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『不安・ストレス「しんどい心」をスッと軽くする本 かるい運動からはじめるメンタル強化術』第1章・無料全文公開

1月31日発売の書籍『不安・ストレス「しんどい心」をスッと軽くする本 かるい運動からはじめるメンタル強化術』より、第1章「メンタル強化の第一歩「自分と向き合う」」を全文公開!

仕事・人生とメンタルの関係

●強いストレスの原因を知る

なぜ「メンタル」という言葉が、これほど世の中に広がったのでしょうか?

たとえば、仕事とメンタルは強い関係にあるでしょう。仕事で強いストレスを抱え、そのストレスからメンタル不調になり、会社に行けなくなった人も多いと、よく聞きます。

誰でも一度は「会社に行きたくない」と思ったことがあるでしょう。「今日から金曜日まで仕事か」と仕事のことを考え、憂鬱になりながら月曜日に朝の支度を済ませる。これは長期休暇の連休明けも同じような心境が強くなる傾向があります。

心の問題によって休職や離職にいたるビジネスパーソンが増加傾向にあり、2015年12月より、労働者数50人以上の職場でのストレスチェックが義務化されるくらい、メンタルヘルス対策として注目を浴びているのでしょう。

働く人が仕事への強い不満・悩み・ストレスを抱えたまま放置しておくと、うつ病などの原因になりかねません。会社側から従業員に対するメンタルヘルス対策が求められている昨今ですが、受け身のままでは会社側の対策を施す前に自分のメンタルが弱ってしまい、最悪の場合、休職や退職につながる可能性もあるでしょう。

厚生労働省による平成28年労働安全衛生調査(実態調査)によると、いまの仕事や職業生活に関することで「強いストレスとなっている」と感じる事柄がある労働者は59.5%と、過半数の労働者が「強いストレスがある」と回答しているのが見受けられます。

「強いストレスとなっている」と感じている事柄上位5位は、次のようになっています。1位「仕事の質・量」、2位「仕事の失敗、責任の発生等」、3位「対人関係」、4位「役割・地位の変化等」、5位「会社の将来性」。

実態調査の結果を見て私が感じたことは、主に仕事の質・量が個人の許容範囲を超えてしまい、焦る・仕事が手につかない・イライラするなど業務の遂行に支障が出てくるのではないか、ということです。そして、このような状態をそのまま放置していると、仕事の些細なミスから大きな失敗につながったり、チームや会社全体にまで影響が及ぶおそれもあります。これが原因となり、対人関係も少しずつ悪化したりするのかもしれません。

私が以前勤めていた職場の人の話をしましょう。

Aさんは温厚な性格の持ち主で、仕事の説明や普段の会話でも丁寧に接してくれる人です。しかし、Aさんが抱えている仕事の量が明らかに許容範囲を超えていました。そのため、時々イライラしていたり、相手がミスしたことについて、きつめに注意する(感情的に)。その結果、人間関係がギクシャクしていき、職場の雰囲気も悪くなっていた時期がありました。

普段は温厚な人でも、強いストレスを抱えていると人が変わり、周りに影響を及ぼすこともあるものだと知ったのです。

ストレスを抱えて自分の身体の余裕がなくなる前に、自分の身は自分で守る術を身につけていきましょう。

メンタルが弱くなるメカニズム

●体は知らないうちにストレスがかかっている

「メンタルが弱い」とは、「精神的に弱い」といった意味でも使われることが多いです。

相手からの言動や振る舞いによって、すぐに傷つく。相手の意見や考え方に、すぐに流されてしまう。人前で話すことに緊張しすぎる。仕事でミスをして、自信がもてなくなる。物事のよくない部分ばかりを見てしまい、ネガティブ思考に落ち込んでいく。

このような例はメンタルが弱い要素になり、誰しも少なからず当てはまることがあるのではないでしょうか。

現代は「ストレス社会」ともいわれ、心の健康問題は増える一方で社会問題化しています。その背景には主に、IT化による技術革新、終身雇用の衰退、それに伴う新たな人事評価雇用制度の導入、などといった変化がメンタルに影響を及ぼしているのです。

メンタルが弱くなる原因として、現代心理学研究科である川久保惇氏は、『2017年度 博士学位申請論文 メンタルヘルスの規定因と余暇による向上方略の検討』にて、次のように述べています。

〝リストラクチャリングやダウンサイジングによって自らの安定的な地位が確保されなくなってきたことも,労働者の負荷の増大につながっている(田中,2006)。管理社会,競争社会の中で,現代人は多くのストレスを抱えており,それが原因で「心の病」にかかる人が増加していると考えられる〟

出典元:著・川久保惇 2017 https://rikkyo.repo.nii.ac.jp
『メンタルヘルスの規定因と余暇による向上方略の検討』

補足として、ここでいう「リストラクチャリング」とは、企業が収益構造の改善を図るために、事業をもう一度組み立てて築くこと。いわゆるリストラです。

「ダウンサイジング」とは、機器やシステムなどの性能や機能を保ったまま、縮小・小型化・小規模化すること。規模を縮小することや、生産原価をコストダウンしたり効率化のために小型化することです。

