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界面活性剤とアトピー

アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏 より


今、ことある毎に手洗い、アルコールをしなくてはならない状況ですね。
感染予防には、とても大事なことですね。

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(厚生労働省より)


ただ、この手洗いによって

アトピー性皮膚炎などの皮膚のトラブルを持つ方の手は、今まさにボロボロになってしまっています。。。


手の荒れた方を見るたびに

本当になんとも言えない感情になります。


感染症が嫌だから、手は洗わないと!

でも、洗うたびに手が痛いんです。

その後のアルコール消毒もほんと痛いんです。


皮膚は、以下のものによって壊されてしまいます。



アトピー悪化の3つの要因

【皮膚バリアを壊しちゃうもの】

①界面活性剤

②ハウスダストダニ、黄色ブドウ球菌

③ステロイド外用剤
(※使ってはいけないではなく、使い方が大事です!)


今回は、

①「界面活性剤」について


お伝えしたいと思います。

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石鹸、洗剤は、人の皮膚の洗浄に広く使用されています。

それらは、皮膚表面の脂質を乳化することにより作用し、その後、水で洗い流すことができます。

油汚れを落とすには、本当に有効ですね。

油汚れのついたフライパンを固形石鹸(洗浄力の弱い石鹸)で洗おうとするとほんと大変ですよね。

その後に液体洗剤(以下のような)で洗うとびっくりするほど、すぐに落ちる。。。

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手を洗う石鹸もそうですが、

洗浄力が強い(除菌力が強い)ということは、皮膚に必要な脂分や水分も取り除いてしまうということです。

便利なものが全て悪いとは思いませんが、

「時短」 「簡単」 「便利」

この裏にある自分の身体への負の要素を考えることも大事ですね。


結論から言えば、

・感染予防のため、外出時の手洗いは必須

・手洗い後の保湿クリームによる保護

・自宅では手に負担の少ない(洗浄力の弱い)石鹸で洗う
 ※手の洗い方をしっかり、かつ流水にも時間をかける
 ※可能な範囲で、自分の石鹸を持ち歩く


例年であれば、冬のインフルエンザの時期を過ぎると手洗いによる手荒れも少し落ち着くことも多いのですが、今年は違いますね。

先が見えず、大変な思いをしている方が多いかと思いますが、みんなで協力してコロナを1日でも早く落ち着かせて、赤い手を回復に向かわせましょう!


以下に

界面活性剤と皮膚の関係の細かいところを載せておきます。

詳しく知りたい方は、ぜひ、読んで見てください。

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【界面活性剤と皮膚の関係】

界面活性剤は、皮膚を損傷し、乾燥、圧迫感、粗さ、紅斑、腫れを引き起こす可能性があります(Kligman and Wooding、1967; Imokawa、1980; Froebe et al。、1990; Ananthapadmanabhan et al。、2004)。

洗剤の使用は、手の刺激性接触皮膚炎の最も一般的な原因の1つであり、ADのフレアを引き起こす可能性があります(Meding and Swanbeck、1987)。

洗剤のラウリル硫酸ナトリウムは、刺激に対する皮膚の感受性の標準試験として使用されます。皮膚バリア機能に対する界面活性剤の負の効果は、TEWLの増加によって示され、これはAD患者では正常対照よりも重症です(Cowley and Farr、1992)。

※TEWL:経表皮水分蒸散量 [transepidermal water loss]
 体内から無自覚のうちに角層を通じて揮散する水分量のこと

界面活性剤は脂質を可溶化することができ、これがTEWLを増加させるメカニズムであると仮定されています(Kirk、1966; Cowley and Farr、1992)。


石鹸と洗剤の急性刺激作用は、角質細胞からの炎症誘発性サイトカインの放出によって部分的に説明できます(Wood et al。、1996、1997)。

皮膚を石鹸で洗うと、手のひらのpHが90分以上3U上昇します(Mucke et al。、1993)。前述のように、pHの上昇は表皮バリアに重大な悪影響を及ぼします。石鹸で洗う前後の正常な皮膚と非病変の湿疹性皮膚のSCの厚さを測定しました。洗浄前のSCは、非病変性湿疹性皮膚(13.7μm)よりも正常皮膚(19.7μm)で厚かった。石鹸で洗うと、正常および非病変の湿疹皮膚の両方でSCがさらに薄くなり、これは表皮プロテアーゼの活性の変化と一致しています。

界面活性剤の使用は、サイトカインの放出の促進に加えて、KC分化およびSC分解酵素の重要なマーカーの発現を変化させることも示されています(Wood et al。、1996、1997;Törmäet al。、2008)。

詳しくは、以下の文献にてご確認ください。

アトピー性皮膚炎における表皮バリア機能障害

Epidermal barrier dysfunction in atopic dermatitis
Michael J. Cork, et al.Journal of Investigative Dermatology, 2009

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コロナのことが落ち着いて、トイレの後の手洗いだけで、心配のない状況に1日でも早くなってくれることを心から、心から願っています。


最後までお読みいただきありがとうございます🍀


アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏
より

アレルギーや自律神経に対するリハビリテーションの講習会情報につきましては、以下のHPをご覧ください。

無料のLINEチャットでは、自律神経についての情報発信をしています。
LINEオープンチャット「自律神経の知識箱🎁」


【今後の研修会予定】

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『タッチがもたらす自律神経への影響』

〜最新の知見と実践〜

日時:2024年11月29日(金) 20:00-21:00
場所:zoom(リアルタイム参加/動画視聴)
視聴期間:12月1日〜12月15日までの配信
講師:理学療法士 及川文宏
内容:
・タッチ (触れることやセラピー) と自律神経の繋がりについて
・上記についての最近の論文の紹介
・自律神経の乱れを持つ方に対する触れ方の注意点
・今年の自律神経学会で発表した研究について

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『臨床から見る精神的ストレスと自律神経』

日時:12月26日(木) 20:00~21:30
会場:zoom(リアルタイム参加/アーカイブ)
視聴期間:2024年12月29日~2025年1月15日
講師 理学療法士 及川文宏
内容
・精神的ストレスと自律神経
・運動と精神的ストレスの自律神経反応の違い
・ストレスから身を守るには逃げるが勝ち
・脂肪肝とストレス、脂肪肝の役割
・ストレスを知るための問診
・ストレスのモニタリング
・「考え癖」が自律神経を乱す
・ストレスの対処法(コーピングなど)
・自律神経が乱れやすい人の性格

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自律神経セラピストBasicコース
【②:3講座申込】

座学の②-1、②-2、②-3の3つの講座をまとめ申込みが可能です。
(※1つずつの申込も可能)

②-1「血流(血管)と自律神経」

②-2「内臓と自律神経」

②-3「睡眠と自律神経」

動画公開期間:2024年11月20日 〜 2025年1月21日
上記の動画は3つ全て期間中ご覧になれます。

※自律神経セラピストBasicコースの概要や講座の内容につきましては、こちらからご確認ください。

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問診の仕方

『自律神経の問題を持つ方への問診の仕方』

日時:1月29日(水) 20:00~21:30
会場:zoom
視聴期間:2025年2月1日〜2月21日
講師 理学療法士 及川文宏

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