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第六十七景 マッチングアプリ大戦記 episode11-1

「11人目 Nさん アラサー 仲里依紗似」

10人目の人とやり取りをしている間の約3ヶ月間は他の人とはやり取りしていなかった。その後、コロナ流行もあり、一旦休止していたが、6月くらいになって再開して初めて会った人。

メッセージ交換や電話の中でマーベルが好きという話が出たので、マーベルには全く興味が無かったが、MCU作品を公開順に視聴しようとした。健気なもので、アマプラやディズニープラスの両方に登録して見た。

ディズニープラスでは、ハルクとスパイダーマンが見れなかったような気がする。結局、「スパイダーマン ホームカミング」を見たところで面倒になり、それきりになってしまった。個人的には、ウィンターソルジャーと黒い服に身を包んだ女性が好きだ。名前を覚えていないのが残念だ。

もうひとつ驚いたのが、ハルクの変身前の男が、美男子からむさくるしい男に変わっていたことだ。とても残念に思う。変身前と変身後のギャップが良かった。

作品をじっくり見るような涙ぐましい努力もあって、アポを取りつけることが出来た。ランチでイタリアンを食べることになり、その日が来るまで、電話を数回した。このころから、会う前に少しでも相手のことを掴もうと、相手がOKなら電話をするようになった。

そんなこんなで、当日を迎えた。久々のアポで緊張していて、時間よりもかなり早く着いてしまった。その日の午後は、飲んだくれる予定でいたため、宿を取っていた。

例のごとく、図書館で時間を潰した。目についた本を適当に手に取ったが、落ち着かず、すぐに棚に戻したりする。それにも飽きて、カップで出てくるタイプの自販機で、コーヒーを買った。氷ばかりが入っていて、コーヒーが薄くなるような頃には、いい時間になっていた。

お店に向かう。梅雨の最中の晴れで、どこかムシムシしていたが青空が見える天気だった。お店に着き、お店の前で待っていると、LINEが来て、もうすぐ着くとのことだった。

待ち時間はいつも手持ち無沙汰になった。相手が来る方向を見るのも、どこか恥ずかしく、わざと反対側の方向を見たりする。と思いつつ、相手の来るであろう方向を見ると、おぼろげにそれっぽい人が近づいてきた。

茶色のワンピースを着ていた。ややぽっちゃりと自己申告していたが、僕の目にはぽっちゃりに映った。ただお顔が好みだったので、そんなことはどうでもよかった。約束の時間の前に来たので好感が持てた。なにより胸が大きいのがやばい。ワクワクした。

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