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「率直に言って日本の現状をどう思う」

これはエレファントカシマシのガストロンジャーという歌の冒頭の歌詞です。歌詞といいますかせりふ、ラップかも知れない。ヘッダ写真をお借りしています。

歌詞と意味性

というのもガストロンジャーという歌がコーラス部分以外にメロディがない歌であるためです。くだらねえ世の中、くだらねえ俺たちの部分に強いて言えばメロディがあるかも知れない。

ところでぼくは日本語の歌詞に意味性を求めていません。それは往々にして君があなたがどうのという慕情を寄せる相手への言い分しかない歌が多いためです。つまりぼくはお歌に愛とか恋を求めていない。斯様な成分が含まれてしまうのであれば敬遠するまであるとさえ言えるんじゃないでしょうか。

みたいなことを常々言っています。超初期に書いたnoteにも載っていたので相当根深いものがあるのでしょう。

ガストロンジャーと思想、あるいは都合

ガストロンジャーは恋や愛について歌ってない、つまり大歓迎な歌詞である。しかしながら何を歌っているかと言えば遠回しに(聴けばもしかしたら一発で理解してしまうかも知れない)政治について歌ってるような気がする。

政治、宗教、運動、人種、その他主義主張――――――、、、みたいなものは人様と平和に話す場合に触れるべきでないとされます。実際にそのような話を切り出され、嫌な思いをしたことがある方も少なくないんじゃないでしょうか?上司とか立場が上の奴が言ってくるなら尚更です。職の業になんら必要ないし、そういうお思考を持つ自分になりたくないから当該話題を避けているにも関わらず、やれ「こんなことも知らないのか」「そんなだから日本の未来が……」みたいな、そっちのほうが無責任だとしか言えないようなことを普通の企業とかの飲み会では言われるのではないでしょうか。飲み会がなくなってよかったですね。

ともあれ、ガストロンジャーでは政治と言いますか体制、冒頭にもあったように日本の現状について歌われているため人には薦めづらいかも知れない。薦めることで「げっ。こいつ俺にも日本に対してこう思えみたいに思ってやがるのかな面倒そうな奴だったんだな」とか相手に思われたら終わりですね。

しかしながら、別に人に薦めず、歌っている宮本浩次の主義主張は別にその歌に伴う楽器の一つとして処理して聴くことで、一人で聴く分にはそこまで怪しいことにはならない気がします。それは恐ろしいまでの主義主張が含まれた歌を聴いてきながら、じゃあぼくもそのために行動しようとは一切思わなかったことが原因かもしれない。つまり体質的なものですね。

そうじゃない人はどうなるか。この前日経読んでたら、この冒頭文がインタビューで使われていて驚きました。

高岡さんは率直に言って、今の日本の現状をどう見ていますか。

ここまでこんなしょうもない文を書いてきたぼくなりに都合よく理解してしまおうとすると、この高岡さんは無関係ではありますがインタビュアーである日経の人がもしかしたら過去にエレファントカシマシのリスナーであり、GOOD MORNING(ガストロンジャーが収録されたオリジナル盤)に感銘を受け、いつまでも頭の中に残っていたため発出された表現なのかも知れないと思える。

とはいえ新聞記者にとってそれこそ昭和から連なる当たり前のフレーズであり、もともと社会への関心が深かった宮本自身がそのようなフレーズをインプットされてしまっていて、無意識に歌でアウトプットしたのかも知れません。

宮本と日経

宮本はソロで日経がプロデュース(協力ですがほぼほぼ近いことでしょう)するテレビ番組の主題歌も歌っていました。

それぐらい宮本と日経の距離は現状近いと言える。今は小田和正になってしまいました。半年前の紅白歌合戦でわざわざ宮本が船の上でこの歌を唄ったのに、です。小田が新しいオリジナル盤を発売するから、いつの間にかOPが松下奈緒のピアノとなり、宮本の歌はEDだけになり、OPが松下のまま、EDが小田になってしまった。

宮本はガイアの夜明けという番組の文脈を読み込んだ上で夜明けの歌を発表した(題名からも想像できる)ので、そのシナジーはでかかったようにぼくは思う。ガイアの夜明けに登場した実在の人がなにかに成功する、兆しを掴むとかそれぞれの夜明けを手にした瞬間にEDで夜明けの歌がかかります。「夢見る人、私はそう、ドリーマー」と。きれいだったんですけどね。

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