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1人百人一首

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#エッセイ

1人百人一首〜血潮〜

今日もまたたくさんの人に愛されて新門司港の夕日を見ている

閉ざされた愛の記憶に潮が泣く血の繋がりは血の祈りなり

九州の匂いがするような田舎道かっ飛ばすわよ95キロ

もう一度何度でもって旅だった港の球体あれはなに?

またねって大きな影が映ってるとりかじいっぱいいざ人生へ

変わらないものもあったりなかったりバイキングでは上手に盛れない

九州(ここ)でしか見れない店が並んでるミスターマックス

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1人百人一首~十三、梅田東通り、またはどこかのインターチェンジ付近~

抱かれたのではない私が抱いたのよ笑い飛ばした始発の牛車

火をつけたたばこが腹の粘膜と感情刺激した夜明け頃

つぶされたシケモク見つめこの世界あんな未来とか考えてみる

ひさしぶり降りた駅だと君が言う私はあの夜あいつと降りた

かどわかし傷の舐め合いかりそめの十三栄商店街

一人百人一首〜間男〜

あの人の棄てた弁当ゴミ袋君が持ってく行ってらっしゃい

逃げるべき選択をするしないなどとっくの昔に決めてることでは

追い詰めることになるなら私などハナからいない方が華です

華だとか蝶もなれずわたくしはただ傷つけるスズメバチかも

高鳴りは禁煙すれば治るのかドライフラワーになってゆくのか

胸が痛い煙草のせいだきっとそう今日も今日とて会いたいような

1人百人一首~倫理の道~

君の知らない私がふえてゆくマックのポテトが今日はしょっぱい

引き返す電車はもうない11時倫理の道の片道切符

タップして品定めをすにんげんに許されるのか神でもないのに

干上がった池のほとりを連れられる我は飛べないカモの雛なり

閨の中視界が揺れる午前2時空き缶たちの視線は冷たい