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【KANさん追悼】弱い女の固い意志

記事のタイトルはもちろん、1993年の8thアルバムタイトル『弱い男の固い意志』より。


🎹みんなに愛されていたKANさん

シンガー・ソングライターのKANさんが今月12日に亡くなっていたことを所属事務所が公式サイトで17日に発表しました。
61歳でした。
2023年3月には『メッケル憩室がん』を患っていることを公表し演奏活動を休止していましたので、闘病していること自体は存じていました。
もう新曲が聴けないと思うと悲しいです。
心よりご冥福をお祈りします。

KANさんと言えば楽曲『愛は勝つ』がやっぱり有名で、これはこれで超名曲であることに異論はありませんが、『愛は勝つ』しかご存じないという方は人生の9割くらい損してると思います。

『愛は勝つ』なら近年の、『第9(歓喜の歌)』のモチーフを引用したバージョンが好きです。
期間限定公開の動画でしたが今も特別に公開されている模様。

昨日17日、Twitterのトレンド1位はかなりの長時間に渡って「KANさん」でした。
試しにTwitter内で「KAN(さん)」を検索してみてください。
つんくさん、ASKAさん、きゃりーぱみゅぱみゅさんといった大物アーティストから、果ては「オーケストラ・アンサンブル金沢」や「くまモン」の公式アカウントまでが追悼ブログやコメントを発しています。

KANさん自身の手による丁寧な編曲のセルフカバーアルバム
『la RiSCOPERTA』(2018年)。
弦楽四重奏とともにレコーディングに挑むKANさん。

他にもミスチルの桜井さんやaikoさんに平井堅さんなど、KANさんのファンであることを公言している方はたくさんいます。

というわけで、著名人から私のような一介のファンの方まで、多くの方がKANさんのブログを書くと思います。
既にいくつもヒットします。
ですので、私は私らしくというか、とてもKANさんのすべてを一気に語ることはできないので、「こんな曲もあるよ」というのを知っていただくために主に2曲だけご紹介して簡潔にまとめるべく筆をとっております。

山崎まさよしさんとKANさんのコラボ「YAMA-KAN」(2018年)。
山崎まさよしさんの「やめましょう」がツボる笑💧
失恋ソングに『記憶にございません』というタイトルをつけるのもKANさんらしい。

🎹SAIGON

まずは、1998年の11thアルバム『TIGERSONGWRITER』に収められた楽曲『SAIGON』

KANさんのオフィシャルサイト
そして世界の子ども達と大合唱する『Heal The World』を目標に作ったのが『SAIGON』。
とあるように、マイケル・ジャクソンさんの「Heal The World」を想起させる壮大なバラード曲です。
曲は8分近くに及び、英語の歌詞部分も登場します。
ビリー・ジョエルさんの「Goodnight Saigon」の影響も感じられますね。
サイゴンはベトナム南部の都市ホーチミンシティの旧名。
ですからもちろんこの楽曲は、ベトナム戦争(だけではなく「戦争と平和」)がテーマです。
「赤い情熱は想像を超えて五十の星を砕いた
そして僕たちは 何と戦い 何を奪い 何を失ったの」
という力強いメッセージ性を持つ歌詞もあります。

この曲の発表から25年経った現在もなおウクライナやパレスチナのガザ地区などが悲惨な状況であることを思うと、改めていろいろと考えさせられます。

他にも
「日本がずっと平和なまま続いていくとは限らない
だから今この普通の日々を大切に生きる」
「遠くで起きてる戦争はいつ終わるのかもわからない
せめて僕らはずっと互いを許し合い生きよう」

(下でご紹介するアルバム『遥かなるまわり道の向こうで』に収められた楽曲『世界でいちばん好きな人』より引用)

のように、KANさんの歌詞には時々、社会性を感じさせるメッセージが出てくるんですよね。
ご存じでしたか?

KANさんの公式YouTubeアカウントで多くの楽曲が聴けますので、この機会にぜひチャンネル登録してご鑑賞ください。

🎹RED FLAG(一般道路速度超過)

続いてご紹介するのは、2006年の14thアルバム『遥かなるまわり道の向こうで』に収められた楽曲『RED FLAG(一般道路速度超過)』

この曲は歌詞のストーリー的には、1999年の12thアルバム『KREMLINMAN』に収められた楽曲『WHITE LINE〜指定場所一時不停止〜』の続篇となっています。

交通違反で切符を切られる悲哀を歌った楽曲で、
警官が揺らす大きな紅い旗にビックリしたできごとを描いている
…のですが、
「最初に言っておくがこの歌詞に政治的な主張などはない」
と冒頭で断った上で、実はこんな歌詞が出てくるのです。

「RED FLAG それがいつの日か完全に崩壊した世界は
秩序もなきゃモラルもない お金がすべてのルールレス
RED FLAG 今こそ沈着に大きく揺らせ紅い旗
食い止めるんだ 押し寄せくる『自由』という名のアメリカ化」

あまりこの記事で私の政治的主張は書かないようにしたいですが、
このような詞を2006年の時点で歌に盛り込んでいたKANさんの
先見の明はかなりのモノ、と感嘆せざるを得ませんね。

🎹予兆

2002~2004年にはフランスに音楽留学もしていたKANさん。
最近になって、フランス帰国後の楽曲についてはサブスクも解禁されました。
KANさんと近しかった馬場俊英さんのオフィシャルサイトには以下のようにあります。
11/3のKANさんのXアカウントからの投稿では、
ご自身の楽曲を広く開放したことを告げられ、
同時に、たぶん残っている気力を振り絞って、
あの橋の下のタワーブリッジの写真を選び、
KANさんらしくファンの皆様に
最後のメッセージをされたのだと私は感じました。

そんな馬場俊英さんとの共作『ロックンロールに絆されて』の歌詞。
「どんな人生と問われれば 迷わずにこう言える「最高です!」
胸を張って誇れるのは ジョンやポールと同じ職業
なあ凄いだろう」
「この先あと何曲くらいオレは歌をかけるだろう
この先あと何回くらいオレはステージに立てるだろう
ロックンロールに絆された 人生気がつきゃ残りはチョイ
この期に及んで守るべきものはない
家族以外に
それがロックンロール」
(2016年(KANさん53歳)の16thアルバム『6×9=53』に収録)


KANさんの最後のツイートは11月7日、The Beatles の新曲『NOW AND THEN』についてでした。
今聴くとまた違う感慨を持ちます。

🎹おわりに 唯一存在の意義です

キリがないのでそろそろまとめましょう。
私はボカロなども好きでよく聴きますけれども、KANさんの楽曲には知れば知るほど、今はやりの曲にはない種の音楽的な深みと重厚さを感じます。

さて、先にご紹介したアルバム『TIGERSONGWRITER』に収められた楽曲『Songwriter』のラストの歌詞が私は好きです。

「I'm a songwriter.
ピアノをたたき繰り返す表現のみが唯一存在の意義です」

私もKANさんを見倣い、
コレが私の唯一存在の意義だと自信と誇りを持って、
自分の人生を胸を張って「最高です」と言い切れるように、
日々の学びや発信をこれからも続けていきたいと思います。


57歳にしてめっちゃ踊るKANさん。
最後のアルバムとなった2020年の17th『23歳』より、『ポップミュージック』。

KANさんが歌うスピッツの『チェリー』。
ちなみにスピッツの『正夢』という歌には、「愛は必ず最後に勝つだろう」という歌詞が登場します。

🎵よければこちらもどうぞ。(動画紹介だけの短い記事です)


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