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経営に生かしたい先人の知恵

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記事一覧

経営に活かしたい先人の知恵…その48

経営に活かしたい先人の知恵…その48

◆「より多くの人民を救うこと」こそ経済活動の意義◆

 「人類の教師」(和辻哲郎命名)とも称される孔子は、経済活動にどのような見解を持っていたのか。「最初に利を考えるのは、評価のできない小人」との言葉が「論語」にあることから、お金儲けを否定していると思われがちだが、決してそうではない。それは同じく「論語」に見られる、「富貴は人情の欲するところだから、これを求めて悪いことはない。しかし、道理に叶った

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経営に活かしたい先人の知恵…その47

経営に活かしたい先人の知恵…その47

◆行動なくして物事は成し遂げられない◆
 孟子は「できないと言うのは、多くの場合、やらないからである。何事もやろうと思えばできるはずである」と言っている。江戸時代、米沢藩を再興した上杉鷹山は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」との言葉を残しているが、これは孟子の教えそのもので、行動しなければ物事は成就しないということだ(本稿6参照)。

 経営で大事なことは何かと訊か

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経営に活かしたい先人の知恵…その45

経営に活かしたい先人の知恵…その45

◆単純な問い掛けが組織と人を成長させる◆

 ソクラテスは弟子に教えることはせず、「質問を繰り返すことで物事の本質に気づくようにリードしていった」という。この逸話は、「ソクラテス的問答法」として今に伝えられているが、この手法は自ら考え、自ら行動する人間を育てるために、大いに活用すべきだと私は考えている。

 経営学者・レビット(ハーバード・ビジネススクール元教授)は、「経営者が行うべきもっとも大切

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経営に活かしたい先人の知恵…その46

経営に活かしたい先人の知恵…その46

◆小さな改善の積み重ねで大きな飛躍◆
 老子は「九層の台(うてな)も、塁土より起こる。千里の行も、足下に始まる。九層建ての高殿も、元は小さな土くれを積んだところから起工する。千里の道を行くのも、足元の一歩一歩から始まる」と説いている。

 この老子の教えを実践して篤農家と呼ばれるようになったのが、二宮尊徳(金次郎)翁だ。1787年、相模の国・栢山(現小田原市)の農家に生まれた尊徳翁は、14歳で父を

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経営に活かしたい先人の知恵…その44

経営に活かしたい先人の知恵…その44

◆組織を危うくする腐ったリンゴ◆
 経営学者・ドラッカーは、リーダーにとって最良のテキストは、クセノポン(古代ギリシア・アテナイの軍人、著述家)の著書「アナバシス―敵中横断6000キロ」と「キュロスの教育」だと指摘している。私は2冊とも目を通したが、確かに経営に活かせる記述が多くあった。本稿では、チームプレーについてのキュロス(アケメネス朝ペルシアの建国者、紀元前600年頃~紀元前530年)の教え

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経営に活かしたい先人の知恵…その43

経営に活かしたい先人の知恵…その43

◆コミュニケーションを考える◆
 お釈迦様は、相手が理解できる言葉を使って法を説かれた。農業に従事している人には、農業を話題にするなど、相手の認知能力に合わせて説法されたが、これは「対機説法」と呼ばれている。

 この「対機説法」にコミュニケーションの真髄があると私は考えているが、同様の考えを持っていたのが、経営学者のドラッカー氏だ。次のような言葉を残している。「プラトンの『パイドン』によれば、ソ

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経営に活かしたい先人の知恵…その42

経営に活かしたい先人の知恵…その42

◆ものごとに必ず見られる利害両面◆
『孫子』に「知恵の働く者は、必ず利害の両面を合わせ考える。利益になることを考える時には、害の面も合わせ考えるから、その仕事は順調に進む。害になることを考える場合にも、利益の面を合わせ考えるから、その心配ごとも解消するのである」とある。

