(連載112)映画祭のカーペットはレッドじゃなかった:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2021年
さてさて。
自分の映画(この言葉に未だに違和感があるが。)このドキュメンタリー映画が、その後どうなったのかを書こうと思います。
これの事です。
その前に、この一口に「完成!」と言い切るまでには、その直前までやる事が山のようにあったのでした。知りませんでしたが。汗
この作業はプロデューサー・サイドの事なので、私はほとんど何もしてないですが、たとえば、「映っている人のチェック」です。
普通の映画だったら、撮影の前にキャストの人と契約して、サインしているので、全く問題ないでしょうが、この映画はいきあたりばったりで、撮影時はそれどころではありませんでした。
当時は「とりあえず、何でもいいから、片っ端から撮影しといて〜」。。。みたいなノリだったと思います。
この「とりあえずの片っ端」が12年!
それが溜まりに溜まって、膨大な量になり、その中から監督のジェフが何度も編集し直して、やっと!
最終的な画像に映っている人が「出演者」となりました。
なので、一つ一つのシーンをチェックして、大きく映っている人と、今さらですが、コンタクトして、許可を得る作業が必要になります。
ずっと関係が続いている人だと問題ないですが、10年以上も経っていると、自分を取り巻く環境はかなり変わっています。
なので、SNSで調べたり、いろいろなツテで、手繰っていかなければなりませんでした。
また、まったく知らない人が画面で大きく映っている、という場合もあり、
「ここのルンナちゃんの隣にいる人は誰ですか? 」
「ぜんぜん知りません。」
というやりとりも、かなりありました。苦笑
万が一ですよ、自分は知らなくても、たまたま隣に大きく映っている人が、有名な〇〇な方だったら、ヤバい事もあるわけですよ。汗
なので、その辺りは細心の注意を払わなければならない、らしいです。
こういう途方もなく細かい仕事があり、このほかにも、音の著作権や、カラー調整などなど、それらすべて終わって、やっとの事、完成となるのです。
そして、作品ができたら、やっと発表!!!!!
、、、となるのですが、
映画の場合、それも時間がかかります。
自主上映の場合ですと、会場を借り、自分たちでプロモーションをやって、来れる人に来て、見てもらう。という事もありますが、
それが最終目標ではないわけです。
なんせ〜$$$$$$なので、もっともとたくさんの人にリーチしなくてはなりません。
なので、その後、何をやるかというと、映画の場合は、映画祭に応募するのです。
一口に応募すると言っても、これがまたものすごい作業が待っています。
世界中の映画際を片っ端から調べて、どういう応募条件なのかなど、細かい事をいちいちチェックして、条件が見合っているところに、応募します。
〜さすがにカンヌ映画際には応募しなかったですが。笑
これに合格パスすると、よく、丸々出品作品と書いてあるでしょ?
あの、輪っかがもらえるんですよ。
正式な参加作品であることを示すために使用される「Official Selection Laurel(オフィシャルセレクションローレル)」と呼ばれるものです。
で、その結果は???
幸運にも、いくつかのフェスティバルにひっかかりました〜。
たとえばですね、右の列に、ポーランドの野外映画フェス!!というのがあったのですが、、、
わぉ!!ポーランドといえば、「ロリータ」や「ローズマリーの赤ちゃん」などのロマン・ポランスキー!!
な〜んて、喜んで、ネットで見てみたら、
レストランの中庭のような場所での上映でした〜。涙
なんせ、考えたら、コロナの真っ最中でしたからね。そのせいだったのかもしれませんが、、、、。正直、プチ失望でしたが。
ニューヨークのブルックリンのフィルムフェスや、その他いくつかのフェスでは、ZOOM でのインタビューもありました。
一番、よかったのは、CAMM ( center for asian american midia)というサンフランシスコのフェスです!!
なんと、
ベスト・ドキュメンタリー賞をもらったんです!!!
これは快挙でした!!
なんせ、ここは、カリフォルニアでアジア系では、一番長い歴史(40年も!)をもつのフェスだったからです。
写真入りでこの映画を、いろいろと紹介してくれました。
あ、話がそれますが、
このすぐ上の写真ですが、これ、私の「50年後はこうなった」プロジェクトなんですよ。以前にも書いたのですが。
実家で同じ場所で同じポーズで50年後に撮影してみた。という、サーカスの見せ物小屋のようなものです。
ご覧になってない方で、恐ろしい現実が見たい方、是非こちらへ!!!!
お話をもどしまして、映画祭の続きです。
その他では、こちらは地元のロサンゼルスのフェス!!!
ここも、割と大きめの団体で、ロサンゼルス・アジアン・パシフィック・フィルムフェステバルというところ。
ラッキーにも、引っ掛かりました。地元なので嬉しかったです。
コロナ中でしたので、アメリカでは、ほとんどのフェスがオンラインのみでしたが、ここは、嬉しい事に、ダウンタウンの劇場で人数制限をしてリアル上映会を実施するとの事。
そして、「レッドカーペットをやるので、監督だけでなく、キャストの方も招待してください。」という事だった。
な、なにぃ〜!!
レッドカーペットですとぉ〜?
うわ〜〜あの、ロープがはってあって、人の列ができていて、ランウェイみたいなのがあって、キャストとそこを歩く!アレか〜い??
もう期待値はマックス!!!!
が。
行ってみたら、人の行列はありませんでした。(コロナだから?笑)
実際エスカレーターでした。苦笑
そして、カーペットはあったのですが、
赤じゃなくて、
グレーでした〜
ま、そんなもんだよな〜。人生ってさ。
白だと思えば、黒。
黒だと思えば、青。
青だと思えば、グリーンで、
レッドだと思えば、グレーなのさ!!!
なんだって、100%思い通りにはいきません。私の尊敬する大瀧詠一さんもよく言ってました。
( ( 期待は失望の母 ) )
だと。
そうだった、そうだった!
想像してみたまえ。
まあ、カーペットがあるだけ、よかったではないか?
赤いふかふかのカーペットを期待するなんぞ、ブルジョア趣味の愚骨頂!
それより、床があるだけも、まだ、マシだったのではないか?
沼じゃなくて、よかったわ。
っていうかー、
劇場というものがそこに存在してただけでも、ラッキーだと思いたまえ!
そして、この映画を上映してくれるだけで、ありがたいではないか?
そもそも劇場で上映なんて、最初っから、夢のようではないか?
もしかしたら、 これは夢? だったのではないか?
ふと目が覚めて、
「あ〜上映会の夢を見てたんだ!!」ってなってたかもしれない、、、。
などと考えていると、
もう、全てのことが、有難いと思えてきた。
現実にもどり、冷静に考えると、身分違いなオスカーやカンヌのレッドカーペットをイメージしてしまった自分が恥ずかくなった。
カーペットの色に失望しているなんて、 アンタ、いったい何様かい?
カーペットでも色々と、ランクがあるのだよ!
アンタには、ホームセンターに売っている「メーター売り」ので十分さ!!
はい。そうでした。
ともかく、今は、夢じゃなくてよかったです。
もう、それだけです!!!
〜〜〜〜〜以上、アメリカからの報告でした。
ちなみに、興味のある方がいらっしゃれば、ここで予告編が見れます。
さて???一方、日本では??
どうなったのでしょうか〜〜??????
次回に続きまーす。
お読みくださり有難うございました!
L*
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