見出し画像

【ビジョナリーカンパニー編1:未来を担う君へ】

 今回からビジョナリーカンパニー編のマガジンに入ります。これまで、5S、トヨタ生産方式/TOC、ドラッガーのマネジメント、管理会計とやってきましたが、今回は私自身さらに視座を上げることに挑戦したいと思います。一度は聞いたことがあるはずの、“ビジョナリーカンパニー ~時代を超える生存の法則~”について対話を使って、自分なりの解釈で解説をしていきたいと思います。

 
 ある日、入社20年になる健は工場長の哲也に呼ばれ工場長室に行く。健はここ数年、全社が注目する新規事業の計画・プロセス立ち上げをこの工場で行ってきた(並行して後輩の現場改善を指導)。これまでは課長がいて健は課長補佐として業務に従事していた。そして、立ち上げフェーズが終了するとともに課長は移動。その後任として選ばれたのが健であった。そして哲也から内示を受ける。

・・・・・

工場長からの呼び出し

🧒‍;失礼します。

👨‍🦳;おはよう。まあ、座ってくれ。最近、新プロセスの立ち上げはどうだい?

🧒‍;はい。設備導入は終了し、検収要件を確認するためのテストをしていましたがある程度終わりましたので、残り最終チェックをして来月か徐々にオーダーを受注しながら少しづつ、実生産に入っていきます。

👨‍🦳;そうか。課長の転勤の話は聞いているな?

🧒‍;はい。先日聞きました。これからってときだったので、少し驚きましたが。

👨‍🦳;まあ、ほかのプロジェクトもあってそっちに引っ張られたという格好だ。そして、ここに呼ばれているということは、わかるな。

🧒‍;はい。後任は私なのですね。予想はしていました。

👨‍🦳;そうだ。これから、君の部署は全社から注目されるだろう、相当なプレッシャーもかかるがやってくれるな?

🧒‍;はい。もちろんです。

ビジョナリーカンパニー

👨‍🦳;そうか。よし。であれば、一つだけアドバイスというか、課長になるにあたって少なくとも読んでもらいたい本があるんだ。ビジョナリーカンパニーという本だ。知っているかい?

🧒‍;本の名前は聞いたことがありますが、きちんと読んだことはないですね。

👨‍🦳;そうか、未来を担う君にはきちんと理解してもらいたい本の一つだ。今ここに本があるから渡そう。

🧒‍;(分厚い・・。。)哲也さんは読んだことがあるのですか?

👨‍🦳;ギクっ。

🧒‍;まさか。

👨‍🦳;って、んなわけないだろ。失礼な、これ王道古典だぞ。ちょうど課長になった15年前に読んで自分で解釈しそれを実践してきたつもりだ。

🧒‍;そうなんですか。確かに役員にまでなったお方ですし説得力あります。あ、そうだ。であれば、大変恐縮なのですが、内容を指導してもらえませんか?自分でも、もちろん読みますがが、解説してもらえるとすごくありがたいです。解釈も教えてもらって都度可能であれば実践した結果もフィードバックします。

👨‍🦳;その役員にいきなりお願いしてくるとはなかなかだな。まあ、いいだろうこれも大事な仕事だな。善は急げだ。今時間あるか、今日は最初の部分だけ少しだけ解説しようか。

🧒‍;おお、さすが即決。時間あります。ぜひよろしくお願いします。

👨‍🦳;そうか。じゃあ、座ってくれ。

🧒‍;ありがとうございます。課長になった時に読んだって一定ましたが、この本はいつの本なんですか?

👨‍🦳;ビジョナリーカンパニーは、ジェームズ.C.コリンズ著で25の言語にも翻訳された超ヒットビジネス書だ。なお、著者はマッキンゼー出身だ。Wikiのリンクを張っておく。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BBC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BA

この本は、1995年に発行されたんだ。昔からから有名な本でなおれが読んだのは、発行から10年経ったあとだったけど、勢いはまだまだあった。世界中の経営者たちが読み漁っていたと当時きいて、興味本位で手に取ってみたんだ。実際に本の冒頭でもこう書いてあるんだよ。

この世のすべての経営者、経営幹部、起業家は、本書を読むべきである。取締役も、コンサルタントも、投資家も、ジャーナリストも、ビジネス・スクールの学生も、この世でとくに長く続き、とくに成功している企業の特徴に関心があるすべての人は、本書を読むべきである。

そして、タイトルが、ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則だったからさ。読むしかないわな。

🧒‍;なるほど、気持ちわかります。これって、企業として書いてあるけども、組織全般の本質について書かれた本なのですね。そうなると、課長として自組織をどうしていくかのヒントが書いてある気がします。

👨‍🦳;そう。課長になるとさ、すべての責任を負うことになる。決断の回数が圧倒的に増えるんだ。やっぱり最初は不安だったさ。その時さ、何かヒントになるものはないかって探してたわけだよ。

🧒‍;でも、なんでこの本なんですか?この本は何がそんな特徴的なのですか?

