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【R18】幽閉returns

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僕は蘇った。 身体の半分をロケットランチャーで吹き飛ばされ たくさんのカニが僕を食べた だけど、僕は王様なんだ このぐらいで死んでたまるか 僕はカニの王として復活した あの父娘に…
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#元刑事

幽閉returns ㉔転落の果ては…カニの餌?

幽閉returns ㉔転落の果ては…カニの餌?

う…うう…

ここは…? どこだ?

そう言えば…俺は…

カニ館に潜入して…居間に入って…

そうだ… たしか

暖炉の方で物音がしたんだ…

そして…

暖炉の傍のソファーを蹴飛ばしたら

俺の立っていた床に急に穴が開いて…

それからは…覚えてない…

はっ! 俺の拳銃…?

ベレッタ92Mはどこだ?

暗くて何も見えない…

ん? 地面が砂だと…? 

ここは地下室じゃないのか?

お…お

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幽閉returns ㉓ええっ!ぎょ、魚雷っ⁉

幽閉returns ㉓ええっ!ぎょ、魚雷っ⁉

いったい、この人って…?

本当にただの探偵なの?

この車だって…

音声入力システムに水陸両用?

もう… 訳が分からない…

でも…

この人は悪い人じゃないわ

パパの昔の知り合いだっていう事だし

それだけじゃなくて…

優しくて頼りがいがある

包容力って言うのかな…?

どことなくパパに似てる気がする

そんな事言ったら

探偵さんに怒られちゃうかも…

とにかくこの人は信用出来るわ

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幽閉returns ㉑やられた事はやり返す…

幽閉returns ㉑やられた事はやり返す…

ふふふふ…

来た来た来た

全部見えてるよん

館の前で立ち止まって見まわしてやがる

どうだい?

僕のカニハウスは…?

気に入ってくれたかな

さあ…

早く入っておいでよ

カギなんて掛けてないから

はははは

拳銃を持って来てるね

そんなの効かないよ

このカニハウスの装甲にも

もちろん、僕にもね

君達に壊された僕の城は

強固に生まれ変わったんだ

えっ?

壊したのはお前自

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幽閉returns ⑳カニの館への潜入…

幽閉returns ⑳カニの館への潜入…

よし、着いたぞ…

明け方に車で家を出て

モーターボートに乗り継ぎ

昼過ぎの今、やっと島に着いた…

俺がここへ来るのは二度目だな…   (幽閉⑭ 参照)

前も一人で娘の救出に来た

もう、再びこの島に来る事は無い

そう思って娘のくみと、この島を後にした

こんな島… 二度と来たくは無かった

だが、ヤツが本当に生きているのなら

決着を付けなければ…

俺とくみは前へ進めない

安心して

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幽閉returns ⑱僕達カニの世界を築くんだ

幽閉returns ⑱僕達カニの世界を築くんだ

へへへへへ

船がこっちへ向かってくる…

僕に殺された元相棒の復讐に燃えて

くみのクソ親父がもうすぐ来やがるよ~ん

お前がこの島に来るのは二度目だ

前に来た時は娘のくみを救いにだった

そして戦った挙句に僕を殺した…

その結果、カニの王としてよみがえった僕…

僕は今の自分を嫌いじゃ無い

嫌いじゃ無いけどお前は許せない…

僕は人間を捨てたけど

お前への恨みは忘れない

決して…

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幽閉returns ⑯パパだけの問題じゃない!

幽閉returns ⑯パパだけの問題じゃない!

パパが何かごそごそやってる

こんな夜中に何をする気なの…?

やっぱり、さっきのカニの様な怪物のせいなのね

きっとそうだわ

あれは見間違えなんかじゃない

パパもあの怪物を見たのか

何か証拠でも見つけたんじゃ…

パパは鬼刑事って言われてた

優秀だった捜査一課の元刑事なんだもん

何かに気付いたのよ、きっと…

そして一人で戦う気なんだわ

ママにも私にまで内緒で…

もし…カニの怪物が

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幽閉returns ⑮必ず貴様を仕留めてやるぞ

幽閉returns ⑮必ず貴様を仕留めてやるぞ

くみには言えない…

あの男が生きていたなんて事は…

だが、どうやって助かったんだ…?

俺とくみとで放った対戦車ミサイル

あれでヤツは吹っ飛んだ

千切れ飛んだ腕と脚を見た

死を確認してはいないが

あれで生きているはずが…

だがヤツの指定した場所

あれはヤツの住んでいた無人島だ

ヤツ以外の人間が

知っているとは思えない

考えていても仕方が無い

とにかく佐々木を殺った犯人は

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幽閉returns ⑭パパの様子が変…?

幽閉returns ⑭パパの様子が変…?

パパーッ!

私は勝手口のドアを開け放して

外へ飛び出した

うちの駐車場にパパはいた

私はホッとして肩の力を抜いた

パパからもらった護身用の特殊警棒を

持ち出して両手に構えていたのだ

パパは車を洗っている様だった

こんな時間に…?

車のボンネットを洗い終えたパパは

私を振り返った

そして自分の足元に置いたバケツを

私から見えない様に自分の後ろへ回した

どうしたの、パパ?

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幽閉returns ⑫今から行って貴様を殺す…

幽閉returns ⑫今から行って貴様を殺す…

何だ…?

今の「ドサッ!」っていう大きな音は…?

うちの駐車場の方からか…

車上荒らしか強盗か

誰かいるのか?

この俺が元捜査一課の鬼刑事だって

知った上での狼藉か?

面白い…

剣道三段の腕前を見たいんだな

この木刀で後悔させてやる

そして二度と俺の家に手を出さない様に

思い知らせてやる…

駐車場の電灯を点けたぞ

よし、勝手口のドアを開けて…

ん…? 逃げたか…

何て

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幽閉returns ⑨誰にもジャマはさせない…

幽閉returns ⑨誰にもジャマはさせない…

今日…

刑事時代の同僚から

こんな話を聞かされた

最近、失踪事件が増えていると

特に若い女性が多いらしい

本当は警察を辞めた人間に

事件の話をするなんて

もちろん許されない

だが、長年命がけの危険な仕事を

死と背中合わせに

共に乗り越えてきた

かけがえの無い戦友だったのだ

そんな仲のかつての相棒だ

信頼出来る友だった

相談にも乗っている

捜査について話したりもする

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幽閉returns ⑥アイツは死んだんだ…

幽閉returns ⑥アイツは死んだんだ…

またカニか…?

確かにくみの言う通り

ここら辺りにカニはいなかった筈だ

これだけ一度に見かけるのは

やはり変だ…

しかし、カニに怯えるというのは

くみの奴も少しおかしい…

やはり、あの事件をまだ…

あの娘は忘れられないのか

最近は明るく振舞っているから

私も女房も安心していたが

くみにとっては

忘れられない出来事だろうな

あれだけの体験をしたんだ

いや、させられたんだ

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