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ココロが揺れた映画感想文

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もう一度観たい映画の感想を書いてゆきます。
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四月になれば彼女は

四月になれば彼女は

前から観たいと思っていた映画、
「四月になれば彼女は」が、今頃になって、近くの映画館でやっと上映されました^^

(ストーリー)

大学時代、同じ写真部のハル(森七菜)と恋に落ちた藤代俊(ふじしろ、佐藤健)は、彼女と世界旅行をしようと計画し、いろいろ情報を集めてスクラップブックまで作った。
 旅行の許可をハルの父親(竹之内豊)から得ようとハルの家を訪問した藤代は、そこで、意外なモノを父親から見せら

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星の子/今村夏子

星の子/今村夏子

「星の子」は、今村夏子さん原作の小説。
私が初めて今村夏子さんの本を読んだのは、
「こちら、あみこ」で、たぶん生まれつき、
周りの人と協調するのが難しい子のお話しでしたが、この「星の子」は(宗教二世)の子の物語です。

主人公の林ちひろ(芦田愛菜)の両親は、バカ高いお金を出して(金星のめぐみ)という水を、ある宗教団体から買っている。初めは会社の同僚がタダでくれていた水だったのだけれど。
 自分の子

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映画「渇水」

映画「渇水」

 群馬県前橋市の水道局に勤める岩切俊作(生田斗真)は、日照りが続き、取水制限が叫ばれる町なかで水道料金🚰を滞納している世帯を回っては、水道の栓を閉じてゆく仕事を繰り返していた。

そんなある日、岩切は幼い姉妹を抱えるシングルマザー(門脇麦)の家を訪ねるが、彼女は水道料金を払うどころか、幼い姉妹の子供を置き去りにして、家を出てしまう。

残された姉妹が(パパは船乗りで、今頃はスエズ運河を航海してい

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林遣都「バッテリー」

林遣都「バッテリー」

私が林遣都くんを初めて知ったのは、
彼のデビュー作、映画「バッテリー」の、
新聞広告だったと思う。(2007年度、公開)
何新聞か忘れたけれど、マウンドに立ち、
グローブを持ち、構えている彼には、すでにスターとしてのオーラが十分にあった。
何という、美少年なんだろう!
年甲斐も無く、一目惚れしてしまった私😆

映画を観に行きたかったのですが、当時、
私には5歳の娘がおりました。やんちゃで、
まだ

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映画「こちら、あみこ」

映画「こちら、あみこ」

今村夏子原作の映画「こちら、あみこ」を見た。
あみこは、字が読めない。
人の気持ちも読めない。
(と、家族やみんなから思われている)

あみこのお父さん哲郎(井浦新)は再婚して、新しいお母さん(尾野真千子)が出来たが、自宅で習字教室を開いて、あみこには、あまり、かまってくれない。
あみこも習いたいと習字教室をのぞくと、
継母から「あみこさんは学校に行ってないからダメ!」と、ピシッと言われてしまう。

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『空気人形』是枝裕和監督

『空気人形』是枝裕和監督

 最近、見た映画で心に残っているのは是枝裕和監督の「空気人形」です。(2009年度公開)
「空気人形」とは、ラブドール。等身大の女性の柔らかい感じの人形で、恋人のいない男の人がそれを抱いて寝る感じでしょうか。

このラブドールには「のぞみ」(ぺ・ドゥナ)という名前があり、ある日突然、人間のように魂が宿ってしまいます。しかし、のぞみを買った主人(板尾創路)はすぐに彼女に飽きてしまい、のぞみは押入れ

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映画ドライブマイカー 

映画ドライブマイカー 

 年の初めに「ドライブマイカー」を観た。
 俳優兼舞台演出の家福(西島秀俊)は、ある芸術祭に呼ばれ愛車で現地まで行くが、主催者側から、二十代のみさき、という運転手を付けてもらうことになった。

 愛車の中で家福(カフク)はチエホフの戯曲「ワーニャ伯父さん」のテープを回し、ワーニャ伯父さんのセリフだけを練習する。ワーニャ伯父さん以外のセリフは全部、脚本家である彼の妻が読んでいたが、ある日突然、自宅で

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映画「茜色に焼かれる」

映画「茜色に焼かれる」

2021年に公開された不思議なタイトルの映画「茜色に焼かれる」この映画のポスターでは、主人公の良子(尾野真千子)が、洪水のように溢れんばかりの涙を寸手のところでダムのように堰き止めている。この刹那的でありながら、どこか力強さを秘めた良子の瞳は、映画を観る前から観る者に情動的な感情を駆り立ててくる。良子は、ここでもう、観客に問いかけているのだ。生きる、ということの根源的な意味、を。

良子は7年前に

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