👨‍🦳;とにかく、卓越し続けた企業を長く、深く調べた本なんだ。たぶん当時としては、初めての試みといえる調査規模だったのではないかな。具体的には、設立年が平均で1897年という、長年トップランナーであり続けした企業を選び出し、設立から当時に至るまでの発展の軌跡を調査したんだ。

🧒‍:1897年創業が平均?100年の歴史をその対象企業に対して調べたということですね。そりゃすごいですね。

👨‍🦳;そう。そして、さらに、同時期に創業したが、同じようには成長できなかった別の優良企業と比較分析したんだ。それは、創業から中小企業期、そして大企業に発展してからまでだ。比較することによってより鮮明に本質が見えてくるんだよ。

🧒‍;1897年から100年というと、戦争もあったし世界恐慌もあったわけですね。そこをどう乗り切ったかを調べたのですね。なるほど。

👨‍🦳;そして、ここが大事なんだけども、著者たちは、この調査プロジェクトを通して、「真に卓越した企業と、それ以外の企業との違いはどこにあるのか」と問い続けたんだ。

🧒‍;本質を見極めたいということですね。

👨‍🦳:そう。そして、この調査が進むに従って、今日の「新しい」経営手法も「革新的な」経営手法も、決して新しくはないことが明らかになったんだ。

🧒‍;新しい経営手法、革新的経営手法が、新しくない・・?ちょっと言葉が矛盾していますが・・どういうことでしょうか。

👨‍🦳:つまりさ、従業員持ち株制度、権限の委譲、不断の改善、総合的品質管理、経営理念の発表、価値観の共有といった今日の経営手法の多くは、昔からあったまった慣行を新たに言い換えたものにすぎないってことがわかったんだよ。

🧒‍;100年も前のものと1990年代の経営が一緒ということですか。。。

👨‍🦳:そうだ。そして、それよりも大事なことがあるんだ。それは、当時、広く信じられている神話が十二も覆されたということだ。

🧒‍;神話・・・。

👨‍🦳;そう。イメージ含めてわかりやすいからこれからも神話という言葉を使っていくよ。それはこれからの本章で内容がでてくる。ただ、調査進めるにおいて、これまでの先入観や「常識」に反するデータが、次々に集まってきたかたようで、だいぶ調査中も方向を見失いかけたみたい。

🧒‍;本当かと疑いたくなったということですね。でも、先入観や知識を捨てなけきゃ、新しい概念をなんて出てこないし、本質は見えてこないですもんね。

👨‍🦳;たけども、真実を見極めるって本当に難しから、かなり慎重に調査をして時間をかけて進めていったようだ。結果、この調査は、六年かかったらしい。

🧒‍;6年って。すごいな。そりゃ特別な本になります。積み上げの質と量がほかの本とは違うのですね。

👨‍🦳;そう。本人も本の中で「そうするだけの価値はあった。」といっているよ。そして、最も重要なこととして、下記を言っている。

わたしたちの調査結果を振り返ると、あるひとつの大きな結論が何よりも強く印象に残る。「卓越した企業を築くにあたっては、だれでも主役になれる」。どのようなレベルの管理職でも、大多数が、これらの企業から教訓を学び、それを活かせるのだ。たぐいまれな資質と神秘的な力を授けられた指導者がいるかどうかで、企業の運命が決まる……。そう考えられているが、企業の活力を奪うこの考え方は、永遠に消え去った。

🧒‍:なるほど。企業の活力を奪う考え方・・。カリスマに頼ることは短期的な繁栄であり、誰でも主役になれる環境を作れと。

👨‍🦳;そしてだ、こうも言っている。

本書のなかにある教訓は、「自分には関係のないもの、とても活かせないもの」ではないと、自信と意欲を持ってほしい。だれでも、教訓を学べる。だれでも、その教訓を活かせる。だれでも、ビジョナリー・カンパニーを築けるのである。

🧒‍;今の私にはすごく勇気がでることばです。常に自分に置き換えて学んでいきたいですね。

今後の投稿

👨‍🦳;そうだ。これから定期的に上述の話を章ごとに具体的に砕いて話をしていくぞ。なお、この本は、下記のような章立てになっている。

第一章: 最高のなかの最高
第二章:時を告げるのではなく、時計をつくる
第三章:利益を超えて
第四章:基本理念を維持し、進歩を促す
第五章:社運を賭けた大胆な目標
第六章:カルトのような文化
第七章:大量のものを試して、うまくいったものを残す
第八章:生え抜きの経営陣
第九章:決して満足しない
第十章:はじまりの終わり

 これから各章の解説が数回に分かれるときが多いと思うがが、それはそれで、フレキシブルにいこう。常に自分の解釈、自分だったらどうするかを回答してくれよ。次回は、ちょっと今回の内容と重なるところがあるけども、より、だれを対象にどんな調査を行ったかという部分を解説する。そして崩れた神話の話もする。

🧒‍;ありがとうございます。わかりました。どうぞ、よろしくお願いします。

・・・・・・・・・

 今回はビジョナリーカンパニーの第一回目ということで、内容の導入と章立てについて解説をしました。次回から、各章ごと進んでいきたいと思います。この本のまとめはいくつかあると思いますが、このマガジンでは、回数を重ねてじっくり読み進めていきたいと思います。間違いなく全10回以上のマガジンになると予想されますが。毎日少しづつでも投稿していく目標ですので、これを機に内容を確認したいという方、ぜひフォロー、スキお願いいたします!

続きの内容は下記です。


また、下記にこれまで作成した別マガジンを記載します。ぜひ覗いてみてください。

#製造
#理論と実践
#ものづくり
#成長
#5S
#トヨタ生産方式
#ジャストインタイム
#自働化
#リーンプロダクション
#ザゴール
#制約理論
#ドラッガー
#ビジョナリーカンパニー
#アドラー
#コーチング
#情報リテラシー
#要件定義
#会計
#損益計算書
#決算書
#損益分岐点
#原価低減
#平準化
#推薦図書



この記事が参加している募集

推薦図書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?