うアプリを使って初めて会った人。目だけ写真の人で、会ったらなんか変わるかなと思ったけど、おいしいパスタを食べることに終始集中していた。特に目立ったエピソードが無いので、これにて終わり。

「14人目 Tさん アラサー ?似」

この人も新たなアプリでマッチングして会った人。遠めの写真しか無かったけど、クラフトビールが好

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第七十三景 マッチングアプリ大戦記 episode12

第七十三景 マッチングアプリ大戦記 episode12

「12人目 Hさん ミドサー ?似」

傷心の僕は再び、アプリを開き、同じコミュニティに入っている女性を物色していた。なんのコミュニティかは忘れてしまったが、ある女性が目に留まった。

その女性はマスクをしていた。ここまでの経験から、鼻を含めてその下が隠れている女性の写真は信用してはならないと学んでいたが、ぱっちりとした二重と下瞼の感じが元妻と似ていたので仕方がなかった。

とりあえずいいねを送っ

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第七十二景 肉子ちゃんの話

第七十二景 肉子ちゃんの話

アプリでやり取りをしている人から教えてもらった「漁港の肉子ちゃん」という西加奈子さんが書いた本を読み終えた。人が面白いと教えてくれた本を読むのは結構好きだ。自分があまり読まない系統の本であればあるほど新鮮で、どんなところが面白いと思ったのか考えるのも楽しい。

「漁港の肉子ちゃん」は肉子ちゃんとその娘のキクりんを中心に話が進んでいく。

肉子ちゃんはとても太っていて不細工だ。太っているから肉子だ。

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第七十景 マッチングアプリ大戦記 episode11-4

第七十景 マッチングアプリ大戦記 episode11-4

対面よりは聞き取りやすいと思ったのも束の間、僕の隣の席に腕に入った墨を見せつけるような男と普通の男が入ってきた。常連らしく、店の人に態度がデカく空気が読めない酷いやつだった。自分の家のようにふるまい、大声で隣の普通の男と話すので、僕も声を張り上げなくてはいけなくなった。

ぬるくなった刺身を食べ、ビールを飲みほした。彼女は数センチ飲み物を残すタイプの人だったが、ビールが苦手なのにも関わらず、僕の好

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第六十九景 マッチングアプリ大戦記 episode11-3

第六十九景 マッチングアプリ大戦記 episode11-3

またねと言われたら、会わない訳にはいかない。彼女は家ではストゼロをよく飲むらしく、不味いと言いながらも飲むらしい。また家が駅から離れていていて、外に飲みに行くのは、職場の飲み会くらいということも言っていた。

それならいい機会だから、2回目のアポは外に飲み行くことになった。家まで、迎えに行こうとしたが、なんとか妹さんに送り迎えを頼めたようだった。

初回アポの1週間後に会うことが決まった。以前、僕

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第六十八景 マッチングアプリ大戦記 episode11-2

第六十八景 マッチングアプリ大戦記 episode11-2

雰囲気のある店内に足を踏み入れ、案内されたのは、半個室だった。周りが見えない方が落ち着いて話しやすくていい。僕はトマト系のパスタで、彼女はズッキーニが入ったパスタを頼んだ。

サラダ、飲み物とデザートの付く至れり尽くせりのセットメニューだった。知らない人と会うのが久しぶりであったため、どこかぎこちなく無難な話をした。ほどなくサラダが運ばれてきて助かったと思った。

何かを食べながらだと、ちょっとテ

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第六十七景 マッチングアプリ大戦記 episode11-1

第六十七景 マッチングアプリ大戦記 episode11-1

「11人目 Nさん アラサー 仲里依紗似」

10人目の人とやり取りをしている間の約3ヶ月間は他の人とはやり取りしていなかった。その後、コロナ流行もあり、一旦休止していたが、6月くらいになって再開して初めて会った人。

メッセージ交換や電話の中でマーベルが好きという話が出たので、マーベルには全く興味が無かったが、MCU作品を公開順に視聴しようとした。健気なもので、アマプラやディズニープラスの両方に

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第六十一景 マッチングアプリ大戦記 episode10-5

第六十一景 マッチングアプリ大戦記 episode10-5

アパートに彼女を送り届けたら、そのまま帰ろうと思ったが、名残り惜しくまた部屋に入ってしまった。おそらく好きになっていたのだろう。

彼女を後ろから包み込むように、足の中に入ってもらい、野球のアニメを見た。その逆に彼女の膝に頭を乗っけて、「帰りたくないよう」といじけるようなこともした。隙を見つけてはキスをした。

時間が過ぎるのはあっという間だった。これから3時間かけて、家まで帰らなくてはいけない。

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第六十景 マッチングアプリ大戦記 episode10-4

第六十景 マッチングアプリ大戦記 episode10-4

朝の支度をし、朝食は食べずに車の停めてある隣の駅まで電車で向かった。コインパーキングに停めた車に乗り込み、山形への一泊旅行がスタートした。車の話になった。僕は燃費が良ければそれで良いし、自動車税もあまり払いたくないので、軽に乗っている。しかし彼女のイメージ的には僕はマツダのデミオらしい。

運転している僕を気遣い、ナビがついているのにも関わらず、自身のスマホの地図アプリでエスコートしてくれた。寝る

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第五十九景 マッチングアプリ大戦記 episode10-3

第五十九景 マッチングアプリ大戦記 episode10-3

次は温泉旅行に行くことになった。なにかと旅行に誘いたがるのは、僕の趣味だ。1ヶ月くらい間が空いていた。蔵王温泉へ行くことになり、初めて行く場所だったのでとても楽しみだった。

出発の前日の夜に、彼女の家に泊まり、翌朝一緒に山形県へ向かうことになった。自宅から出る日の朝は、寒かった。時間が有り余っていたので、山形回りで福島へ向かった。

途中、お肉が有名なお店に寄った。焼肉定食を食べたのだが、とても

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第五十八景 マッチングアプリ大戦記 episode10-2

第五十八景 マッチングアプリ大戦記 episode10-2

2回目のアポの日時が決まるまで、頻繁に電話をした。日が変わるまですることもあり、本当に楽しかった。主に聞いたのは、その日の仕事の愚痴だった。職場に対して思うところがあるらしく、常に不満を漏らしていた。

週末は友達と飲む予定が多く、なかなか日時が決まらなかったが、今度はこっちまで来てくれることになった。またも泊りで飲み歩くことになった。

高速バスのバス停で彼女が来るのを待った。よく晴れた冬の寒い

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