つまり、働く人がリストラなど強い不安・悩み・ストレスを抱え放置しておいたままにしていると、次第にメンタルが弱くなっていくのでしょう。

私の意見としては、生活の質を落としたくないなどの理由から我慢して働くことも重要ですが、自分を守ることのほうが大事だと思います。我慢をしすぎたために、やがて心身に変調をきたし、休職や退職してしまうおそれがありますから。

強いストレスを抱えていると、たいていの場合、なんらかの症状があらわれるといいます。具体的には、憂うつな気分、物事に集中できない、夜眠れなくなる、などといった症状です。本人が自覚している以上に、強いストレスを身体に溜め込んでいる可能性があります。

大切なのは、ストレスが軽い症状のうちに、適切な対処法でストレスをやわらげることです。第3章で掲載している運動もひとつの手段であり、他にも、音楽や映画など自分の好きなことを楽しむことで、ストレス解消を行っていきましょう。

メンタル不調になるさまざまな原因

●メンタル不調は人間関係やコミュニケーション不足から

一般的にメンタル不調になる原因は、企業の「メンタルヘルス対策」意識調査からの回答によると、「職場の人間関係」「本人の性格の問題」「上司・部下のコミュニケーション不足」だといわれています。この調査結果では、メンタル不調の要因と思われる第1位「職場の人間関係」が54%も占めています。それだけ人間関係で悩んでいる人は、とても多いのだとわかります。

私も「転職しようかな」と迷っていた時期は、仕事自体のことよりも、職場の人間関係で悩んでいることが大半でした。仕事のストレスに耐えられても、人間関係のストレスに耐えることはつらいと思っていたくらいです。

第3位「上司・部下のコミュニケーション不足」では、人と話すことが面倒・苦手・ストレスになる、などといったことがあります。人付き合いが苦手な人は、職場の誰かと話すことだけでストレスを感じるのかもしれません。

一般的には、人に嫌われることを避けるために、相手に嫌われないように気をつかいながら話します。気をつかいすぎていると、徐々に人と話すことが面倒に思えてきて、苦手意識が生まれたり、ストレスになったりと、相手とのコミュニケーション不足に陥ると思うのです。

「話すことが面倒・苦手・ストレス」とは、見方を変えれば、長所になることもあります。聞き上手にうまくまわりさえすれば、相手の話をじっくり聞くことができ、相手から好かれやすくなります。

他にも、口数が少ないことは、失言が少なく選び抜いた言葉を話せることもメリットのひとつと考えると、短所を長所に変えることができますよね。

●他人の機嫌に左右されることも原因のひとつ

職場で一緒に働いている人がイライラしているとき、あなたはどのように思いますか?

たとえば、仕事で相手のミスに対して苛立った口調で指摘する。作業の一つひとつの動作で音を立てたりして、機嫌が悪いことを周りにアピールするかのように仕向ける

その人がイライラしていると、すごく気をつかうものでしょう。なるべく自分が巻き添えを食わないように、タイミングを見計らって話しかけたりします。

職場の人がきつい言い方で注意されているのを聞くと、自分までつらくなってしまい、心に負担を感じてしまうものです。つまり、周りの誰かが不機嫌でいると、自分もその人の負の感情に巻き込まれてしまいます。

誰かがイライラしていて、そのとばっちりが自分に来たとしても、「そういうときもあるさ」「自分は自分、相手は相手、自分の機嫌は自分で決める」などと割り切ることが大事です。しかし実際には、メンタルが弱まっている人は、そう簡単にはいかないものです。

では、どうやって、割り切った考えや前向きに捉えられるのでしょうか? 意外に思われるかもしれませんが、運動でメンタルを良好に保つことができるのです。運動とメンタルは密接な関係があり、運動をすることで不調などを解決する方法があるのです。

メンタルが弱くなる原因は「自尊心・自分軸・ストレス耐性」が低いから

メンタルが弱くなる原因として、自尊心・自分軸・ストレス耐性などが低い場合があります。

自尊心が低い状態とは、心の中にネガティブな発想が多い自分がいる状態です。
自分軸の低さとは、「相手に流される」「相手に振り回されて疲れる」といったものがあります。
ストレス耐性が低いとは、言葉によるストレスのことで、相手の暴言や失礼な発言で悩み、ストレスが溜まりやすいことです。

これらについて、ひとつずつ見ていきましょう。

●自尊心が低い状態

なぜ、自尊心が低い状態、または低くなってしまうのでしょうか。その答えは、過去にあなた自身が受け取った情報によって、自尊心が下がってしまったからです。ここでいう「情報」とは、相手の言葉・振る舞い・常識・習慣・教育・しつけなどです。これまでの人生で関わった人たち、親・友達・教師、会社の上司・同僚などに強く影響されています。

