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交感神経と筋のつながり

アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏 より



交感神経と筋の繋がり

骨格筋は運動神経だけではなく、交感神経によってもコントロールされてきていることが分かってきています。

・骨格筋の中に交感神経遠心性線維の分布を確認する研究
 Rodrigues ACZ et al : The sympathetic nervous system regulated skeletal muscle motor innervation and acetylcholine receptor stability

・自律神経の遠心性線維は筋紡錘も支配していることを報告する研究
 Radovanovic D et al : Sympathetic innervation of human muscle fibers in cat skeletal muscle.


交感神経と筋のつながり


内科疾患のリハビリテーションでは、特にリスク管理において、「自律神経の働き」と「運動療法や筋力トレーニング」の繋がりの情報を常にアップデートしていく必要がありますね。

また、老化や病気などにより生じた筋肉低下に対して、骨格筋にある自律神経を標的にした薬や電気刺激などの治療が開発されていきそうですね。


病気の無い健康な人であっても、トレーニングの際に交感神経にスイッチの入りにくい状態であれば、その時期の筋力向上が思うように進まない可能性がありますね。

アスリートの人たちが、日々の環境において、練習時にしっかりと交感神経にスイッチを入れられて、合間の休憩時間や練習を終わって帰ってからは、副交感神経にスイッチが切り替わってしっかりとリラックスできることは、筋力向上、パフォーマンスの向上にとても大事になってきますよね。


パラアスリートの木村敬一選手


少し、話が脱線してしまいますが、、、

先日、パラリンピックに出場した水泳の木村敬一選手のインタビューをテレビで見ました。

(先月の東京パラリンピック、男子100mバタフライS11(視覚)で金メダルに輝いた木村敬一選手)

5年前のリオパラリンピックは銀メダルで悔しい思いをして以降、気持ちが切れ、勝負の場から逃げたいと考えていたそうです。

競技でうまくいかなくとも日常が充実すればプラスになるはずだと米国留学を決めたそうです。

全盲である木村さんにとって1人見知らぬ土地、かつ、言葉も違う環境での生活は本当に不安なことが多いと思います。英語もほとんど喋れなかったというのですから驚きです。

自分の以前の日記を見ながら、水泳以外のことでも少しずつできるようになっていることがあることに喜びを感じていたそうです。

「米国にいるとき毎日が楽しくて、呼吸しているだけで自分が成長していると思えた。たまらなくいい人生だと思った」

とおっしゃってました!
テレビを見ていた僕まで、笑顔になって幸せな気分になりました🍀


新しい環境でこれほど充実感を感じられていること自体、メンタル面だけではなく、自律神経にも良い影響があることは間違い無いですよねww。


無理矢理、話を戻した感じはありますがww、交感神経副交感神経のスイッチがうまく切り替えられていること間違い無いですよね。

アメリカに留学当初と東京オリンピックの時の体つきが、二回りぐらい大きくなっていましたね!

木村選手の話で終わってしまわないようにww


以下に自律神経、筋・筋力、ホルモン分泌などを含めた文献を紹介しておきます。


文献紹介

脊髄損傷者を対象とした「交感神経刺激」と「筋への電気刺激」の報告
・交感神経の働きを促す薬(β受容体作動薬)を服用しながら、大腿四頭筋の収縮を電気刺激で促したところ、筋の断面積と大腿の太さが増えたという報告です。
 Murphy RJ et al : Salbutamol effect in spinal cord injured individuals undergoing functional electrical stimulation training.

 

健康な女性12名を対象とした「交感神経刺激」と「トレーニング」の報告
・β2受容体刺激薬の経口摂取にて最大運動中のパフォーマンスの改善(ピークパワーと平均パワーの増加)を誘発するという報告です。
 Le Panse B et al : Effects of acute salbutamol intake during supramaximal exercise in women.


運動とアドレナリンなどのホルモン分泌反応の報告
ヒトにおいて、持久力訓練を受けた運動に対するアドレナリン反応が高いことを示す。また、動物で行われた研究では、体力トレーニングが副腎の量とアドレナリン含有量の増加を介してアドレナリンを分泌する能力を高めることができることを示唆するという報告です。
Zouhal H et al : Catecholamines and the effects of exercise, training and gender.


最後まで読んでいただきありがとうございました🍀


アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏
より
日本アレルギーリハビリテーション協会
アレルコア
福のしま研究会
 YouTube(アレリハちゃんねる)noteでは、アレルギー疾患や自律神経に対する理学療法についてお伝えしています。

アレルギーや自律神経に対するリハビリテーションの講習会情報につきましては、以下のHPをご覧ください。

無料のLINEチャットでは、自律神経についての情報発信をしています。
LINEオープンチャット「自律神経の知識箱🎁」


【今後の研修会予定】

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自律神経セラピストBasicコース
【アーカイブ配信全9講座】

全9回講座(90分 × 9回)
①-1「概論:自律神経の解剖生理学」
①-2「自律神経を変化させる要因」
①-3「ストレスと自律神経」
動画公開期間:
2023年11月23日〜2024年 1月8日

②-1「血流(血管)と自律神経」
②-2「内臓と自律神経」
②-3「睡眠と自律神経」
動画公開期間:
2024年1月17日〜2024年 3月3日

③-1「神経・筋膜の機能解剖」
③-2「排便の運動学」
③-3「便秘の原因」
動画公開期間:
2024年3月13日〜2024年4月28日

※自律神経セラピストBasicコースの概要や講座の内容につきましては、こちらからご確認ください。

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『エビデンスに基づいた身体と心の結びつき』

アーカイブ配信:2024年1月15〜25日
場所:zoom
講師:理学療法士 及川 文宏
    看護師  栁沼 愛
内容:自律神経、免疫、心のつながりについて、エビデンスを含め、理学療法士と看護師がそれぞれの視点で紐解きます。
・人と向き合う上で大切にするべき価値観やスキルについて
・患者さんの本来の生命力を引き出すための関わり方
・ヒトの本質の理解の大切さ
・「病気と健康」の理解に関する異なる視点

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『栄養とリハビリテーションのつながり』

〜参加者の素朴な疑問を解決する座談会〜
日時 2月6日(火) 20:00~21:00
会場 zoom
講師 管理栄養士 和田 宵湖
参加費 500円
内容 「栄養とリハビリのつながり」について、栄養士とリハビリ職種の間の疑問点や誤解を解消するための座談会となります。患者さんの回復過程を理解する上で知っておくべきポイントをお伝えします。
・参加者からのご質問に管理栄養士の和田先生がお答えする
・「栄養とリハビリテーション」における参加者の悩みの共有と対策の相談
・参加者同士の情報共有

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『睡眠障害の予防と改善に向けた理学療法』

日時 2月28日(水) 20:00〜21:30
場所 zoom(後日アーカイブ配信あり)
講師 理学療法士 及川文宏
 一般社団法人日本アレルギーリハビリテーション協会  
内容 
・睡眠障害、睡眠負債とは
・睡眠不足になるとどうなる?
・肥満と睡眠不足
・コルチゾールとメラトニンの役割
・熟睡のための5つのコツ
・睡眠障害者の身体的特徴
・睡眠障害者の評価ポイント
・熟睡できる身体、姿勢分析

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『自律神経障害の病態メカニズムとリハビリテーション 』

日 時:3月13日 (水) 20:00~21:30
場 所:ZOOM(後日アーカイブ視聴あり)
講 師:京都橘大学 健康科学部 理学療法学科
    助教 重藤 隼人 先生

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