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哲学・道徳(倫理)

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#えんちゃん

欠礼

欠礼

昔々あるところに、心優しい指導者がいました。ある日、その優しい指導者は国民のために「自由の防音室」を作ってくれたのです。そして、指導者は言いました。「君たちには言論の自由があるんだよ。言いたいことがあれば、遠慮なく、なんでも言いなさい。ただし、『自由の防音室』の中で」って(笑)。

これ自由って言えるんでしょうか(笑)。      ◇      ◇      ◇      ◇

では、密室でなけれ

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woke(意識高い系)

woke(意識高い系)

woke:awake(目覚める/悟る)という言葉をベースにしたスラング。社会で起きていることに対する認識=ソーシャル・アウェアネスがあること。SNSで「stay woke(ウォークでいよう)」というフレーズが使われ出してから流行。

世間では、年をとると好奇心が薄れると言われるようですが、オイラ、まだまだ好奇心のカタマリ野郎。意識高いと意識高い系の違いに興味津々。

     ◇      ◇  

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ローレンス・シルバーマン(2) ー  ブラジャーよさらば !ー

ローレンス・シルバーマン(2) ー ブラジャーよさらば !ー

オイラが中学生の頃(1960年代末)なんて、アメリカがベトナム戦争にのめり込み、フランスでは社会変革を求める5月革命が、そして日本では全共闘運動が暴れるという物騒な時代。

70年代、マス・メディアはオイラたちの気質を、無気力・無関心・無責任の三無主義と呼び、オイラたちの世代を無共闘世代とかしらけ世代と呼びました。

でも、もし洒落た言い回しがしたいのなら、過激を好まない穏健世代、あるいは中庸(ち

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ノーマライゼーションについての補足

ノーマライゼーションについての補足

何の話かというと、庵忠名人のこの記事。

こちらの記事を拝読し、自分を守りつつ周囲に合わせて自分を変えながら表現する敬語はやっぱいいな!と一人悦にいっておりましたが、ちょっとノーマライゼーションについて補足したく、コメント欄では収まらなさそうだったので、一つ記事にしました。

障害者を “普通” と違う人と見るのではなく、ごく自然に、そういうこともありうるという意識をもつこと
これは庵忠名人が言っ

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ローレンス・シルバーマン(4) ー 合成の誤謬(ごびゅう) ー

ローレンス・シルバーマン(4) ー 合成の誤謬(ごびゅう) ー

一人一人が合理的に行動したら、世の中は良くなる?
       ◇      ◇      ◇      ◇

「小論文を学ぶ」の75ページ。・・・・・要素に還元して考えたことがそのまま全体では成り立たないということは経済学でも起こる。たとえば「倹約のパラドックス」というものがある。・・・・「倹約」が個人レベルでいかに有効な手段だとはいえ、それを全体に押し広めて皆が「倹約」に走るとどうなるだろう。

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中心化の論理~ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて

中心化の論理~ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて

子どもが聞きました「改心ってなあに?」
親が答えました「あっちからこっちへ来ることだよ」
子どもが聞きました「裏切りってなあに?」
親が答えました「こっちからあっちへ行くことだよ」

昔、何かで読んだ話です。今回でようやく私の「ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて」も最後になります。庵忠名人、ありがとうございました。

寄らば大樹長尾達也氏の言う「中心化論理」をまず私なりに解釈してみましょう。

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責任の所在~ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて

責任の所在~ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて

すみません。流れはもうローレンス・シルバーマン(2)に進んでいるんですが、私はまだ言いたいことを言い終えておりませんので、ここにこだわらせてください。

今回は森氏の女性蔑視発言について、発言の内容ではなくその取り上げられ方の問題について書きたいと思います。

「女性というには年」発言は、また話が広がってしまうので触れません。

一、外交上の失敗オリンピックとは何のために行われるのか。
東京都オリ

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格差も差別もある、そこから始めよう

格差も差別もある、そこから始めよう

「平等!」とか「差別はダメ!」とか叫ぶ声があちこちから聞こえてくるんですが、本当かなぁという話。

平等って何が平等なんでしょう。
世の中には字を読むことすら教わったことがない人たちや、せっかく生まれても大人になる前に餓死したり栄養失調で死んでいくていく子どもたちがたくさんいて、もちろん日本でもネグレクトなどの虐待で死んでいく子どももいますが、それでも比較で言うなら日本に生まれ落ちた時点でかなり恵

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ジェンダーと敬語~森氏発言に寄せて

ジェンダーと敬語~森氏発言に寄せて

ジェンダーとは、社会学において、生物学的な性別(男女)ではなく、社会的・文化的につくられる性別のことを指します。つまり、男らしさ・女らしさであったり、男たるものこうあらねばならない、女のくせにこんなことをしてはいけないという教育や偏見、そしてそれらがその人のアイデンティティにまで影響を及ぼしてしまうこともあります。

そこで今回は「ジェンダーと敬語」と銘打ってみましたが、これは女性らしい敬語の使い

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帰納と演繹~ローレンス・シルバーマン(1) に寄せて

帰納と演繹~ローレンス・シルバーマン(1) に寄せて

こちらは庵忠茂作さまの記事。

ローレンス・シルバーマンってどんな人?ということでニュースがあったので、一つ貼っておきますね。

で、まあ、この庵忠さまの記事が盛沢山なわけですよ。

帰納と演繹。

ジェンダー。

中心化。

差別。

森氏の女性蔑視発言。
※森氏発言については、以前、多少述べてはおりますが、それ以外にもいろいろと思うところがあります

ということで、こんなに気になるワードを盛り

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もう遅いのかもしれない『アフター・リベラル』~読書感想文#23

もう遅いのかもしれない『アフター・リベラル』~読書感想文#23

政治・経済の苦手な私には、この本はかなり難しかったのですが、これは伝えなければいけないことが書いてあると思いましたので、ご紹介します。

敬語の前提が崩れるかもしれない私は常々、敬語は相互尊重だと言っています。先日も「敬語は相互尊重のために使う」「日本の敬語は相対敬語です」とお伝えしました。

しかし、近いうちに、相対敬語から絶対敬語に移行するかもしれません。

五つのリベラリズムこの本の難しさを

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