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銀色の缶
2021年2月4日 21:27
ビオレの化粧落としがあと3枚になった。拭き取るタイプの化粧落としは、あの人の家の近くにあるコンビニで買った。10枚入りのその化粧落としが無くなったら、この名前のない関係は終わりにしようと、残り5枚で決めた。付き合うきっかけはちゃんと告白であるべきだという理論は持っていない。だけど、この宙ぶらりんな状態は、やっぱり29歳の年齢的に都合の良い関係に考えてしまう。今日もお酒を一緒に飲んで、彼の家に
2020年7月12日 23:48
いつもよりあつい夏。毎年そう思ってて、本当は何にも変わらない夏なんだ。通勤で使うバスも、休日になると乗車する人も、空気も違う。ギンギンにきいているクーラーはとても気持ちが良い、きっと途中で寒いと感じるのだろう。バスの中からゆっくりと見渡す街。こんなに落ち着いて見渡すと、あんな店あったんだ、などの気づきがあった。ゆっくり見ると、この道は通勤だけじゃないときに来ている、懐かしい感覚。耳元
2020年7月10日 08:17
金曜日、街には人が遅くまで集まっている。今日はそんなに急ぎの仕事もないし定時に上がれそうなんて思ってたのに、終わりかけでいつも仕事を頼まれる。断れないのが一番悪いのはわかっている。そういう日に限って、人と約束をしていたりなんてことはしょっちゅうだ。 スマートフォンを開いて、"ごめんもう少しかかりそう"と待ち合わせの時間。"大丈夫、ゆっくりで"なんてゆるい返事が来る。あの人のことだから恐らく
2020年7月8日 00:42
SE 雑踏の音 車の走る音良太(MO)「青信号が点滅して、赤になる」SE 車の音が止まる 雑踏の音が小さくなる良太(MO)「そのほんの数秒だけ全ての信号が赤になる。その時、横断歩道の全ての人が止まる」SE 雑踏の音が止まる良太(MO)「おとずれる一瞬の間。この瞬間はいつも自分以外の、時が止まったように感じる」SE 雑踏の音 車の走る音良太(MO)
2020年7月4日 07:45
いろいろ6月の末に必死にやってたら、その必死なことじゃない方に頭がいってしまって、それで何個も作れたわけで、必死なことは結局難しかった。わたしはこうやって解られないように書くのがいつのまにか得意になって、日本語がうまく書けなくなってしまったんだとつくづくおもう。「あのおばあちゃんいつもあそこでクリームソーダ飲んでるよね?」きっとわたしの話だろう。おばあちゃんと言われるような歳でもない。
2020年6月20日 07:34
扇風機の回る部屋。セミがなく音。窓は開きっぱなしで、生温い風が入ってくる。一言で言うと「暑い」。クーラーはというと、故障している。夏の始まりに多くの人の故障で、修理が混むためなかなか順番はこない。こういう時はフローリングの冷たさだけが頼りだ。「あっつ〜」うつ伏せに体を冷やすように寝ている。「さとこ」「ん」「別れよっか」扇風機とセミの音がさっきより強く響いて聴こえる。