- 運営しているクリエイター
記事一覧
経営に活かしたい先人の知恵…その44
◆組織を危うくする腐ったリンゴ◆
経営学者・ドラッカーは、リーダーにとって最良のテキストは、クセノポン(古代ギリシア・アテナイの軍人、著述家)の著書「アナバシス―敵中横断6000キロ」と「キュロスの教育」だと指摘している。私は2冊とも目を通したが、確かに経営に活かせる記述が多くあった。本稿では、チームプレーについてのキュロス(アケメネス朝ペルシアの建国者、紀元前600年頃~紀元前530年)の教え
経営に活かしたい先人の知恵…その43
◆コミュニケーションを考える◆
お釈迦様は、相手が理解できる言葉を使って法を説かれた。農業に従事している人には、農業を話題にするなど、相手の認知能力に合わせて説法されたが、これは「対機説法」と呼ばれている。
この「対機説法」にコミュニケーションの真髄があると私は考えているが、同様の考えを持っていたのが、経営学者のドラッカー氏だ。次のような言葉を残している。「プラトンの『パイドン』によれば、ソ
経営に活かしたい先人の知恵…その42
◆ものごとに必ず見られる利害両面◆
『孫子』に「知恵の働く者は、必ず利害の両面を合わせ考える。利益になることを考える時には、害の面も合わせ考えるから、その仕事は順調に進む。害になることを考える場合にも、利益の面を合わせ考えるから、その心配ごとも解消するのである」とある。
ものごとには、メリットがあれば必ずデメリットもある。決断する際に、利益の面ばかりに目を奪われていると、落とし穴に嵌りかねない
経営に活かしたい先人の知恵…その38
◆小事を捨て置けば大事に至る◆
『貞観政要』に、太宗(唐二代目皇帝)が「すべて大事というものは小事から起こるものである。小事を問題にしないで捨て置けば、大事の方はどうにも救うことができないようになる」と語ったと記されている。問題が大きくならないうちに手を打つべきとの指摘だが、これは企業経営にも相通じるものがあるだろう。
労働災害の分野に、ひとつの重大事故の背後には29の軽傷事故があり、その背