 ものごとには、メリットがあれば必ずデメリットもある。決断する際に、利益の面ばかりに目を奪われていると、落とし穴に嵌りかねない

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経営に活かしたい先人の知恵…その41

経営に活かしたい先人の知恵…その41

◆なぜ子孫の代で衰退するのか◆
 経営の世界をフィールドワークにして40年超になるが、改めて痛感しているのが、組織を持続することの難しさだ。一代で企業を立ち上げ、名を成した経営者は数多くいるが、終わりを全うできなかった経営者もまた多い。首尾よく事業承継できたとしても、その後衰退する企業も目立つ。

 持続的に成長できず、終わりを全うできない組織が多いのは、昨今の日本に限った話ではない。二代目、三代

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経営に活かしたい先人の知恵…その40

経営に活かしたい先人の知恵…その40

◆過去の業績を現在の地位で報いてはならない◆

 後継社長を対象にした勉強会『元気塾』を20年近く主宰しているが、メンバー共通の悩みの一つに、先代社長時代に幹部として会社を支えてくれた人材の処遇がある。過去の功労者にどう対処すればいいのか。私はその答えを『貞観政要』の中に見出し、アドバイスしている。

 中国・唐の二代目皇帝太宗は、名君として知られているが、統治後10年余り経つと、幹部クラスの規律

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経営に活かしたい先人の知恵…その39

経営に活かしたい先人の知恵…その39

◆「継続学習」のススメ◆
 中国の古典・『礼記』に、「玉も磨いて光沢を出さなければ、宝玉として通用しないように、人は、学んで物事の道理を心得ぬことには、才能を発揮することができない」との言葉があり、『論語』には「学ぶに勝るものはない」と記されている。

 学習で得られる成果とは、一体どのようなものなのか?

 まず挙げたいのは、何が正しくて、何が間違いなのかを、判断する力が身につくということだ。人

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経営に活かしたい先人の知恵…その38

経営に活かしたい先人の知恵…その38

◆小事を捨て置けば大事に至る◆
 『貞観政要』に、太宗(唐二代目皇帝)が「すべて大事というものは小事から起こるものである。小事を問題にしないで捨て置けば、大事の方はどうにも救うことができないようになる」と語ったと記されている。問題が大きくならないうちに手を打つべきとの指摘だが、これは企業経営にも相通じるものがあるだろう。

 労働災害の分野に、ひとつの重大事故の背後には29の軽傷事故があり、その背

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経営に活かしたい先人の知恵…その37

経営に活かしたい先人の知恵…その37

◆良薬は口に苦し◆
 『孔子家語』に、「良薬は口には苦いけれど、それだけ病気に効き目があり、忠言は耳障りにはなるけれど、それだけ行動の是正に効き目がある。その証拠に、殷の湯王、周の武王には喧々諤々の忠臣があればこそ国が栄え、夏の桀王、殷の紂王の臣下は皆、唯々諾々のご機嫌とりばかりだったので国が滅びた」とある。湯王、武王は優良なリーダーの、桀、紂は無能なリーダーの代表格で、これが日本でもよく知られる

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経営に活かしたい先人の知恵…その35

経営に活かしたい先人の知恵…その35

◆窮地の時、トコトン考えれば道は開ける◆

 中国古典『春秋左氏伝』に、「安きにありて危うきを思え。思えばすなわち備えあり。備えあれば患いなし」とある。本稿その9で、私は、この教えを引用して、いい時に危機意識を持つことが大事だと書いたが、これは本当に難しいようだ。順調な時ほど仕事量が多いだけに、当座の仕事をこなすことを優先せざるを得ない。また、現状の仕事を片付ければ収益が確保できるだけに、来たるべ

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経営に活かしたい先人の知恵…その36

経営に活かしたい先人の知恵…その36

◆事業構造の見直しが収益力向上への第一歩◆
 30年も停滞していた日本経済に、いくつか明るい兆しが見えてきた。その最たるものとして、私は新規開業率が高くなってきたことを挙げたい。2000年代に入ってから5%前後で推移してきた開業率が、2023年には前年比で8,9%増加(2024年6月30日日経新聞)したという。かねてより、開業が活発な国は、経済成長率も高い傾向があるとされている。日本経済も、成長が

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