これらの外部の情報や環境によって、心の中に「自分は価値が低い」といった信念ができあがってしまっている可能性があります。

●自分軸が低い状態

自分軸の低さは、自尊心の低さとも関連しており、自分を認められないことが原因です。これには一例として、自分の好きな趣味や大切にしていることを軽く見てしまうことがあります。具体的にいうと、たとえば音楽が好きだとしましょう。自分にとって大好きなアーティストがいて、いずれもたまらない名曲ばかりで、心からエネルギーがわき、本当に大切な存在になっている。しかし、先の自尊心の低さから、親からの「期待されていない」言動や「自尊心が傷つく言葉」によって、「自分は価値が低い」「何も誇れるものがない」と勝手に思い込んでしまっている部分があります。

また相手の言動によって価値観が変わってしまい、その結果、相手の価値観に流されたり、振り回されて疲れてしまいます。そんな中途半端な生き方から徐々に自分軸がブレはじめ、これが自分軸が低くなっていく理由です。

●ストレス耐性が低い状態

ストレス耐性が低い人の特徴としていくつか挙げると、何かと人に合わせる、几帳面で責任感が強い、怒られるのを避けがち、逃げ癖がある、悩みを引きずる、マルチタスクが苦手な傾向がある、自分はかわいそうな人だ、自分は理解されない……など、あなたも当てはまることがありませんか。

何を隠そう、ここで挙げたものすべては、かつての私自身そのものでした。

以上、メンタルが弱くなる原因「自尊心・自分軸・ストレス耐性」の3つを見てきました。この3つを高めていくひとつの手段として「運動」があるのです。運動を取り入れることで、「自分を認め、肯定できる感覚。自分が有能であるという強い自信と、自分に価値があると思える」そんな自分に生まれ変われます。詳しくは第2章以降でお伝えしていきます。

逃げ道のない経済動物と君は違うんですから、
生きるための逃げはアリです。
逃げたことを卑下しないでそれをプラスに変えてこそ、
逃げた甲斐があるというものです。

『銀の匙』より 荒川弘(漫画家)

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第1章はここまで!
続きを読みたい方は、各電子ストアにて1月31日より随時発売になります。ぜひお買い求めください。
下記リンクはAmazonストアでの商品ページになります。書籍の詳細と目次もこちらからご覧になれます。
書籍『不安・ストレス「しんどい心」をスッと軽くする本 かるい運動からはじめるメンタル強化術』

■Kindle版(電子書籍)

■ペーパーバック版(紙)

■書籍情報

メンタル強化の第一歩は、かるい運動からはじまる!
あなたに合った最適な方法が見つかる6つの運動と小さな習慣。
今のあなたは、こんな悩みを抱えていませんか?
●仕事がつらい
●職場での人間関係がうまくいかない
●自分に自信がもてない

これらの悩みはストレスを感じてしまうもの。
軽い症状のうちに適切な対処法でストレスをやわらげ、メンタルを良好にもっていくことが大事です。その1つの解決策として、運動でメンタル強化ができます。

本書では、メンタル不調になる原因として、人間関係・コミュニケーション不足・他人の機嫌に左右されるなど、そのメカニズムについて見ていきます。そしてメンタル不調を良好にもっていくのに、いかに運動が大事かを説いていきます。
運動が苦手な人でも取り組みやすいように、かるい運動からはじめられる工夫も凝らしました。

さらに、快適な睡眠、未来の不安、嫉妬の感情、自分の好きなモノ(本・音楽・映画)など、日々の生活習慣と向き合うことでメンタルを整えることもでき、小さな習慣が武器になることも書いています。
実際に運動をはじめてメンタル不調が改善され、仕事や人生がどのようにして充実していったのかを、12人の体験談からヒントも得られるでしょう。

本書があなたにとって希望の兆しを見つけてもらい、前進する力になりますように!

【目次】

第1章 メンタル強化の第一歩「自分と向き合う」
第2章 メンタルと運動の関係
第3章 自分の気持ちが動き出す! 運動の弾みがつく方法
第4章 考え方の幅を広げる 小さな習慣でメンタルを強化する方法
巻末付録 運動でメンタルを克服した12人の事例

【購入者特典】

ストレスを行動に変える3ステップ メンタル回復ワーク

■著者プロフィール

櫻井誠一郎

「オトナかけっこ教室」主催者/「かけっこで自信を取り戻す」専門家
1981年大阪市生まれ。日本体育大学出身、体育学部卒業。13歳から28歳までの15年間陸上競技を続ける。種目は短距離走の100m。その後は陸上競技を楽しみながら走り、陸上競技に携わり続けている。競技引退後、仕事や人生での挫折・苦労・逆境から立ち向かい、「走る、体を鍛える」ことを通して壁を乗り越えた。自身が創った「オトナかけっこ教室」では、自分の体が成長していくことで実感できる「自分に自信をつける、自分のことが好きになる」というコンセプトを大切にし、楽しく走ることを心がけている。さらに、運動を通してメンタルがプラスに働くことを、「オトナかけっこ教室」の指導、マンツーマンレッスン、セミナーで伝えている。映画撮影の短距離指導にも携わり陸上監修も務める。

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