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#働き方の哲学から学ぶ「キャリア」

東海ヒトシゴト図鑑(「東ヒト」)では、「自信を持ってローカルキャリアを歩もう」を合言葉に、主に愛知・岐阜・三重の挑戦を続けている「人や企業、仕事」を紹介し、イベント・プログラムを通して地域と若者をつなげています。

キャリアってひとことで言ってもキャリアという言葉の捉え方はきっとさまざま。

多くは、「ハイキャリア」や「キャリアウーマン」(今ってキャリアウーマンてあまり言わない・・・?)「キャリア採用」は仕事一筋で、仕事での成功に重きを置く印象。

上記に近いですが、多くの人はきっと「キャリア形成、キャリア選択、キャリア診断・・・」といった言葉が世の中にあるように、「仕事」と捉えることが多いのではないでしょうか。

東ヒトも「ローカルキャリア」という言葉を使います。しかし、ちょっと意味は違います。今回はそんなお話。

「キャリア(career)」にはさまざまな意味が含有されている

キャリアの語源はラテン語のcarraria。これは、荷馬車や四輪の荷車の通り道、轍(わだち)を意味します。それが次第に、人のたどる行路やその足跡・経路・遍歴を意味するようになり、そこから人生の多くの時間を費やす「仕事・経歴・職」の意味合いが強くなっていきます。

日本キャリア開発協会より引用

キャリアという言葉には、仕事や職・経歴を第一想起する人も多い中、経歴や生涯といった意味も含む、幅広い言葉なのです。

東ヒトが考えるローカル「キャリア」は、生涯・人生の道筋といった意味に近く、奥行きや広がりのあるものであると捉えています。

東ヒトが考える「仕事観」と「キャリア」とは

G-netではコミュニケーションツールにSlackを使っているのですが、先日slackで『働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える』という著書で紹介されている考え方に関する投稿をしているスタッフがいました。「これはまさに、東海ヒトシゴト図鑑が大切にしたい考え方だなあ…」と思ったので今日は一部引用しながら東ヒトが大切にしている想いをご紹介します。

『働き方の哲学』では下記のような図で「仕事」という言葉が持っている広がりを整理されています。仕事は単純に「働く・労働」のほか、仕事を軸に人生や社会への奥行き・広がり・つながりがあるという考え方です。

村山昇(著)、若田紗希(絵)(2018)『働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える』ディスカヴァー・トゥエンティワン より引用

日ごろの職場で、「仕事」という言葉は実に幅広い意味で使われています。(中略)
こうした意味的な広がりを持つ仕事について、ヨコ軸に仕事がなされる時間の長さ、タテ軸に仕事をやる動機の質の違いを置き、平面的に並べてみたのが次の図です。

村山昇(著)、若田紗希(絵)(2018)『働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える』ディスカヴァー・トゥエンティワン より引用

働く・労働と捉えるだけなら、それは作業だったり単調な業務、こなすだけのものとなりがち。「仕方なくやる」だけのものに終わってしまいます。仕事を、挑戦や人生における使命と捉えた場合、それはライフワークだったり夢を実現すること、希望、やりがいに昇華します。働くことへの動機づけが外部要因ではなく内部から湧き出てくるように設計されています。

東ヒトでは東海地域で挑戦し続けている企業を事業の挑戦性・組織の柔軟性・人の魅力という3つの基準で選定した「認定企業」のみを掲載しています。認定企業は売上規模が大きかったり、有名な商品・サービスを持っていたりする企業だけではなく、事業に対して・組織に対して「より良くしていきたい」「社会に対して価値を提供できる会社でありたい」という想いを持って取り組んでいる企業です。

これはまさに「使命」であり、「可能性への挑戦」であると信じて取り組んでいる姿勢なのだと思います。「"湧き上がってくる"動機」を胸に挑戦を続ける姿勢自体がカッコよく・おもしろい。そんな企業・人と出会うと、自然と共に挑戦したいなと思うようになるから、丁寧にその「動機」に耳を傾け、奥行きや手触りを大切に記事を作っています。

そしてこれは働く人にとっても大切な要素だと考えています。仕事を通じて若者に自分らしい人生を歩める・納得できる選択をするために「なぜ働くか?何のために働くのか?」を自分の中で見つけてもらえるようなお手伝いをしたいんです。

『働き方の哲学』と同じ著者による『キャリア・ウェルネス「成功者を目指す」から「健やかに働き続ける」への転換』の中では、これをもっと分かりやすく、3つの分類でキャリア観を整理しています。

キャリア観の3つの分類

人生100年時代のキャリア観
「成功のキャリア観」
「自己防衛のキャリア観」
「健やかさのキャリア観」

村山昇(2021)『キャリア・ウェルネス「成功者を目指す」から「健やかに働き続ける」への転換』日本能率協会マネジメントセンター より引用

「成功のキャリア観」は、まさに冒頭のような「ハイキャリア」や「キャリア採用」、キャリアを積み重ねる」といった言葉で表されるような、競争・勝ち負けとを重視するとのこと。
働くことへの動機は相手からの評価や容認、賞賛といった外部要因ですね。

頑張り続けて何かの節にエネルギー切れになるリスクもあれば、働くことへの動機を自身でコントロールしているのではなく外部要因に左右される場合が大いにあります。

「自己防衛のキャリア観」は、淡々とこなす、波風を立てずに業務をこなす働き方だそう。できる限り省エネで楽に終わらせることを考えます。

仕事以外に自分だけの趣味や楽しみに比重を置きたい方にとっては適した選択かもしれません。

東ヒトが目指したいのは3つめ。「健やかさのキャリア観」です。

仕事を通じて健やかなライフ&キャリアを結びつけ人生を歩んでいくもので、まさに「自分らしい」を表現する手段として仕事を考えるというもの。
自分が人生において成し遂げたいこと・やりたいことを仕事という手段を使って実現していくイメージで、仕事へのモチベーションや動機は自分発
動機は内部要因になるため外部に左右されずに、自分のペースやリズムで進めていけるのも特徴ですね。

どれも人によって選択は自由ですし、その人に合ったキャリア観に沿って進めば良いと思いますし、年齢や環境などライフステージの変化によって、どんなキャリア観を持つのかグラデーションの濃さは変わることもあります。しかしせっかくの人生において多くの時間を費やす仕事は、自分らしい在り方で選べると良いのではないでしょうか!

編集部の一人は、元々「成功のキャリア観」を色濃く持っていたと錯覚していましたが、年齢や仕事を重ねていくうちに自分らしさが顔をにょきっと出し、自分の人生において成し遂げたいことをベースに自由に仕事をするスタイルになっています。

今日の記事で紹介した著書はこちら。おすすめです👇

東海ヒトシゴト図鑑について

東海ヒトシゴト図鑑は「自信を持ってローカルキャリアを歩もう」を合言葉に、愛知・岐阜・三重の「共に挑戦したくなる地域企業」を紹介する情報ポータル。企業・人・仕事とつながるイベントやプログラム、教育機関と連携した授業運営などを行っています。

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